最強のパーティー
あれから、魔物の大群を退けた僕達は街に帰宅していた。
龍には由が支え、雷雨には坂本先生が支えながら街に帰った。
その後僕と雷雨は、病院に入院する事になり、由や坂本先生達は騎士達に状況を説明しに行った。
「……お世話になりすぎだね」
「…何がだ?」
僕達は、病院のベットで横たわりながらら会話していた。
「いや、だってさぁ?僕これで3回目だよ?病院に来るの」
「……そういえばそうだったな」
「だから、お世話になるな〜と思って」
「ふーん、まぁそんな話はどうでもいい」
「ひどい!?」
「…龍、とうとう死神の力を克服出来たのか?」
雷雨は、そんな質問してきた。
僕は、雷雨になら話そうと思い、口にした。
「実は――」
「僕もその話聞きたい!!」
「うわぁ!?ゆ、由!?」
タイミングよく由が、僕達の病室に入ってきた。
「……ちびっ子か」
「だからちびっ子って言うな!!」
そして毎度恒例の如く口喧嘩を始める2人…
本当に、仲良いね……
「えっと、話していい?」
「あ!うん、いいよ」
「実は言うと、あれは死神の力じゃないんだ」
「……どういう事だ?」
僕はあの時、ツクヨミから聞いた事を全て話た。
「なるほど……ツクヨミは本来、龍の神器という訳か…」
「うん」
事情を伝えると、雷雨は難しい顔をしていた。
由は、まだあんまり理解出来ていないようだった。
「で、でも龍くん、あの時の姿って死神の時と同じだったよ?」
「適性のせいで変わったんだ」
「適性?」
「死神の適性ってやつか?」
「うん」
しばらく雷雨は考え事をして、こちらを向き質問した。
「……聞きたい事がある」
「何?」
「…あの時の龍の右頬に、黒い稲妻模様があったが、あれは何だ?」
「……兆し」
「兆し?」
「ツクヨミの力を使う為の補助的なものだよ。本当はそんなの付かないけど」
「じゃあ、何故?」
「僕はツクヨミの適性をほぼ失いかけている。それをツクヨミが繋ぎ止めているから」
「なるほど…」
「そして、ツクヨミを使うのに制限時間がある」
「制限時間?」
「制限時間は……10分くらい」
「10分!?」
「……うん」
そこで雷雨は押し黙る。
だが、雷雨は少し笑った。
「いいんじゃないか?」
「え?」
「二度と使えないって訳じゃないんだろ?だったいいんじゃねぇか。だって――」
雷雨は拳を僕に向けてくる。
「俺達、2人で最強のコンビだ。どんな敵でも、10分前に終わるぜ」
雷雨はそう宣言した。
僕は、嬉しくなり、半泣きで拳をぶつけた。
「うん!僕達2人で、最強のコンビだ!」
そこで僕と雷雨は笑い合う。
「むぅぅぅぅ!!」
由は少しご立腹だった。
「……僕もその中に入れてよ」
「えー」
「なんでよ!?」
「まぁまぁ、由も入れようよ」
「……龍が言うなら、仕方ねぇ」
そして、由も拳をぶつけ合う。
「今日から僕達は――」
そして、同時に叫んだ――
「「「最強のパーティーだ!!」」」
この日、誰も知らない所で、最強のパーティーが結成されたのだった―――
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