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圧倒的な力

あれから、数分……


今も尚、激戦が続いていた―――



剣と鎌がぶつかり合い火花が散っていた――


そのぶつかり合いは、彼等にしか見えず、観覧席にいる全員は見えていない。


そんな一瞬でも、気を緩めたら死ぬような戦いの中、彼等はまだぶつかり合っていた―――



「流石にやるな!だが、俺はまだまだ行けるぞ!」


雷雨は、喜びながら刀を振っていた。


「……」


一方で龍は、表情を変えず、ただひたすらに雷雨の刀を捌いていた。


雷雨は、再び龍との間合いを開けた。

そこに、龍は飛び込んだ。

再び雷雨の剣技――『雷牙』が来ることを阻止しようとした。


しかし、それが、誤った行為だった―――



雷雨は、『雷牙』ではなく、違う剣技を使ったのだ―――




「弐の型……『天雷(てんらい)』!!!」



雷雨は、刀を上に上げ、そして振り落とした。


その時、上空から雷が落ちてきた――


振った方向にだけ―――


龍は、すぐ飛び込みをやめ、またギリギリ回避した。


だが、ローブを掠り、切れてしまった。


次は、表情を変えず雷雨を睨むように見る。


「俺の剣技は……まだまだあるぜ!」


雷雨は、地を蹴り龍に近寄った。

そして、



「参の型………『乱れ雷(みだれいかずち)』!!!」



間近で龍に剣技を放った――


無数の雷の斬撃が、間近で龍に襲った。

しかし、龍には当たらなかった―――


「!?」


そして次の瞬間、雷雨の後ろにいつの間にか移動していた龍が、鎌を振り下ろした。


ギリギリで防御が間に合い、力比べが始まった。

「…クッ!」

雷雨は、少し苦しそうにするが、龍は全くそんな苦しそうではなかった。


そう、雷雨は体制が悪く、力負けをしていたのだ―――


雷雨は下で、龍は上から力比べをしている。

流石に体制が悪かったので、雷雨はすぐ刀を引っ込ませすぐその場から離れた。雷雨が離れたことにより、鎌を支える物が無くなり、そのまま大地を斬り裂いた。


しばらく、両者沈黙が続きお互い構えたまま睨み合っていた。



そんな時、先程から喋らなかった龍が沈黙を破った―――


「……なるほど…強いな」


「!?」


雷雨は、いきなり喋りだした龍に驚きを隠せなかった。

何故なら、奴は龍の姿ではあるが、龍ではない別の誰かなのだ。

つまり、別の人格の龍が今身体を支配している。

まず、喋ることはできないだろうと、予想していたのに、まさかの予想外に驚いていたのだ。


「お前……喋れるのか?」


「……勿論だ」


雷雨は、喋れる事が分かり、色々と質問をした。


「お前は……誰だ?」


「…我が名か?…まだ決まっておらん」


「決まってない?」


「…我が契約者が、まだ力を身につけていなくてな……だから、名はまだない」


「……契約者?」


雷雨は、不思議に思った。

龍はそんな事一言も話していなかった。

つまり、龍の知らない所で契約したのだろうと、思っていると、奴はとんでもない事を口にした。


「……だが、我の正体は教えてやろう…我は……」


一言置いて告げる――



「【死神】だ」



その時、雷雨は恐怖した。

その名を聞き、絶望した。



それは、雷雨の爺さん――剣楼からの教えられた――



ー「死神と言われる神だけには、あまり戦わない方が良い…

あれは一種の………化け物だ……」ー



そう目の前にいる奴こそ、剣楼が言っていた死神だったのだ―――



雷雨はその時分かった。

何故奴に攻撃が当たらなかったのかを…

それは、


まだ未熟な自分で、足元にも及ばないからだ―――


雷雨は、刀を握る力を抜き、呆然と死神を見る。


死神はそんな雷雨をほっておき話を続けた。


「…お前は強い…だが、その強さに迷いが生じてる…それでは我には当たらん」


雷雨は、少し驚いた。

まさか、死神に褒められアドバイスをもらうなんて……


「…そして我も謝罪しよう…お前は刀に対して我は鎌……これでは勝負にもならん」


そう言い死神は、鎌を消し手に魔力を込めた。



「…お前が刀なら、我も刀で相手しよう」



そう言いと、手に流れていた魔力が膨大に膨れ上がり、凄まじい風を吹かせた。


観覧席にいる全員、電脳世界にいるはずの死神の風に吹かれていた。


「な、なんだ!この風は!?」

「吹き飛ばされるぞ!」

「全員!座席に掴まれ!」


全員、混乱に陥り、風に吹き飛ばされないように椅子にしがみついていた。

それは、龍のクラスメイトも同様、椅子に捕まり龍達を見ていた。


雷雨も、吹き飛ばされないように脚を踏ん張らせて耐えている。


(なんて膨大な魔力なんだ!?クッ!吹き飛ばされそうだ!)


雷雨は、それでも死神を見ていた。

そして、魔力が十分溜まったのか死神は、刀の名を言い、魔力を掴んだ。



「…来い、冥夜の刃(ツクヨミ)



それは、光を切り裂き、闇に輝きを放つような黒い刀だった。


「……冥夜の刀」


雷雨は、その刀の名を復唱するように呟いた。


「…では、行くぞ」


その言葉に、ハッと気を取り戻し、刀を構えた。



しかし、決着はすぐついてしまった―――



雷雨が構えた時には、死神はもうその場におらず、目の前に現れていた――



「…壱の夜叉、朧月(おぼろづき)―――」



死神の剣技を防御することなく、雷雨は切り裂かれた―――

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