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涙の訳

しばらく投稿出来ずすみませんでした!

今後も遅れることもありますが、どうぞよろしくお願い致します!!

「なかった?」


翌日、由から昨日行った神社に関して教えてもらおうと由に話しかけに行った。

だが由は、昨日の神社に関することはどこにもなかった、と申し訳なさそうに教えてくれた。


「色々調べたんだけど……ごめんね」


「気にしないで、調べてきてくれてありがとう」


本にも書かれていない未明の神社……


あの場所は夢だったのだろうか……


僕がそんな事を考えていた時、ふと思った事ができた。


「アリスさんなら知ってるかな?」


「何でアリス様に?」


「いや、なんとく知ってそうだな〜って思って……」


僕は苦笑いで応える。

でも正直、アリスさんなら知ってそうな気がした。あの人、気の所為だと思いたいけど何か色々と隠してそうな気がするんだ…。もしそうなら今回の未明の神社も知ってるはず……多分。


「…わかった。アリス様に連絡しとくね」


「ありがとう」


そこから普通に午前午後の授業を終え、放課後になり雷雨の所に行ってから帰ろうと思っていたら、由に声を掛けられた。


「龍くん!今から暇?」


「うん、雷雨の所に寄ってから帰ろうかなって思っていたところだけど、至って暇かな」


「じゃあ今から女子校行くよ!」


唐突に言われ、その言葉の意味が理解出来ず、振り絞って出した答えは────


「……へ?」





★先皇剣立女子高校


男子校からしばらく歩き続け、女子校前に到着した。

前回は男子達と一緒に来たのであまり緊張はしなかったが、今回は1人で来たので心臓の音がよく聞こえる程緊張しています。


「龍くん?どうしたの?早く行こー」


由はもう校門を通り校舎に入ろうとしていたが、僕は緊張し過ぎて入れなかった。いつもなら雷雨がいてくれたから、少しは安心できたけど、流石に1人で女子校に入るのは流石に難易度が高すぎる…


「ゆ、由…さん?あの…か、かわりに聞きに行ってもらって……よ、よろしいでしょうか?」


「え?何で?」


学校で僕の考えていることを色々と察してくれる由は、今回そのスキルは発動しないみたいだ……まぁそんなスキルないけど……


僕は意をけして、再び女子校の校舎に入った。



やっとアリスさんがいる教室前に着いた……

ここに着くまでの道のりで色んな人に話しかけられた。もちろん全員女子だから、何を話していいかも分からず、ずっとあたふたしていたけど……

でも確かこの学校の生徒全員って男嫌いって聞いたような……?

あれ…?


「どうしたの?」


色々考えていると由が顔を覗かせてきた。


「い、いや、少し疑問が…」


「疑問?」


「ここって男嫌いって聞いたような気がするんだけど…」


「あぁ〜」


由は何か納得し、苦笑いになった。


「ま、まぁそんな事より!ほら、入ろ?」


「え?う、うん」


何故か話を逸らされた気もするけど、先に本来の目的を達成させた方がいいかな


「失礼します」


由はドアを2回ノックし、部屋に入っていった。それに続いて僕も部屋に入る。




★騎士団長室


「やぁ、待っていたよ。龍くん」


部屋に入ると、アリスさんが椅子に座り待っていた。隣では神崎さんと知らない女の子がいた。

ピンク色の髪でツインテールの少し背が低い女の子…


誰だろう?生徒会の人かな?


