アリスの狙い
あの後、僕達はアリスさんに部屋を案内され、部屋のグループ表を先生から受け取り、昼飯まで部屋待機と指示を受けた。
もちろん、僕は雷雨と同じ部屋だ。
でも、由は違う部屋らしい…
一緒の部屋で話したかったな……
「……おい龍」
「ん?」
荷物を部屋に運び、整理をしていると雷雨が話しかけてきた。
「何、雷雨?」
「……あのアリスって女……気をつけろ」
「え?どういう事?」
「……アイツは強い…」
「…うん、知ってる」
「それとおかしな点がある」
「……」
「龍もわかってると思うが、アイツは何故かお前の名前を知っていた。ちなみにだが、龍はアイツと会ったことあるか?」
「……ないと思う」
「それなのにアイツは龍の名前を知っていた」
「……うん」
「それともう1つ」
雷雨は、真剣な顔で話した。
「何で男嫌いの学校のトップが……何故男であるお前の事を調べていたんだ?」
「!!」
確かに、雷雨の言う通りだ…
あの学校は、男嫌いが集まりそして、正義感に溢れている少女を育成する学校……
そしてそのトップに維持するのが騎士団団長のアリスさん……
アリスさんも中々の男嫌いらしい…
それなのに、何故僕の事が調べていたんだ?
「……もしだ」
雷雨は、少し暗い顔をしながら告げた
「もしこの合宿がアイツの企みの為に考案されたものだとしたら、アイツの目的は間違いなく――
」
雷雨は、僕を指差し
「龍……お前が目的に違いない」
「僕が……目的?……何で……」
僕は、頭でわかっていたが雷雨にこの現実を叩きつけられふらつきながらベットに座った。
「分からないが、龍が目的なのは間違いない」
「……僕が……何をしたんだ?」
「……」
僕は、考えれば考える程頭がいっぱいになった。
「……龍、休め」
「……え?」
「俺が直々に聞きに行く、だからお前は休め」
「そ、それは雷雨に申し訳ないし、そんな事…!」
「どちらにせよ、俺はアイツと戦いたいんだ」
「え?」
「アイツは強そうだしな、それに俺も気になるしな」
「で、でも!」
「俺を信じろ、俺達は……最強の相棒だろ?」
「!!」
あぁ…
弱いな…僕は……
そうやってまた、雷雨に任せちゃう…
ほんと……僕は…弱いよ……
「……じゃあ……お願いします」
「おう、任せておけ!」
僕達は、お互い笑いあった。
「じゃあ、休んどけ」
「雷雨は?」
「アイツのところに行く」
「もう!?」
「当たり前だ、昼飯食う前に聞き出してやる」
「ハハハ……ほんと…雷雨らしい考えだね」
「じゃ、行ってくる」
そう言い、雷雨は部屋を出た。
僕は、雷雨が出るのを見届けてからベットに包まり寝た。
「………」
部屋を出て、俺は考えた。
十中八九俺はアイツに負けるだろう
悔しいが、アイツは強い…
戦わずとも分かる…
だが……それでも……
俺は、友の……たった1人の友の為にやってやる
「……待ってろ、アリス・インデカーネ…何故龍の事を知ってるか……洗いざらい話してもらう」
誰もいない廊下……
俺は、アリスの部屋に向かった――
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