悪口
ー電脳世界ー
龍と大地は、武器を構えながら、先生の開始の合図を待っていた。
「逃げなかったことに関しては褒めてやるよ」
「…ありがとう」
そんな一方通行な会話をしていた。
「だがお前では、俺に勝てない。何故なら俺とお前のステータスの差は歴然だからだ!」
そう言って、ステータスを見せてきた。
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原田大地
力 A
速 D
守 B
体 B
魔 D
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確かに龍と大地の差は歴然だった。
速さでは勝っていても、力や体力、守りなどが負けている為勝てないのは、当然だった。
なら何故龍は戦うことを決めたのか?
それは……
”もう戦う事を諦めたからだ”
戦っても誰にも勝てないと、そう信じ込んでしまい、もう戦う事に考えるのをやめたのだ。
「それでは、始めます!」
先生の始まりの合図が今、言い放たれた…
「始め!!」
その合図と同時に大地は地面を蹴り、龍に近ずいた。
龍も、戦うと決めたからか、大地と同時に地面を蹴っていた。
そして、大地の斧と龍の剣がぶつかり合う。
しかし、力の差で龍は押し負け、投げ飛ばされた。
「くっ!」
「ハッ!そんなもんか!」
彼は追撃に移行した。
龍も、すぐ体勢を立て直し、迎え撃つ。が、弾き返される。
「やはりお前は、雑魚なんだよ!オラァ!!」
「くっ!」
そう投げ飛ばされ、龍は地面に叩きつけられた。
「グハッ!!」
地面に叩きつけられ、龍は動けなくなった。
そう背中の骨が折れたのだ。
電脳世界なので、現実世界に戻ったら怪我は無くなるが、この世界にいる間は、痛みなどは続く。
龍は立てなくなり、負けを悟っていた。
「ハッハッハッハッ!!」
大地は爆笑していた。
「この程度でくたばってんのか?本当に弱いな!」
彼は笑いながら、話を続ける。
「だから言っただろ?お前は弱いからこの学校から出ていけって!」
彼は続ける。
「雑魚はこの学校にいらねぇんだよ。さっさと田舎に帰れ」
そして彼は、
言ってはいけない事を口にしてしまった―――
「まぁ、どうせお前の親の事だ、役にも立たねぇ最悪な親なんだろうな!」
そして彼は笑った。
自分の犯した罪に気付かずに…
(僕は……弱い)
(確かに弱い……)
(僕が弱いせいで、おじいちゃんとおばあちゃんを苦しい思いをさせた…)
(それでも、おじいちゃん達は、笑って許してくれた…)
(「次頑張ればいいさ!」と、僕を励ましながら…)
(そんなおじいちゃん達を、馬鹿にした?)
(許さない……)
(僕の事は馬鹿にしてもいいが、おじいちゃん達を馬鹿にするのは……許さない)
(許さない、許さない、許さない、許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!)
(ユルサナイ……コロシテヤル……)
――ステータスを更新しました――
その言葉を聞いた直後、僕は意識を失った―――
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【死神】
――を――――する(――――――――――――)
↓
死神を憑依する(―――――――――――)
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