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明けと宵の神 ラムセムーア
断続的に突出と収縮を繰り返す針の生えた夕方色の不定形な姿をした明けと宵の神。
太陽が地平線から昇りだすときと太陽が地平線に沈みだすときにしか姿を現さない神。見たものはその姿がぼんやり見えるほどの距離にいると気づくことができるが、近寄って触れることはできない。だから、伝承も曖昧で夕方色をしているということ以外はまばらに伝えられている。
その姿を光や虫の集まりだという者もいれば、その姿を浮遊する湖と表現する者もいる。
ラムセムーアに触れるためには地平線の向こう側に行かなければならないとされている。ラムセムーアのいる方角の地平線は一時的に『果て』というものが存在しているとされ、その果ての先には世にも恐ろしい永遠に落ち続く奈落があるとされている。
ラムセムーアは人々に恩恵を与えていないように見えるが、ラムセムーアを最初に見た人々はそれが太陽の出と入りを手伝う太陽神の付き神だと称した。
ラムセムーアの存在が消滅した時、世界から太陽が消え、また月も消え、やがて時すらなくなるととある魔術師は予言した。