自己紹介②
先生の無駄話が長々と続き、やっと正気に戻ってきた。
「あ、すみません。ちょっと話が過ぎましたね」
ハハハ、と笑い、んんっと喉を鳴らし
「えーっと、では次は皆さんに自己紹介をしてもらいます」
と、先生は出席簿を見て
「えー、最初は――」
と、名前の順番から呼び、自己紹介をしそして
「えー、霧雨雷雨君!」
と、彼が呼ばれた。
「はい」
そうして、彼は席に立ち、ステータスを開いた。
「えー霧雨雷雨です。得意なのは、戦闘です。よろしく〜」
そして彼は席に着いた。
「はい、ありがとうございます!流石は神器使いだね〜。ステータスが高い!これは期待のルーキだ!」
そう先生が褒めた後、僕の自己紹介の番になった。
「えー、次は、黒炎寺龍君!」
「はい」
僕は席を立ち、ステータスを開いて、自己紹介をした。
「僕は、黒炎寺龍です。得意な事は特にないです。よろしくお願いします」
そう言い僕は、席に座った。
「はい、ありがとうございます!速さがAは中々速いね〜。じゃあ次!」
そして次々と呼ばれ、
「次〜、平原由君!」
由が呼ばれた。
「はい!」
由は元気よく返事をし、ステータスを開いた。
「僕は平原由です!得意な事は物を見つける事です!よろしくお願いします!」
そう言い由は席に座った。
「はい、ありがとうございます!なんか女の子みたいな顔だね〜。で、物を見つけるのが得意と、索敵スキル持ちだね?これは期待する他ないね!」
と、先生もテンション高めで話した。
「はい!これをもって、自己紹介は終わり!みんな仲良くするように!では、今から休み時間です!次は競技場に集合だから遅れないように!では、解散!」
そして先生は教室から出ていった。
「龍〜、一緒に競技場に行こう!」
と、由が言って来たので、僕は
「うん、いいよ」
と、答え席を立ち競技場に向かおうとする。
その時、
「おい、お前」
と、後ろから声をかけられた。
僕は振り返ると、3人の男が僕を見ていた。
「何?」
僕はそう応えると、
「お前みたいな速いだけの奴はこの学校にいらねぇんだよ!さっさと辞めた方がいいぞ?」
そう言い、笑いながら教室を出ていった。
「何よ!アイツら龍を馬鹿にして!」
今までの由とは思えない口調に驚きながらも僕は由をなだめた。
「まぁまぁ、確かに彼らの言う通りだし仕方ないよ!」
と、笑いながら言ってると、隣を通り過ぎようとする霧雨雷雨が小声で、
「いつになったら目覚めるんだ?」
「!?」
そう僕にしか聞こえない声で語りかけた。
僕はすぐ彼を見たが、彼は教室を出ていった。
(一体なんだったんだ?)
僕はそう思いながら、由を宥めながら競技場に向かった。
ー霧雨雷雨ー
俺は知ってる。
俺は分かる。
何もかもを…
黒炎寺龍……
早くお前の力を…
見せてみろ!
彼はニヤリと笑いながら、競技場に向かった。
たった1人、自分と渡り合える男の力が目覚めることは願って―――
見て下さりありがとうございます!