楽しめる相手
霧雨視点です!
俺は、爺さんの家で育てられた。
爺さんは手厳しかった。
俺はそんな厳しい爺さんの元で剣術を教わった。
そして俺は、神器を手にした。
神器を手にしてから、俺は退屈になった。
俺が速すぎて、誰も追いつけないからだ。
俺は落胆した。
もうこの先、俺を楽しませてくれる奴はいないな、と思っていた。
そんなある日に、爺さんが学校に行け、と言ってきた。
俺は、学校に行っても退屈なだけだ、と爺さんに反論したら、
「お前を楽しませてくれる奴が現れるかもしれん。いいから行ってこい」
と、爺さんに言われ俺は渋々承諾した。
”俺を楽しませてくれる相手なんていない”と、そう思いながら…
俺は先皇国へ行く為の準備し、家を出ようとした時爺さんが
「これは儂の予想でしかないが、雷雨……」
と、一言置いて
「お前を楽しませてくれる相手は……見た事ない属性だろう」
爺さんはそう言い、自分の部屋に戻った。
俺は、爺さんが言っていた事が理解出来なかった…
ー先皇剣立男子高校ー
俺はこの学校に入学することにした。
理由は適当だ。
学校何て何処でもいい。
そして、ジュリアホールに集まり入学式を始めた。
校長らしき人が、成績1位の挨拶で俺を呼んだ。
ダルい…
俺は、そう思いながら返事をした。
「めんどくさいので、遠慮します」
俺は、そう答えた。
そしたら、なんかよく分からない奴が叫びだした。
めんど…、俺はそう思いながらそいつの話を聞いた。
何でも俺みたいのが成績1位はおかしいと、言ってるらしい。
どうでもいいと、思っていたが鬱陶しくなったので、一応忠告をしてやった。
「これ以上近づかない方がいいぞ」
せっかく忠告したのにそいつは
「はっ!威勢だけはいいな!」
などと止まる気がなかった。
だから俺は、奴の首ギリギリを目掛けて刀を突き刺した。
そしたら、奴は俺の実力を認めて謝ってきた。
俺は刀を下ろし、席に戻る。
そこで、校長が俺が神器を持っている事を教えた。
最初っからそうしとけと、俺は心で思いながら席に座った。
これで入学式は終わり、次にクラス発表…もどうでもよく、能力測定を行った。
俺は計らなくて良いと言われ、木に持たれて俺のクラス全員が終わるのを待っていた。
どうせ弱いだろうと、思っていたその時、測定器が光出した。
俺は咄嗟の事で驚いた。
測定器が光る事や壊れる事もないと、あの校長が言っていたのに、光ったのだ。
俺は光らせたやつを見た。
そこには、見た感じ弱そうに見えた。
だが、俺は感じた。
奴から、強い力を感じたのだ。
多分まだ目覚めていないだけだ。
俺は数年ぶりに笑った。
爺さんの言った通り、学校に来てよかったと、心から思った。
能力測定が終わり、クラスに戻るとよく分からんベラベラ喋る先生がいた。
俺はあまり興味がないので、寝た。
次に起きた時は、競技場に移動するという説明の時だった。
クラスは次々と、競技場に向かっていたその時、
後ろで、何やら揉めて事をしていた。
くだらんと、いつもなら思うがその間にいたのが、あの時のあいつだったので、俺は耳を済ませて待っていた。
そして、3人組が教室を出たのを見計らい、俺は奴を通り過ぎると、同時にこう呟いた。
「いつになったら目覚めるんだ?」
俺はそのまま奴を通り過ぎ、教室を出た。
俺は教室に貼られてるクラス表でそいつの名前を確認して、競技場に向かった。
黒炎寺龍……こいつが俺を楽しませてくれる相手だ!
そして、競技場に全員が揃うと先生がここの説明をした。
戦う時、電脳世界に転送され殺し合うらしい。
その説明を聞いた時、
(なるほど、なら手加減する必要はないな)
と思い、黒炎寺龍を見た。
奴は、キョロキョロした後俺と目が合い、目を逸らした。
そして対戦相手が決まった。
嬉しい事に俺は黒炎寺龍と当たった。
俺は早く戦いたく黒炎寺龍に
「早く行くぞ」
と告げ、Cコートに向かった。
そして、黒炎寺龍も準備が出来たので、電脳世界に転送された。
ー電脳世界ー
電脳世界に着くと、あまり周りは変わっていなかった。
まぁどうでもいいが…
俺は早くこいつとやり合いたいんだ!
そして、先生の合図が始まった。
それと同時に黒炎寺龍は、地面を蹴り、俺に近寄った。
だが、俺にとっては遅すぎる。
俺は軽く地面を蹴り、黒炎寺龍の後ろを取った。
俺は黒炎寺龍の力を見たかったので、煽ったが、ここで残念な事が分かった。
黒炎寺龍は、まだ目覚めていなかった…
俺は落胆した。
やっと楽しめると思っていたのに…
退屈な毎日がやっと終わると思っていたのに…
俺はもう飽きたので、黒炎寺龍を殺した。
殺したら、現実世界に帰ってきた。
あいつは、何やら絶望した顔をしながら、観覧席に座りに行った。
それから俺は、クラスの戦いを見ていた。
どのバトルも遅すぎて、つまらなかった。
その時、Cコートで黒炎寺龍と教室で揉めていた奴と勝負をしていた。
暇だったので見ていたが、予想通り黒炎寺龍は押し負けていた。
俺は勝負決まったなと、思いながら見ていた。
勝利を確信したのか、そいつは黒炎寺龍を煽っていた。
あれはムカつくなと、他人事みたいに思っていたら、何やら空気が変わった。
先程までと、空気が重くなっていた。
1番不思議に思ったのは、現実世界でも感じたからだ。
(なんだ?何が起きてるんだ?)
俺がそう思っていた時、黒炎寺龍が立ち上がった。
黒いオーラを纏いながら……
それを見て俺は確信した。
この空気の重さはあいつが原因だと
そして、あいつがローブらしいものを羽織ると、莫大な魔力を奴から感じた。
(なんだよこの魔力!しかもここは現実世界だぞ!?何で電脳世界にいるあいつの魔力が感じれるんだよ!?)
俺は内心焦りながら、もう一度黒炎寺龍を見た。
次見た時は、まるで”死神”のようだった……
「……来い…死神鎌」
あいつがそう呟くように言った途端、奴の手から鎌が現れた。
それも馬鹿みたいな魔力を放ちながら…
そして奴が動いたと、思うと
その場から足音もなく、消えた―――
俺はすぐに探した。
そして、見つけた。
あいつは一瞬で、さっきまで馬鹿にしていた奴の後ろにいた。
そして、そいつを真っ二つに斬った。
俺でも、見失う速さに驚きを隠せなかった。
それと同時に、喜びが溢れた。
(ついに……ついに目覚めたか!)
俺はそう思い、汗をひとつ垂らしながら笑った。
そして、爺さんの言っていたことを思い出した。
(「お前を楽しませてくれる相手は……見た事ない属性だろう」)
確かに、見た事のない力を使っていた。
俺は、嬉しく思った。
未知数の奴と戦える事を…
俺は奴の名前を忘れないように頭に叩き入れた。
「黒炎寺龍……俺を…楽しませてくれよ」
俺は笑い、黒炎寺龍と再び戦う時を楽しみにした―――
見て下さりありがとうございます!
これにて1章は終わりです!