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小さな幸せと大きな悩み

由が泣き止むのを待つこと数分…


「グスン……ごめんね」

「別にいいよ」

僕と由は、お互い笑いあった。


それから、少し落ち着いて僕が気絶した時のことを教えてもらっていた。

「…そうだったんだ……」

僕は、由から教えられた事に驚いた。


まさか1週間も眠っていたなんて…


それと、あの力の事も…


「その様子だと、知らなかったんだね…」

「…うん……ごめん」

「別にいいよ!龍くんが無事でよかったよ!」

由は笑顔でそう応えた。

僕も笑顔を返したが、少し考えことをした。


そう由から教えてもらった自分の姿は、あの黒い世界で見た映像の僕と同じ姿だった事だ。

正直分からないことが多すぎる。


なんでいきなりあんな姿になるのか?


何故自分はそれを覚えていないのか?


分からない…

でも、変わった事がある。

スキル【死神】の詳細が記載されていた。

――――――――――――――――――――――――――――

【死神】


死神を憑依する(―――――――――――)

――――――――――――――――――――――――――――

しかし、肝心の発動条件は書いていなかった。

だが、今はまだいい。

今は詳細の事だ。



死神を憑依する



憑依……

確か憑依出来るものはあまりいないと、言われてる…

しかも、僕の場合は神の名も分からない…

分かるのは、【死神】だと言うことだ。


死神……

僕が知っているのは、1人の神だけ…



冥府の神…〈ハデス〉



でも、〈ハデス〉は死の神では最高位の神だ。

誰かに力を貸すことも、助けることもしない…

だから、この可能性は低いだろう…

僕みたいな弱い奴に従う訳もないしね…



「龍くん?どうしたの?」

と、考え事をしていると、由が心配そうに声を掛けてきた。

「え?いや…大丈夫だよ」

僕は、笑顔で応えた。

「そう?1週間も眠っていたんだから、体調に問題あるかもしれないからちゃんと教えてね?」

「うん、ありがとう」

僕は、由と長々と話した後、由は帰っていった。

その後、再び死神の正体について考えた。


黒い世界で言っていたあの死神の言葉……



…汝が望むなら力を貸してやろう



力を貸そうと、死神は言った。

一体どういう事なのか分からない。

そして、最後の言葉……



…また会おう、我が契約者マスター



あれはどういう事なんだ?

僕は、契約した覚えがない…

なのに何故…

一体何処で…


僕はそう思いながら寝た―――

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