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狂乱の蓋

死んだ筈のルィーツが蘇り、更に膨大な魔力が膨れ上がっていた。


それに姿も変わっており、先程よりも大きくなっていて、白い鎧は黒色に染まっていた。


「何だよ……アイツ」


雷雨は、今までに見たことない相手に悪態つく。


「あんなの……聞いてないです」


神崎さんもあまりのことに口を開け、固まっていた。

それはエルセさんも風明ちゃんもそうだ。

いや、ここにいる全員が何も出来ず、固まっていた。


「ワレハ……スベテヲケス……ソノイシズエトナレ」


そしてルィーツが地を蹴り、雷雨達に斬りかかった。


「「!?」」


狙われたのは雷雨と神崎さんだった。

2人は急いでその場から離れ、回避に成功した。


「アイツ、なんか速くなってないか!?」


「先程よりも一段と速くなってます!!」


次にルィーツは、エルセさんと風明ちゃんに斬りかかった。


「ッ!?今わかんない!なんで生きてんのよ!?」


「わかりませんわ!でも、明らかに強くなっているのは確実ですわ!!」


2人は回避し、反撃に移った。


「コンニャロ!!」


「喰らいなさい!!」


ルィーツに確実に当たった――筈だった。


「な!?」


「そんな!?」


確かに2人の攻撃は当たった。しかしその攻撃は黒いオーラの何かによって遮られたのだ――


「ワレニハ……キカン!」


「「!?」」


そして2人はルィーツに投げ飛ばされた。


「風明!てめぇ!!」


雷雨は、怒りに身を任せ、ルィーツの懐に飛び込んだ。


「オラァァァ!!」


雷神剣『鳴神・轟雷』が、雷を放電しながらルィーツに斬りかかる。

だがそれでも、黒いオーラに遮られた。


「チッ!この野郎…!」


雷雨は1度ルィーツと距離をとろうと離れようとしたが、ルィーツがそれを遮った。


「ッ!?」


ルィーツは、大剣を横に振り払う。

雷雨は防御の体勢に入るが、ルィーツの強大な力の前では防御はできてもその場に留まることは出来なかった。


雷雨は勢いを殺せず、木に勢いよくぶつかった。


「ガハッ!?」


「雷雨!?」


背骨を激しくぶつかり、膝から崩れ落ちるように倒れた。


「兄貴!?」


「くっ!やはり雷雨さんでも突破出来ないみたいですね……」


風明ちゃんは、慌てて雷雨の元に駆け寄った。

僕も駆け寄ろうとした――が足が動かなかった。


なんで?…なんで動かないんだ?


足は震えていた。

でも何かにやられて動けない訳では無い……


………やっぱり……怖いんだ


自分は、恐怖で震えていたんだ。

何も出来なくて武者震いじゃなく、ただただ怖くて怯えているだけなんだ……

ルィーツがあの姿になってから、震えが止まらない……

笑えるよね……始まる前は男子のリーダーになるっていきがってたのに……

今はこんなザマだよ……


なのに……雷雨達はあんな怖い相手にあそこまで戦えるんだろう…



「ハァァァ!!」

「これでも喰らいなさい!!」

「せりゃァァァァ!!」

「くっ!オラァァァ!!」


4人の攻撃は全て弾かれ――


「ッ!?」

「くっ!?」

「うぐッ!?」

「ガハッ!?」


逆に攻撃を受けてるのに――


「「「ハァァァ!!」」」

「チッ!オラァァァ!!」


なんであそこまで戦えるんだろう……

怖くないのかな?

いや……怖いはずだ

でも、自分達が戦わないといけないから、戦っているんだと思う。


だから僕は思う――



僕も……誰かを助けたい……



「くっ!ハァ…ハァ…ハァ…」


「チッ!これじゃジリ貧だな…」


「そう……ですわね…ハァ…ハァ…」


「もう…魔力が……」


風明ちゃんは、魔力が切れてしまい神器が解除された。

それにつられるようにエルセさんも解除された。


「ごめんなさい…ですわ…」


「私も……無理…」


2人の疲労は尋常ではなかった。

息を整えようとするが、中々整えられないでいた。


「あとは私と雷雨さんだけですね…」


「先に言うが、俺もそろそろ限界だ……」


「…残念なことに私も同じです」


雷雨と神崎さんもそろそろ限界に近づいており、そろそろ神器が解除されそうになっていた。


「ハァ…ハァ…何か…案はないのか」


「残念ですが…思いつかないですね…」


「…絶対絶命ってやつか?」


「笑えない冗談ですが…そのようですね」


2人は更に呼吸が荒くなっていった。


「くっ!リミットまでもう少しだ…」


「こちらもです…」


「……ダメもとでやってやるか」


雷雨は息を整え、スキルを発動した。


「……スキル『帯電質』、『放電』!!」


「…え?ちょ、雷雨さん!?」


雷雨は雷を全身に纏い、魔力を限界まで使った。


「ぶっ殺す!!」


「雷雨さん!それは流石に無茶です!」


神崎さんの話を無視し、ルィーツに襲いかかった。

雷雨が動いた瞬間、雷雨の姿は一瞬で消えた。

いや、神崎さんだけは見えていたのかもしれない……


神崎さんの見ている先は、ルィーツ――の後ろに回っていた()()だった。


「ハァァァァァァ!!」


「バカナ!?」


ルィーツも後ろに回り込まれていた雷雨の気配を感じ取れず、防御が出来なかった。


「伍の型……《雷虎》!!」


しかし、黒いオーラがそれを遮ろうとする――が、雷雨は今雷を全身に纏っており、威力も何倍にも上がっていた。


「ぐっ!グァァァァ!!」


《雷虎》は威力があがり、黒いオーラを貫通した。


「グハッ!?」


ルィーツがあの姿になって初めてのダメージを与えた。


だが、その一撃与えて雷雨は立てなくなった。


魔力切れだ――


「ち…く…しょう……体が…」


「雷雨さん!大丈夫ですか!?」


神崎さんはいつの間にか神器を解除されていた。


つまり……戦える人がいなくなったのだ――


「オドロイタガ、モウオワリダ」


「チッ……」

「くっ…」



僕は、逃げようとした。

仲間を置いて……

ゆっくりと後退りしながら……

そして、後ろを向き走り去ろうとした。


その時――



ー逃げるんじゃない、戦うんじゃー



「え?」


そう、死んだ筈の……()()()()()()の声が聞こえたのだ――

見て下さりありがとうございます!


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是非ともよろしくお願いします!

一緒に投稿している【異世界兄弟〜上位ランカーの兄弟は、異世界でも最強を目指します〜】をよろしくお願いします!



異世界兄弟〜上位ランカーの兄弟は、異世界でも最強を目指します〜

https://ncode.syosetu.com/n2983fz/

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