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忘れた光景

黒い世界にいた―――



何もなく、誰もいない―――



僕だけがそこにいた―――



辺りを見渡しても黒い景色のままだった―――



僕は、誰かいるかもしれないと思い、叫んだ。

「すみませーん!!誰かいますか!!!」



しかし、返事は返って来なかった―――



何故僕だけがここにいるか分からなかった―――



僕は、考えることをやめ探索することにした。

黒い世界、何があるか、何処に着くかも分からないまま僕は歩き出した。


一体どれだけ歩いたか分からなかった。

何千何万歩歩こうが、何処にも着かずただひたすらに歩き続けていた。

僕はそれでも歩き続けた。

すると突如、脳内にある光景が流れた。

それは、僕の村で、あの事件――



アラン村の悲劇が脳内に再生された―――



本来なら見たくないものだが、何故か僕は見続けることにした。

それは、この事件の事で……



何か忘れていることがある気がしたからだ―――



そして、その映像を見ていると不思議に思った事があった。

それは、



自分の視点からではなく、誰かからの視点だったのだ―――



僕は、なんでだろう?と、考えていた。

しかし、映像は止まってくれない。

そしてついに、あのシーンが再生された。

それは、



おじいちゃん達が殺されているシーンだった―――



僕は歯ぎしりながら、その映像を見続けた。

いつか絶対に僕が殺してやる!と、思いながら…

だが、ここで僕は思考停止した。

何故なら、今流れているシーンで僕が覚えのない行動をしていたからだ。

そして次の瞬間、



映像の僕は、僕じゃなくなった―――



まるで死神のような姿をし、次々と魔物を殺していった。

その力は、魔物が何千何万と来ようが全て虐殺していけるようなものだった。


僕は、固まった。


自分の知らない力に恐怖した。


「何……これ」


やっと出た言葉がこれだった。


「これが…僕?……違う…これは僕じゃない…」


僕はそう思えずには仕方なかった。


そう思っていた次の瞬間、声が聞こえた。



「…我は汝、汝は我」



そんな低い声が聞こえた。

僕は、慌てて辺りを見渡した。

しかし、そこには誰もいなかった。

そして気付いた。

どこから声が聞こえているのか…

それは……


僕の中から、聞こえていたのだ―――


その声は、僕が驚いているのを無視し話を続けた。



「…汝が望むなら、力を貸してやろう」



そう聞こえた。

「力を貸す?一体どういう事だ!」

僕は、叫んだ。

見えない相手に向かって叫んだ。



「…だが、今の汝では無理だろうがな」



と、返してきた。

「お前は一体誰なんだ!」

と僕は、聞いたがすぐに自分で分かった。

見えない相手の正体が……

それは………



「…ではまた会おう、我が契約者マスター



そう()()は言うと、次の瞬間僕は黒い世界から追い出された―――




ー先皇病院ー



目を覚ますと、ベッドで寝ていた。

最後に覚えている記憶は、電脳世界だから競技場にいると、思っていたが

(まさか保健室に運ばれるとはね…)

と、僕はまだ重たい体を立たした。

すると、そこに座っていた由が、泣きながら僕に抱きついてきた。

僕は、突然の事で受け止めきれなかった。

「うわぁぁぁん!龍ぐんがおぎだぁ!」

由が泣きながら、喜んでいた。

僕は、不思議に思ったが、何故か言うべき事が頭で分かった。


「ただいま。迷惑かけたね」


僕は、由を抱きしめながら由が泣き止むのを待つことにした―――

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