再戦②
雷雨が、力を解放し、全力を出すと宣言した。
その魔力は、強大だった。
僕は、不意に空を見た。
そこには、有り得ない事が起きていた―――
電脳世界の空に穴が空いていたのだ―――
そして、その穴には、競技場の天井が見えていた。
つまり、雷雨の刀――『雷鳴・鳴神』の力が強大過ぎて電脳世界を壊したのだ―――
観覧席も、騒ぎ始めていた。
「おい!?電脳世界穴空いてるぞ!?」
「嘘だろ!?そんな事あんのかよ!?」
「ヤバすぎだろ!?」
等と、騒ぎ始めた。
そして、先生は
「まさか!これ程とは…!」
「素晴らしい…!」
生徒とは裏腹に歓喜していた。
「凄い……」
僕は、そう口にするしかなかった。
「…さぁ、始めるぞ」
雷雨がそう言い、僕は気持ちを切り替え剣を構えた。
「前回は、龍から仕掛けてきたよな…なら次は……俺から行くぞ」
そう言い、雷雨は地を蹴り、姿を消した――
僕は、消えた事に驚いていると、いきなり腹に激痛がはしった。
そう雷雨が、僕の腹を蹴りあげていた。
一瞬の出来事過ぎて防御がとれなかった―――
(速すぎる!!)
僕は、そのまま雷雨に蹴り飛ばされた。
「グハッ!!」
僕は、あまりの激痛に少し立てずにいた。
「グハッ、ゲホゲホ!!」
「……そんなものか?」
雷雨は、ゆっくりと咳込む僕に近寄ってきた。
「ゲホッ!これが……雷雨の力?」
「あぁ、今少し手は抜いたがな」
そうだ。
雷雨は、さっきの蹴りは少し手は抜いていた。
抜いていなかったら、今頃僕は死んでいただろう。
「だが、次は手を抜かない。行くぞ…」
雷雨は、そう言い僕はゆっくりと立ち上がった。
「ハァハァ、来い!」
僕はもう一度剣を構えた。
しかし、無常にもすぐに決まった。
「グハッ!!!」
僕は地面に転がり、身体が動けなかった。
先程から、全ての攻撃を防がれ、圧倒的速さで反撃され今に至る。
「……もう終わりか?」
雷雨は、全然疲れてなどいなかった。
「クッ!」
僕は、悔しいが、もう立てなかった。
もう無理だ……
やっぱり僕には無理だったんだ……
そりゃそうだ……
神器を使わずに負けたのに、勝てる訳がない……
もうしんどいよ……
疲れた……
僕は、もう無理だよ……
なんで僕ばかりこんな目に合わなきゃならないの?
意味が分からない……
誰も助けてくれない……
もう、
疲れタヨ―――
「これで終わりだ」
雷雨は、刀を構えた。
その時、雷雨は見た。
龍から、黒いオーラが放たれている事に―――
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