対面!アリス・インデカーネ
数分後、先生が校門に帰ってき、僕達は女子高に入った。
「まさか兄貴が女子高に合宿しに来るとは……明日は嵐かな?」
「おい、どういう事か詳しく言ってみろ」
「だって、あの兄貴がだよ?絶対来ないと思ってた」
「俺だってこんな場所来たくねぇよ」
「じゃあ、なんで?」
「龍が行くって言うからな、コンビである俺が行かない訳にはいかないだろ?」
「へぇー」
「……ねぇ、さっきから聞いてるけど何で龍と2人だけの雰囲気だしてるの?」
「え?」
「僕もパーティーの一員だよ!?忘れないでよ!?」
「すまんすまん、忘れてた」
「ハァ…本当、雷雨って嫌いだよ……」
「安心しろ、俺もお前が嫌いだ」
「ハハハ……」
僕は苦笑いで、笑った。
「ん?」
そこに風明さんが、由の顔をジロジロ見だした。
「ど、どうしたの?風明さん?」
由も少し困惑しているようだ。
「いや、どっかで見たことあるような気がしまして……」
「き、気のせいじゃないかな?」
「……それもそうですね!それと!」
風明さんは、指をビシッと指しながら、
「私の事はさん付けしなくていいです!兄貴と同じ学年でしたら皆さんが年上でしょうから」
「そ、そうなの?じゃあ、風明ちゃんって呼ぶね!」
「!さ、流石に風明ちゃんは恥ずかしいですけど、それでいいです!」
由と風明さんはもう仲良くなっていた。
由のコミニュケーション能力すげぇ……
「龍さんも!」
「え?ぼ、僕?」
遠くから見ていたら、風明さんにビシッと指を指された。
「え、えーっと、僕はー」
「別にいいだろ?名前のどうこうなんて」
「兄貴は黙ってて!」
「ハイハイ」
「それで龍さん!」
「ぼ、僕は、風明さんじゃ駄目かな?」
「駄目です!」
「じゃ、じゃあふ、風明、ちゃん…」
「えへへ、はい!」
恥ずかしかったけど、喜んでくれたから別にいいかな?
「それで何でお前もついてきてんだよ」
そう僕達は今、騎士団団長の部屋に向かっている。
それに風明ちゃんは、ついてきているのだ。
授業大丈夫なのかな?
「実は、アリス様に呼ばれていて」
「え!?そうなの!?」
「うん」
なるほど、だから一緒についてきているのか…
それより、由が1番驚いていたけど、アリスさんに呼ばれることってそんなに凄い事なのかな?
一体どんな人だろう?
そして、僕達は騎士団団長の部屋の前に着いた。
「失礼します!」
先生が扉を2、3回ノックした後、扉を開ける。
そこに広がっていたのは――
「よく来てくれた。先皇剣立男子高校の生徒諸君」
椅子に座り、こちらを見るアリスさんがいた。
その隣は、生徒会の人達なのかな?
腕に生徒会っと書いてあるから、生徒会の人だろう
「私は、先皇国騎士団団長…アリス・インデカーネだ!よろしく頼む」
アリスさんが、自己紹介を始めると、隣にいた生徒会の人達が一斉に跪いた。
「お前達!無礼だぞ!!」
「貴様達も早く跪け!!」
生徒会の人達は、僕達にそう叫んだ。
「良い!貴様達も顔を上げろ!それは不要だと言ったはずだ!!」
「しかし!!」
「しかしも何もない!!早く立て!」
アリスさんが叫ぶと、生徒会の人達は立ち上がった。
「すまなかった、恥ずかし所を見せてしまった」
アリスさんが頭を下げた。
「い、いえ!そんな滅相もありません!!」
先生は、焦りながら頭を上げるようにお願いする。
「……くだらねぇ」
「?雷雨?」
雷雨が呟き、僕の肩を掴み、
「もういいだろ?退出させてもらうぞ」
「え!?ちょっ!?」
と僕を連れて部屋を出ようとした。
「ちょっ!?バカ兄貴!!」
「なんだよ」
「何してんの!?アリス様の前で!!」
「アリス様アリス様うるせぇな…」
「そして何で龍さんも連れていこうとしてるの!!」
「そんなもんこんな所にいたら、龍が危ないからだろ?」
「は?どういう事?」
「跪けだの、無礼だの鬱陶しいんだよ。そんなくだらねぇ事で俺の友達が跪くのはイライラすんだよ」
「確かにその通りだな」
「「!?」」
「……」
そこにアリスさんが
「私も同じ意見だ。ここは学ぶためにあるもの、ここでも上下関係に囚われていたらそれこそくだらない事だ。ここでは皆平等、それを覚えておけ」
「「は、はい!」」
自分の意見を言った後、生徒会の人達にやめろと伝えた。
「そして君は……」
「…霧雨 雷雨だ」
「そうか、そして君は」
「ぼ、僕は!」
「黒炎寺 龍君だね?」
「え?」
何で僕の名前知ってるの?
この人と僕、初対面だよね?
「……何で龍の名前を知っているんだ」
雷雨もそこに気がかりを覚え、僕の代わりに聞いた。
「実は、君の事は色々調べさせてもらったよ」
「な、なんで……」
「少し……ね?」
チラッとアリスさんは、由を見た気がした。
いや、それより何で僕が…僕だけが調べられていたんだ?
「では早速だが、君達の泊まる部屋に案内しよう」
そう言い、アリスさんは立ち上がり、僕の横を通りすぎた。
その微かに声が聞こえた。
「……知りたいなら、今日の昼、この部屋に来てくれ」
「!?」
一瞬の事だったはずなのに、鮮明に聞こえた。
他の人には聞こえず、僕にだけ……
アリスさんは、何が目的なんだ……
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