大天使聖
僕は今、訓練所にいる。
エルセさんと決闘をするからだ。
そして何故か、観覧席には全校生徒が座ってる。
なんで?
拡まるの早くない?
昨日の事だよ?
僕は、謎に拡まり集まった事を不思議に思いながらエルセさんを待った。
ちなみに、僕はエルセさんのフルネームを忘れました……
ゴメンなさい……エルセさん……
そんな事を思っていると、観覧席から応援の声が聞こえた。
それも雷雨ではなく、同じクラスの男子達だ――
「勝て!龍!」
「女子なんかぶっ飛ばせ!」
「お前なら行ける!行けぇぇぇ!」
僕は驚いた。
特に驚いたのが、大地君も応援してくれた事だ。
「勝てぇぇぇ!!龍!!」
「……大地君」
まさか応援されるとは、思わなかった。
でも、お陰でやる気は出た。
だから、僕は――
「ありがとう!頑張るよ!」
そう応えた。
それと同時に、エルセさんが来た。
「お待たせしました。準備はよろしくて?」
「……はい!」
僕は、呼吸を整えエルセさんと一緒に電脳世界にダイブした。
ー電脳世界ー
目を開けると僕は、電脳世界に入れたか確認し、エルセさんをみた。
エルセさんも確認が終わり、こちらをみた。
それが確認されたのか、現実世界から戦いの合図を鳴らして良いか質問をした。
「では、今から先皇剣立男子校 黒炎寺龍対先皇剣立女子校 エルセ・ラフィ・ロリアンテの決闘を行います!両者!準備はいいですか?」
「「はい!」」
「それでは決闘…………始め!!」
うわぁぁぁぁぁぁぁっと観覧席の声援が響き渡った。
「……よろしくお願いいたします」
「よろしくお願いしますわ」
そう言い、僕達は剣を鞘から抜き構えた。
彼女の動きは分からないが、何故だが彼女は何かとんでもない力を持ってる気がした。
「行かないのでしたら、こちらから参ります!」
そう言い、彼女は僕との距離を一瞬で縮めた。
「ッ!?」
僕はギリギリで防御に成功した。
やはりこの人も強い!
僕はエルセさんの細剣を弾き飛ばし、距離を空けた。
「次は!僕の番だ!」
僕は、地を蹴りエルセさんに近づく--フリをした。
「えッ!?」
エルセさんは驚愕した顔をしていた。
それもそのはずだ。
僕は目の前まで接近し、スキル『回避』で後ろに回り込んだのだから
この方法は、雷雨から教えられたものだ。
ー前日ー
戦略を考える為、僕は雷雨にスキルを見せた。
当然ながら、雷雨にも『死神』のスキルが見えなかった。
「……使えるスキルは、少ないな……」
「うぐッ!」
心にダメージを負った
「スキル2つではな……」
「うぐッ!」
さらに心にダメージを負った
「しかも回避関しては成功率50%って……無理だろ」
「もうやめてください……」
僕のライフはゼロになった
「すまん、でもこれじゃなぁ……」
「………」
「……一か八か試してみるか」
「え?」
ー現在ー
それがこの戦略だ
確かに相手に不意を着くことは出来た。
凄いな、雷雨は
「ハッ!」
「ッ!?」
しかし、エルセさんに防がれる。
やはりこの人は僕よりも強い
「驚きましたわ!まさか、後ろを取られるなんて!」
「上手くいけたと思ったんですが!やはりエルセさんの方が1枚上手でしたよ!」
「さすがアリス様に好かれるだけのお方ですね!」
「なんのことですか!」
「しかし、私も負けられません!」
「ッ!?」
エルセさんは、細剣を薙ぎ払い、僕を吹き飛ばした。
僕は、受け身を取り、体勢を整えた。
「私の力をお見せしましょう!」
そう言うと、観覧席の女子の方で歓声が上がった。
「一体何が?」
僕は、分からないままだったが、すぐに気づいた。
「まさか……エルセさんも!?」
「私に力をお貸しください……【大天使聖】!!」
そして、エルセさんは光に包まれた。
光が止むと、そこには赤色の翼を広げ、白い光る細剣を持つエルセさんがいた--
「私の全力……いきます!」
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