「久しぶりだね、怪我はもう大丈夫かい?」


「は、はい。僕はあまり怪我はしてないですけど……雷雨は…」


「彼の様態は聞いているよ。今回は私の落ち度だ……すまない」


「い、いえ!アリスさんが謝ることはないですよ!」


僕達が戦っている間、アリスさんはたった1人でSランクの魔物を討伐したらしい。

けど、アリスさんの方はルイーツの時みたいな現象は起きなかったそうだ。


「君があの魔物を倒してくれなければ彼女達は死んでいたかもしれない、本当にありがとう」


アリスさんは椅子から立ち上がり、僕に頭を下げてきた。隣にいた神崎さんも、ありがとうと感謝と共に頭を下げた。


「……僕の力だけで倒した訳ではありません。雷雨や神崎さん達がルイーツの体力を減らしてくれていたから勝てただけです。僕1人の勝利ではありません」


僕は思っていることを正直にアリスさん達に打ち明ける。


「僕は最初、怖くて剣を構える事すら出来ませんでした。何度も逃げ出したいと思い、見捨てようとしていました。そんな事をしようとしていた僕にお礼なんて必要────」


「──だが君は、最後まで残りそして戦った」


僕が言い終える前にアリスさんが遮った。

アリスさんは僕に近づき、そして抱きしめた。

その時、僕は人の温もりを久しぶりに感じた。アリスさんに抱きしめられていると何故かお姉ちゃんができたみたいな気持ちなる……


「君は弱虫でも弱者でもない……だから自分の過小評価はやめてくれ」


「……アリス…さん」


温かい────

人に抱きしめられたのは何年くらい前かな…

最後に抱きしめてくれたのは…おばあちゃんだったかな…


懐かしいなぁ……


いつも僕が泣いているといつも抱きしめて泣きやましてくれたおばあちゃんの温もり……


「………」


「龍くん?泣いてるの?」


「…え?」


僕は顔に手を当てた。

目元に手を当てた時、指に雫がついた。

僕は気付かないうちに泣いていたようだ。


「…君は…よく頑張ったよ」


アリスさんの言葉が後押しとなり、僕は涙が止まらなくなり、久しぶりに号泣した。恥ずかしさなんて全くなかった。ただアリスさんの腕の中で泣きじゃくった。


しばらくして僕は泣きやみ、アリスさんの腕の中から離れた。


「…すみません、アリスさん……」


「気にする事はないよ。落ち着けたかな?」


「……はい」


僕はアリスさんの顔を見るのが恥ずかしくなり、顔を逸らす。流石に泣き止んでしまえば冷静に戻るので、羞恥心も生まれてしまう。そして先程の自分がどれだけ恥ずかしいことをしたか…思い出すだけで顔が赤くなる。

この場にいる人達全員に顔を合わせずらくなってしまった…


「……アリス様、一応彼も男です。確かに私達を助けてくれた恩人ですけど、男とあまり馴れ合うべきではないと思いますが」


「うーん、確かに密着しすぎたかな」


「前は男女合同合宿で少しは許されたかもしれませんが、今は違います。御自分の立場等考えください」


神崎さんの厳しい言葉に、アリスさんは少し苦笑いしながら大人しく聞いていた。

何か立場逆転してるみたい……

こんな事絶対に言わないけど!


「ふぅ…さて、今日は何しに来たのかな?」


神崎さんからの説教が終わったようで、アリスさんがようやく自分達の来た理由を聞いてきた。

だけどその前に1つ気になる事がある…


「えっと話す前に一つだけいいですか?」


「何かな?」


僕は先程からずっとそこに立っていたピンク髪の女の子に指を指した。その女の子はお?っと声を上げ、前に出てきた。


「どうもこんにちは!俺様はサティ・リクルスです!よろしく!」


女の子は敬礼をしながら、自己紹介をしてくれた。

一人称俺なんだ……


「彼女はサティちゃんで、実力は時雨ちゃんにも匹敵するほどの実力者だよ」


「俺様、強いですよ!」


彼女は笑顔を浮かべながら、こちらに近寄ってきた。


「貴方が龍ですか?」


「え?う、うん」


「おぉー!」


彼女は1人で盛り上がり、僕の手を掴み握手する。


「よろしく!」


「よ、よろしく」


彼女のテンションについていけない…

神崎さんは顔に手を当て溜め息を漏らし、隣にいる由も苦笑いを浮かべている。


「龍さん!質問いいですか!?」


「ど、どうぞ」


「龍さんって────」



───()()()()()()って本当ですか?



「ッ!?」


彼女の質問に僕は苦笑いから一瞬で驚愕の顔に変わった。彼女は笑顔のままで首を傾げている。部屋の空気は一瞬で冷めたものになり、誰も一言も出せなくなった。



この子は───一体何者なんだ……?

見て下さりありがとうこざいます

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