能力測定①
入学式が終わり、生徒達はタブレットを開き自分のクラスを確認していた。
「やったね!一緒のクラスだね!」
由は笑顔で振り向いた。
「そうだね」
僕と由は同じクラスだ。
そして、あの霧雨雷雨くんも僕と同じクラスだ。
まさかあの人と同じクラスとは思わなかった。
だけど、僕と彼とでは天と地の差だし、余り関わらないと思うからあまり気にはならない…
それより今は能力測定に緊張している。
やっと……やっとこの【死神】のスキルが分かるのだ。
やっとだ!やっと分かるんだ!
そう思いながら、指定された場所へ向かった。
ー先皇剣立男子高校競技場ー
ここは生徒達が、能力を使い戦う所らしい。
学年上の先輩達がよく使っている場所らしい。だけど今は先輩達は全員合宿で、この学校には今はいないようだ。
そして僕は競技場の端にある測定器の方を見た。
説明では、壊す事が出来ず、測定は必ずしてくれるらしい。
これは期待出来る。
そう思いながら、先生の話を聞いた。
「では、呼ばれた者から順番に来るように。えっとまずは──」
そうして先生は生徒の名前を呼び、徐々に自分の番まで近づいて来た。そして僕が呼ばれた。
「次、黒炎寺龍」
「は、はい!」
僕は緊張しながら前に行く。
「頑張れ!」
由に応援され、僕は
「うん。行ってくる」
そう返し、測定器の前に立った。
「えっと、手を出しその測定器に触れてくれ」
「は、はい!」
僕は先生の言う通りに測定器に触れた。
その途端、測定器が光出した。
「な、なんだ!?この光は!?」
先生も驚きの声を上げ、目元を手で隠す。
僕も僕以外の人たちも全員驚き、目元を隠した。
その光は眩さを増し、競技場を光で包み込む。
そして何事も無かったかのように光が消え、測定器からデータが送られた。
「……一体なんだったんだ?まぁいい。ほれ、これがお前のステータスだ」
そう言って、先生からステータス表を貰った。
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黒炎寺龍
力 D
速 A
守 E
体 E
魔 E
スキル
回避
エクストラスキル
創造(剣)
死神
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思った通りに僕は弱かった。
まぁ元々知っていたから、別に悲しくないけど…
いやそんな事よりスキルだ、と思いながら、スキル説明を見る
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回避
攻撃をある程度回避する事が出来る(成功率50%)
創造(剣)
剣を創造する事が出来る(魔力の量により、耐久度が変わる)
死神
──を────する(───────)
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読めなかった。
死神の所だけが読めなかった。
理解出来なかった。
やっと分かると思っていた。
これで魔物も倒せると思っていた。
この力で、おじいちゃん達の仇が討てる……そう思っていた…
しかし、現実は残酷だった。
その後、教室に入るまで僕は一言も喋ろうとしなかった────
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