再戦①
ー4月25日ー
ー競技場ー
いよいよ、龍vs雷雨の戦いが始まろうとしていた。
観覧席には、クラスメイト他――全校生徒が集まっていた。
更に、校長先生までも……
見に来た理由は、雷雨が神器を使うと聞きこの目で見たいという願望で来ただけだ。
他のクラスも、勝敗はもう決まってると確信し、雷雨を見に来た生徒がほぼ全員だ。
そんな中、選手控え室にいる龍は緊張のあまり言語があやふやになっていた。
「ああああどドドどうしよよよよよばばば」
「龍くん、落ち着いて!」
それを落ち着かせようとする由の姿もあった。
「なんで……なんでこんなにもいっぱい見に来てるの!?」
僕は、観覧席の映像を見ながら叫んでいた。
「仕方ないよ、だって相手が霧雨で神器も使うらしいし」
「…え?」
今、なんて言った?
雷雨が、神器を使う?
そんな……まさかね!
「由、僕の気のせい?神器を使うって聞こえたんだけど…」
「気のせいじゃないよ?今日の朝、取材の時そう言ってたから」
………嘘でしょ?
「ぼ、僕まだあの力のなり方わからないんだよ!?それなのに、最初から神器使うって、もう一瞬で決着つくじゃん!まぁそれでもいいけど!」
僕はそう叫んだ。
「落ち着いてよ龍くん、多分何か策があると思うんだ。だから、大丈夫だよ…………多分」
由が、目を逸らしそう言った。
あ、僕死んだな、と心からそう思った。
そして、試合の時間になり、先生から入場の言葉が聞こえた。
「では、選手、入場してください!」
僕は、深呼吸をして立ち上がり競技場に向かった。
「頑張ってね!龍くん!」
後ろから、由の応援の言葉が聞こえた。
その言葉に僕は、
「できるだけ頑張るよ。じゃあ……行ってきます!」
そう応えた。
ー競技場Aコートー
指定された場所に向かう途中、雷雨と合流した。
「……楽しませてくれよ?」
雷雨は、ボソッと呟く。
「……努力はするよ」
僕は、苦笑いでそう応えた。
そして、僕達はAコートに付き、試合のルール説明をした。
「ルールは、先に殺された方の負けまたは、降参をした方の負けとなります。武器、魔術等は使用可能です。それでは、両選手…準備してください!」
先生から、説明が終わると僕達は電脳世界へダイブする為の準備に取り掛かった。
「雷雨」
僕は、思った事があり雷雨に質問した。
「……本当に…止めてくれるよね?」
雷雨は、少し間をあけてから
「当たり前だ。必ず止めてやるよ」
と、応えられ僕は少し安心した。
そして、僕達は準備ができ、電脳世界へダイブした。
ー電脳世界ー
電脳世界に入り、先生の始まりの合図を待った。
僕は、深呼吸をして心を落ち着かせていた。
(大丈夫……大丈夫。勝てなくてもいい…だから、自分ができる所まで頑張れ!)
僕は、そう意気込み先生からの始まりの合図が告げられた。
「それでは、勝負………始め!!」
歓声と共に、試合が始まった―――
僕は、前回同様合図と共に地を蹴り近寄ろうとしたが、その前に雷雨が動いた。
それも、自分にとってヤバい事だった―――
「………来い……《雷鳴・鳴神》!!!」
そう彼が叫ぶと、電脳世界の空から一筋の光が彼の手元に落ちた―――
そして、光が止んだ時は彼の手には雷が纏われている刀があった。
そう、これが彼――霧雨雷雨の神器【雷神】だ―――
観覧席にいる人全員が、口を開け固まり、龍は間近でその力を見て唖然としていた。
「それが……雷雨の…神器……」
「そうだ。これが俺の力……神器【雷神】の力だ」
彼は、そう言い刀を見せる。
「そしてこれが、俺の愛刀……《雷鳴・鳴神》だ」
その刀から溢れ出る魔力は、尋常ではなく一振するだけで耐え切れず、倒れてしまう程の威力を持っていた。
「これが、俺の全力だ」
そう言い、彼は構え
「……さぁ…始めるぞ」
そして、今
開戦の蓋が開かれた――――
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