敗北でも
僕が倒れた数秒後に、雷雨達が来た。
「龍!大丈夫か!?」
「……大丈夫、魔力が切れただけだから」
僕は、身体をだらけながら応えた。
身体に力が入らず、寝そべっている。
魔力切れを起こした人は大半こうなる。
これじゃあ笑いもんだね……ハハハ……
「……龍くん」
雷雨に座らせてもらっていると、か細い声で呼び掛けられた。
首を曲げ確認すると、そこに由と風明ちゃんがいた。
僕は、由とはまだ会いたくないと思っていた。
でも、僕は――
「ハハハ……負けちゃった」
と、笑って返した。
由は涙を堪え、笑顔で返してきた。
「……凄かったよ…龍くん」
僕の中では、少しだけ仲直りできたかな?って思うんだ。
僕の中で…だけどね……
「楽しい戦いでした」
そこにエルセさんが、会話に入ってきた。
彼女は満足そうにしていた。
「僕もいい勉強になりました。ありがとうございます」
僕は、動かない身体の状態で頭を下げた。
「それにしても龍……お前、二刀流なんて使えたか?」
「いや、今回が初めてだよ」
「初めてに関しては随分扱えていた気がするが?」
「ただひたすらに降っていただけだよ」
「……まぁ別にいいけど」
雷雨は何か納得いかない様子だったがまぁいいや
「私から1つよろしくて?」
そこにエルセさんが、手を挙げ質問してきた。
「何ですか?」
「私が最後の突きをした時に、回避したあれは何ですか?」
「あれは――」
一瞬ツクヨミの力を借りた…と言おうとしたが、それだと僕は最初から最後まで本気じゃなかったっと言ってるようなものになりそうと思い、
「――ただまぐれです」
「まぐれで回避したんですか!?」
あえて、嘘をついた。
エルセさん……ごめんなさい……
「凄いですね……まぐれで回避できるなんて……」
しまった、風明ちゃんも知らないんだった。
ゴメンね……風明ちゃん…
僕は、心で2人に謝罪し、雷雨の肩を借りながら立ち上がった。
僕は、チラッと観覧席を見た。
みんな呆れてる筈だ。
負けてしまったんだから……
仕方ないっと思っていると、観覧席から――
「……すげぇ」
「え?」
小さく聞こえたその声は次第に大きくなり増えた。
「すげぇじゃねぇか!」
「神器使い相手にあそこまで追い詰めれるなんて……」
「やるじゃねぇか!!」
「やはりアリス様に好かれるだけのお方ですね!」
「えぇ!まさか神器使いのエルセ様御相手にあそこまでいけるなんて!」
男女両方から歓喜の声が上がっていた。
僕は、嬉しくなった。
初めて、こんなにも多くの人に喜ばれたのは……
「……ありがとう」
僕は、顔を伏せ泣きながら小さく感謝の言葉を言った。
「……お疲れ様…龍………ゆっくり休め」
雷雨は、僕にそう言い自分の部屋まで連れて行ってもらった。
その後だが、僕が休んでいる間に色んなことがあったらしい
1つ目は、訓練所で男女決闘する事が多くなったらしい。
理由が、男子では僕の意思を繋ぎ、女子を倒す…らしい
いや、僕そんな事思っていないからね?
女子は…僕の戦いを見て、頑張ろう…と、思ったらしく男子を実験台代わりに決闘を申し込んでいるらしい
……何も言うまい…
僕が眠っている間に変わりすぎじゃない?
まぁ、それでもいいけど……
2つ目なんだけど、アリスさんが男女の仲を良くするために最終日にパーティーすると言ったらしい……
ほんといきなりだよね……
まぁ、そんな事があったらしいけど
あと4日……忙しくなりそうだね……
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