霧雨 風明
僕は、飛び蹴りを顔面にくらった雷雨に近付いた。
「大丈夫!?」
「クッ!この蹴りの威力はやっぱり…!」
そして雷雨は、飛び蹴りをした少女をみた。
「やっぱりお前か!風明!!」
「風明?」
雷雨は、少女の事を知っているようだった。
「フン!バカ兄貴が悪いんだよ」
「あ、兄貴!?てことはつまり!!」
「「ん?」」
「2人は兄妹なの!?」
2人はお互い視線で会話し、僕の方を向き、説明してくれた。
「あぁ、こいつは俺の妹の霧雨 風明だ」
「初めまして、このバカ兄貴の妹の霧雨 風明です!」
彼女は、先程とは違い、ニコッと笑いながら自己紹介をしてくれた。
「え、あ、は、初めまして!ぼ、僕はこ、黒炎寺 龍です…よ、よろしくお願いします!」
僕は、緊張してしまい、いきよいよく頭を下げた。
その時、首がボキッて鳴ってしまい、痛かった……
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
彼女も頭を下げてきた。
霧雨 風明さんか……なんか雷雨と雰囲気違うな……
「龍…こんな奴に頭下げる必要ねぇぞ」
「え?いや!それは流石に……!」
「バカ兄貴は少し黙ってろ!」
と、風明さんは雷雨に回し蹴りを食らわした。
そして、雷雨は蹲ってしまった…
どんだけ凄い蹴りだったの!?
「それで龍さん!」
「は、はい!!」
何故か背筋が伸びた。
「このバカ兄貴と何で一緒にいるんですか?」
「えっと、と、友達なので……」
「え!?友達!?」
「は、はい!!」
何かまずいことでもしたかな!?
なんか怖い!
「こんなバカに友達!?」
「え?」
「おい、流石にそれは俺でもキレるぞ」
痛みがひいたのか、雷雨が会話に参加してきた。
「だって!道場でも誰とも関わらなかった兄貴がだよ!?戦闘にしか興味ないバカ兄貴がだよ!?」
「それはそうだが…てか、戦闘にしか興味無いのはお前も同じだろ」
「兄貴と一緒にするな!私は兄貴と違い友達いっぱいいるよ!」
「な、何!?」
「何でそんなリアクションするのよ!?」
僕のことを忘れ、兄妹喧嘩?を始めだした。
なんか、由といつもやってる口喧嘩とあんまり変わらないはずが、何故かこの喧嘩の方が迫力ある感じがした。
そして、由はポカーンと見ていた。
「ハァ、もういいよ。龍さんと話出来ない」
「いや、龍と話せんでもいいだろ」
「もしかしたら、兄貴が迷惑かけてるかもしれないでしょ?」
「お前は俺のお母さんか」
「えっと、僕は別に迷惑かけられてないですよ?」
「そうなんですか?」
「…逆に迷惑かけてるというか……」
「龍……」
雷雨が僕の肩を掴み、言った。
「別に迷惑だなんて思ってねぇよ。俺達は友達だし、最強のコンビだろ?」
「!!」
雷雨は、当たり前のような顔をしながら僕にそう言った。
「ありがとう…」
少し泣きそうになったが、グッと堪えた。
「……へぇー、兄貴もいいとこあるじゃん」
「なんだよ」
「いや、別に?てか、龍さんが迷惑かけるってどういうことなの?ちょっと想像出来ない」
「えーっと、それはー」
「別にお前には関係ないだろ」
「いいじゃん別に!」
「それより、何でお前走って来たんだ?」
「あ!そうだった!」
風明さんは、思い出しすぐ雷雨を睨んだ。
「バカ兄貴!!学校入学当日の日に!私が食べようとしていたプリン食べたでしょ!!」
「さぁな?」
「この!!」
そしてまた兄妹喧嘩が始まった。
本当に、仲がいい兄妹だね
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