前日の雷雨
雷雨視点です!
明日……俺は、黒炎寺龍と戦う――
龍は、自分で能力を発動する事ができないと言っていた。
なら、どうやってあの力を引き出せるのか?
まずそこが、1番の難題だ…
だが、一応検討はついている。
おそらく、親への悪口だと俺は思う。
あの時、大地とか言うやつが龍に対して親の悪口を言ってあの力を発動させた。
つまり、龍のあの力を発動させるのは親の悪口を言う事だ。
だが、俺は龍の親に対して悪口は言いたくない…
当たり前だ。
なんのメリットがあって親の悪口を言わなきゃならない?
だから、俺はこの方法を頭から消す。
次に思いついたのは、力の差を見せつけることだ。
しかし、俺はこれも無理だと思う……
何故なら、俺が初めて龍と戦った時か神器を使わず手を抜いて勝ったからだ。
龍には、それは効かないだろう…
俺はそう思い頭から消した。
……もう思いつかない
一体どうやったら龍のあの力を発動させれるんだ?
俺は分からなくなり、爺さんに連絡した―――
「……なんじゃ?」
爺さんが、電話に出た。
「爺さん……ちょっと相談があるんだが…」
俺は、そう言うと
「……なんじゃ、言うてみい」
と、爺さんに許可されたので、説明する。
説明が、終わると爺さんは黙り込んだ。
「………」
「爺さん…どうすればいい?」
俺は、爺さんにそう問いかける。
爺さんは、少し間をあけて応えた。
「簡単な話じゃ。それは―――」
そして、爺さんに言われた言葉に衝撃を受けた。
何故なら、それは―――
「自分が持てる全力を出して、戦ってやる事じゃ」
あまりにも単純な答えだったからだ―――
「な、何を言ってるんだ?そんなの力を出させる前に一瞬で決着が――」
と、言いかけると爺さんが言葉をかぶせてきた。
「誰もそんな真面目にやれ!などと言っておらんだろ。話を最後まで聞かんかバカタレが」
「…すみません」
爺さんに怒られ、俺は謝った。
「お前は神器を使い、その龍という若造を殺す気で追い詰めればいい。お前の話が本当なら、その若造は、絶望の陥ったらお前の言う若造の力を解放出来るじゃろ」
「…なるほど」
俺は、納得した。
確かに、殺す気で追い詰めれば龍は力を解放するかもしれない
昔、俺がやられていたみたいに―――
「爺さん、ありがとう」
「別に礼などいらんわ。それにしても、本当に居たとはな…」
爺さんが、何か疑問を持っていた。
「どういう事だ?」
俺はそう質問すると、
「お前を楽しませる相手じゃよ。適当に言うたのに、まさか本当に居るとはな」
と、爺さんは笑いながら応えた。
「まぁ、頑張れよ」
「あぁ、もちろんだ」
そこで、電話は切れた。
俺は、明日の為に早く寝ることにした。
――龍……俺を…楽しませてくれよ?―――
黒炎寺龍vs霧雨雷雨
明日!
ー霧雨家ー
電話が切れ、雷雨の爺さん―――霧雨剣楼は、少し困っていた。
「…黒炎寺龍、か……」
彼は、月を見ながらこう呟く。
「……とんでもない奴に会ったな……雷雨…」
彼の言葉は、誰にも聞こえず夜の空へと消えていった―――
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