無人の神社
雷雨のお見舞いも済み、龍と由は帰路を辿っていた。
「雷雨、元気だったね」
「…うん」
「本っ当にあの戦闘バカは馬鹿のままだったね」
「それは言い過ぎじゃない?」
そんな他愛のない会話をしているとたまたま神社を見つけた。
「あんな所に神社ってあったの?」
「僕も知らない…」
龍と由は気になり、その神社に寄り道する事にした。
長い階段を上り、そこに居たのは─────
「…無人の神社?」
そこには、誰も居なかったのだ。
人の気配も、人がいた痕跡も……
あるのはそこにポツンと立っている社だけ…
「この社…結構綺麗だね」
「誰かが綺麗にしたのかな?」
「無人の神社に?」
「……確かに」
龍と由はとりあえずその社をぐるっと1周した。
しかし、何もなかった。
「何なんだろう?」
「んー、気になるから後で調べとくよ。何か分かったら明日教えるよ」
「ありがとう、由」
そう言い、龍達は階段を降りようとした。
そんな時、龍が────
「あ、ちょっと待って」
「どうしたの?龍君」
龍は鞄から財布を取り出し、社の方に向かった。龍は財布から5円を取り出し、賽銭箱に投げ、お参りした。
「じゃあ帰ろうか」
「何お願いしたの?」
由はニヤニヤと龍の顔を見ながら聞く。
「……雷雨の怪我が早く治りますようにって」
「ふーん、優しいね龍君は」
「そ、そうかな?」
「うん!じゃあ帰ろうっか!」
「うん」
そう言い、龍達は階段を降りていった。
♢
龍達が降りていった後、社から1人の巫女が姿を現した。
「……心優しき勇気ある少年…」
巫女は先程賽銭してくれた少年を思い浮かべる。
「彼が……あの…」
巫女は何処か寂しそうな顔をする。
「……神は…何故あの少年を────」
彼女の続きの声は、風が攫っていった────
☆先皇女子寮
その夜、由は今日行った神社について調べていた。
アリスからの許可を得て、図書館にある神社に関する本をしらみつぶしに見ていた。
しかし─────
「一体……どういう事?」
どんなに探しても、あの神社に関する情報は……何一つ出てこなかった─────
見て下さりありがとうございます!
ブックマーク等登録して頂ければ、今後の投稿の励みになります!
是非ともよろしくお願いします!
一緒に投稿している【異世界兄弟〜上位ランカーの兄弟は、異世界でも最強を目指します〜】もよろしくお願いします!
異世界兄弟〜上位ランカーの兄弟は、異世界でも最強を目指します〜
https://ncode.syosetu.com/n2983fz/