意外な才能
今僕達は、窓掃除をしている。
近くには女子達がいる。
忘れていた…
ここは女子高だった……
女子の校舎に男の僕達がいたら、そりゃあ目立つよね…
それなのに、何で雷雨はあんなに真面目にやってるんだろう……
多分、アレが原因かな……
遡ること数時間前――
僕達は、アリスさんに任された教室に辿り着いた。
そこには、ホコリだらけの教室だった。
「うわぁー、凄いホコリだらけだね雷――」
「………」
隣の雷雨を見ると、何やらキレていた。
「え、雷雨!?どうしたの!?」
「……ない」
「え?」
「汚い!!」
「!?」
雷雨は、いきなり叫んだ。
「汚すぎる!!なんだこの部屋!?何でこんなんになるまで放置してたんだ!」
そう言うと、雷雨は箒を取り出しマスクを付けズカズカとホコリだらけの所へ踏み入った。
「龍!そこの雑巾持ってきてくれ!」
「え?あ、はい!」
僕はその気迫に押され、大人しく従った。
それから、数分立ち、この教室のホコリは全て消え去った。
それから、、雷雨は何故か土下座していた。
「すまん!」
「いや、何もされてないよ?」
「いやそんな事はない!俺はお前に色々と偉そうに命令したじゃないか!」
「いやでもそのお陰で、こんなに早く綺麗に出来たんだからいいよ」
そう、掃除している時、色々と雷雨に命令され、僕は従い掃除をしていた。
傍から見たら、主人と奴隷みたいな光景だろう
「それにしても、いきなり雰囲気変わったからびっくりしたよ」
「あれは、俺のスキルの1つだ」
「え!?あれスキル効果だったの!?」
雷雨は、頷き僕にステータス表を見せてきた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
霧雨 雷雨
スキル
・帯電質
・放電
・掃除
エクストラスキル
・剣豪
―――――――――――――――――――――――――――――――
そこには、化け物レベルのスキルが並んでいた。
いや、1個だけ違うのがあった。
「……掃除?」
「あぁ、掃除だ」
「……どういったスキルなの?」
「掃除する」
「……それだけ?」
「それだけだが?」
「……」
明らかにおかしなスキルだと思うだけど……
「えっと…このスキルの詳細は?」
雷雨は無言で見せてくれた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
掃除
・ホコリやシミ等のあらゆるゴミを綺麗にする
―――――――――――――――――――――――――――――――
地味にカッコイイ詳細だった……
「俺が爺さんの家にいた頃、爺さんの頼み事で掃除する事が多かったんだ。そしたら、何かそんなスキルが手に入った。そのお陰で掃除が好きになったが」
「…へぇー」
まさか雷雨が掃除好きとは……
見かけによらず、凄い繊細だった……
「さ、話はこれくらいにして次行こうぜ!」
「そうだね」
僕と雷雨は、次の掃除場所に移動した。
そして、今に至る。
まさか、女子の教室の前の窓掃除するとは……
恥ずかしい……
「そこの貴方」
そんな事思っていると、後ろから声をかけられた。
僕は、振り返り確認した。
そこには、まさにお嬢様的な人が僕の事を見ていた。
「えっと……僕ですか?」
「貴方以外いないと思われますが?」
ですよねー
「えっと、何でしょう?」
「貴方の名前を聞いてもよろしくて?」
「は、はい!僕は、黒炎寺龍です!」
「貴方が黒炎寺龍さんなの!?」
うん?さん付け?なんで?
「えっと、はい、そうですが……」
その瞬間、周りの女子達がざわついた。
「聞きました!?」
「えぇ!あの方が黒炎寺龍さんらしいですわ!」
「あの野蛮な男達より、少し優しそうな顔ですね…」
「あの方がアリス様の!」
なになにどういう事!?
なんでこんなにざわつくの!?
僕何かやらかした!?
「皆さん!静かになさい!龍さんがお困りになっていますわ!」
そこにお嬢様的な人が周りに注意してくれた。
そのお陰で、周りは静かになった。
「ありがとう……えっと…」
「あ、名前はまだでしたね、失礼しました。
私の名前は、エルセ・ラフィ・ロリアンテです。
よろしくお願いいたします」
「え、あ、よろしくお願いいたします……」
金髪のツインテールで、腰には細剣をぶら下げていた。
「急で申し訳ないのですが、私とお相手して頂けないかしら?」
「…………え?」
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