本当の気持ち
龍くんと霧雨が戦うまで、あと2日……
僕は、不安だ…
あの時は、許可をしてしまったけど、今思うと心配だ…
だってまた気を失ってしまうんだよ?
もしかしたら、次はもう目覚めないかもしれないんだよ?
そう思ってしまうと、だんだん不安になって来て、
(やっぱり、龍くんに戦うことを諦めてもらおう!)
と、思い教室を出ようとした。
そこに、
「あら?由さん、どうしたのですか?」
先生こと、剣騎士副団長の速水藍さんが話しかけてきた。
「ら、藍さん…」
そう言えば、藍さんと情報交換する約束をしていたっけ。
「何やら忙しそうね?どうしたの?」
藍さんは、心配そうに聞いてきてくれた。
「藍さん…実は―――」
ここで事の顛末を全て話した。
「…そう、そんな事があったのね…」
藍さんに事情を説明すると、何やら考え事をして、僕に向き直った。
「なら、いいんじゃないかしら」
と、藍さんはとんでもない事を言った。
「な、何を言ってるんですか!!また龍くんが気を失うかもしれないんですよ!?もしかしたら次は―――」
僕は、そう続けようとするが藍さんに遮られた。
「別に心配をしていないという訳でもないのよ?確かに心配よ。でも、彼はそれに立ち向かおうとしている…なら、私達は応援する事が当然でしょ?」
そう藍さんは笑顔で言った。
「で、でも!それでも!!」
でも僕は納得出来なかった。
また龍くんが倒れると思うと、胸が張り裂けそうになる…
もうこんな思いになりたくない!
僕は、そう思い藍さんに反論しようとする。
しかし、その前に藍さんに抱きしめられた。
「由は、彼の事が好きなのね」
藍さんは僕を抱きしめながらそう言い、僕は
「ち、違っ……くないです」
そう……僕は、龍くんの事が好きになっている
自分のステータスが弱くても挫けず頑張る彼に惚れたのだ。
こんな思いは、初めてだった――
でも、これだけは分かる―――
僕は、男の中でも……女の子としても、龍くんの事が……好きだ―――
「そう照れなくていいのに」
藍さんは、そう笑いながら言った。
「て、照れてなんか!」
「顔……真っ赤だよ?」
「ッ!?」
僕は、藍さんにからかわれた。
藍さんは、笑顔のまま僕に聞いてきた。
「なら尚更よ?彼の頑張りを応援しなきゃ!するでしょ?」
その言葉に僕は、
「勿論です!」
僕は、そう応えた。
龍くん……
僕は、応援しているよ!
だから……だから!
ちゃんと帰ってきてね?
黒炎寺龍vs霧雨雷雨
あと2日
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