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約束

観覧席にいる全員が、唖然した。


神器使いの雷雨が負けたのだ―――


誰も予想していなかっただろう


雷雨は、現実世界に戻ると跪いていた。


先生と、由とクラスメイト達は雷雨のいるコートに走りだした。



しかし、何故か龍は現実世界に帰ってきていなかった



コートに着くと、まだ強大な魔力が溢れていた。


「強い…強すぎる…」


雷雨は、独り言のように呟いた。


「…龍くん……」


由は、映像を見て悲しい顔をした。



その映像には、まだ電脳世界にいる龍がいた。



そしてまだ、死神の状態だった――




誰も彼を止めるものはいない――


雷雨ですら、止めれなかった――


そんな化け物……誰が止めれるか――


誰も止めに行こうとは、思わなかった――



たった一人を除いて―――



「!?何をしようとしているんですか!」


先生が叫んだ。


「雷雨君!」


雷雨は、もう一度電脳世界に入ろうとしていた――


「何って、電脳世界に行くんだよ」


雷雨は、それだけ言うと準備を始めた。


「何を言ってるんですか!そんなの許可できません!」


先生は雷雨を止めに入った。


「…どけ、邪魔だ」


「連続で電脳世界に入ることは校則で禁じられています!それに今の彼は危険なので放置するべきです!」


そう先生が言うと、雷雨は先生を掴み合げ激怒した。


「ふざけんな!龍を見捨てろだと?それでも先生か!!」


「は、離してください!雷雨君!」


先生は苦しそうにしているが、雷雨はお構い無しに続ける。


「確かに今の龍は強すぎる…だが見捨てる理由にはならねぇ!」


そして雷雨は、先生を投げ飛ばした。


「グハッ!!」


「先生!大丈夫ですか!」


由が心配し、先生に近づいた。


「ちょっと!先生に対してそこまでする必要ないでしょ!」


由は、雷雨に切れるが、雷雨は


「俺は約束したんだ…」



雷雨は、叫んだ――



「必ず…必ず助けるって!!」



雷雨はそれだけ言うと、すぐに電脳世界に入った。


その時由は、思った――



ー…僕も、そんな事を言いたいな――ー




ー電脳世界ー




雷雨は、電脳世界に入り、龍――死神に語りかけた。


「まだ…終わってないぜ」


死神は、振り返り言う。


「…まだ諦めないのか…」


死神は、刀の先を雷雨に向け


「…何故そこまで戦おうとする?お前に何の得がある?」


質問をする。


その答えに雷雨は


「戦う理由ならいくらでもあるさ…だが、一番の理由はなぁ…」


一言おいてから、


「龍との約束を果たすためだ!」


と、告げ神器を発動した。


「来い!《雷鳴・鳴神》!!」


「…無駄なことを…」


死神は、再び魔力を放った。



雷雨は考える――



(今の俺では、勝てない……だけど、諦めるわけにはいかない!)


雷雨は覚悟を決め、構えた。


(……一か八かあれでいくか)


そして、雷雨は地を蹴り走り出した。


「…無謀な」


死神は、刀を上に上げ、雷雨が近づくと同時に振り下ろした。


しかし、それを雷雨は刀で受け止め滑らし、自分の剣技をゼロ距離で発動した。


「これで終わりだァ!!!」


「!?」




「…玖の型……『雷鳴の宝玉(らいめいのほうぎょく)』!!!」




雷雨の刀に雷の玉が現れ、死神の身体にぶつけた。


「グァァァァァァァァァ!!!」


「ウォォォォォォォォォ!!!」


死神は叫び、雷雨は雄叫びをあげる。



そこには、誰も踏み込めない――



一歩でも気を抜けば、死に繋がるぶつかり合い――



一体誰が、勝つのか誰も予想ができなかった――



「クッ!中々やるな!」


「ウォォォォォォォォォ!!!」


死神は何故か笑い、雷雨は身体に負担を与えながらまだ続く。



そして、やっと決着がついた――



「…グッ!ウァァァァァァ!!!」


「ガハッ!」




そう――雷雨が勝ったのだ―――



死神は吹き飛び壁にぶつかり、雷雨はその場に倒れた。


勝負が決まり、観覧席で少し遅れてから歓声が響き渡った。


「き、決まったァァァァァ!!」

「「「ウオオオオオオ!!」」」


由も、勝負が決まり、涙を出し安堵した。


「…良かった……本当に良かった…」





勝負が決まり、龍に纏っている黒いローブが消えかけていた。

それを見て、雷雨は安心した。


その時最後に死神に話しかけられた。


「…お前に言っておこう」


雷雨は少し驚いたが、すぐに死神の話を聞いた。


「…我が契約者は、まだ力を目覚めていないが、少しだけ力が解放されている」


死神は、一言おいて告げた。


「…契約者が強くなれば強くなるほど()()もレベルがあることを覚えておけ」


「…我ら?」


それだけ告げると、死神は消えていった。


雷雨はそれを見届けると、電脳世界から退出した。




ー先皇剣立男子高校競技場ー



雷雨と龍が、現実世界に帰ってきて由達はすぐ駆け寄った。


由は、龍一直線に向かった。


「龍くん!」


由は、龍の名を呼ぶが返事はない。

その代わりに小さな寝息が聞こえた。


由はそれを聞くと、安心して龍の髪を撫でた。

それを、薄目で見ていた雷雨は、少し笑い眠ることにした――

見て下さりありがとうございます!


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