クスハの想い
「クスハ~元気してる~」
「旭、久し振りですね、
今日は龍人さんとご一緒じゃないんですか?」
旭は鍛冶屋虎徹に訪れていた。
暑苦しそうな煉瓦造りの中で
朝っぱらからクスハがトントンカンカンしている最中であった。
「今は別行動、あいつはお茶買いに行ってる、後から来るって、クスハのおっぱい見に」
「はぁぁぁぁ…、どうして男性はおっぱい好きなんですかねぇ、
どの時代のどの国の男の人だろうとおっぱいおっぱい言ってます…
いや好きなのはいいんですけど」
クスハは肩を落としながらそう言う、無理はない、
『女性』、
通称、テラ・グラウンドの比率で言うならば9対1である、
どちらが女性なのか、それは女性が1である。
龍人ではないがクスハほどの可愛さで、おっぱいで、
その格好で真面目で、可憐で、一生懸命で、
依頼があれば入りやすい鍛冶屋、
これはもはや仕方のないことである。
このアイテールには他に
アイテールのサンタクロースこと女商人シエスタ・パンドラ、
大聖堂に神の代行者ユーノが居るが、
シエスタはこの世界始まって一度も攻撃の主流になったこともない
魔法系の商人でなおかつあのハキハキしたはっきり言う性格、風体、
神の代行者ユーノは意味レベルアップ時話しかけやすいとは言え
他の生者もいる手前長居しづらい、
性格と風体と立ち位置を加味するなら
クスハはこのアイテールに生える一輪の薔薇、もっと言えば『奇跡』、
しかも虎徹という意味障害がなくなり暫くの時間も経ったこともあり、
引く手あまたなのだろう。
だがその中でも神の代行者ユーノはある意味最後の砦、
常時居続ける女性だということは一応補足しておく。
神が与えたもうた生者の癒やしの最後の番人なのである。
龍人もだいぶこれに救われている。おっぱいは正義なのだ。(熱弁)
「クスハも苦労してるんだね…商売やってるから余計に」
「はい…最近はどういうわけか一日一回は求婚されてます、
おっぱい揉ませて欲しいとか吸わせてほしいとか、
一吸い5万アニマでいいからとか…売春まがいのお誘いまで…正直困ってます、」
クスハは金槌を一旦灰色の要石で出来た床に置き、
両の手で黒いスパッツ越しの太ももに触れながら内股クネクネモジモジさせ、
恥ずかしがりながらの最近の近況の告白は旭に少し理解をさせる。
「…確かに、顔うずめて吸いたいかも…」
旭は左手を人差し指を曲げてその人差し指と親指で顎を掴み右手で腰を掴みながら思わず呟く、
「えっあっ?、旭までっっ、信じてたのにっ、
私たち女の子同士だし、そのっそういう趣味は私ないですから、
普通に男の人がいいですからッッ」
クスハは両腕で貞操を守るように反対側の肩を掴み
旭の反対側に隠れるようにしながら女の子同士の趣味はない男の子がいいですと主張する。
「い、いや、じょ、冗談よ冗談、はははっ」
少し想ってしまった以上その冗談という誤魔化しの否定は嘘、
嘘をつけない旭は下手くそな声音で冗談だと誤魔化す。
「ほっ、冗談ですか、やめてください旭、からかうのは、」
「いや、朝ね、龍人が対話の果てに
ゲート・オブ・バビ◯ンおっぱいを貯蓄して
自在に引き出せるのが理想とかなんとか、
つまり男の人の気持ちになってちょっとクスハを観賞してみたら
私の心のおちんこがちょっと反応したって程度のことだから」
旭は左手で頭を掻きながらクスハに伝わりにくい語彙を交え、
何が起こったか解説する。
「何ですかそのゲート・オブなんちゃらとか心のおちんこって、
せめて旭は私の望む正常な女の子であってください、
私の心のバランスが取れなくなりそうです」
クスハは少し怒った顔でせめて旭だけはまともであってくれと懇願する。
「じゃあバランスを取って、
両方のおっぱいを片方ずつ俺が揉みながら交互に吸うってのはどうだ」
「龍人っ、早かったね」
龍人である、堂々とセクハラしながらの登場である。
「んーまぁな、茶ぁ~買うだけだからな、多少世間話もしたが、
そうだ、賭けは俺の勝ちだぞ、ジョージだった」
「げっ、そっかー柴犬の小太郎あたりだと思ったんだけどなぁローテ的に」
今日のクインテットでアニマを賭けていたのか
何かを賭けていたのか定かではないがどうやら龍人の予想が勝ったらしい。
「おはようございます龍人さん」
「おーおはようクスハ、今日もその…なんだ、ごりっぱで…」
クスハの透き通った可愛らしい声音でのおはようございますを
受け止めながら龍人は、男の性なのかそれは龍人だけなのか、視線はおっぱいに行く、
「やめてください、そんな目で、旭さんが見てます、
その、工房の…外の…その…裏手で…どう…ですか?」
「えっあっ、なにっなんなのっ」
クスハがモジモジしながら突如、
龍人を鍛冶屋虎徹の裏でいいことしませんかとお誘い申し上げ候を致す、
旭は突如として龍人を誘い出したクスハの行動を理解できず、
状況を把握できない。
「え、まじかよっいこっいこっ裏手にっ言ってみるもんだなぁ」
龍人は意気揚々と出入り口に小走りする、
「勿論冗談ですけど、」
「えッッ?…じょう…だん?……クスン…」
龍人は現状を認識するに連れ生気を失い、ポロリと右の目から涙がこぼれ落ちた。
「……龍人(怒)」
旭は武器を装備する、それは1トンハンマー、巨大な黒いハンマー、
某シティー的なハンティングを嗜む者の相棒、
槇村◯が持っていそうなあれ、
この世界、テラ・グラウンドの集団的無意識が創り出した対生者用ツッコミ武器、
かなりの重量装備でダメージを起こさないがそれなりに痛い。
一日3回しか使用できないツッコミ用無駄武器、
「ちょっと待て旭、俺はっ俺はっお前はっ俺のっ」
龍人は腰を抜かし尻餅をつきながら右手を地面に左手を旭に向け旭を制止する。
「どこのジェ◯ド・メサよ、私はカ◯ーユじゃないよ、
覚悟して、粛清してあげるからっ」
旭は振り上げる、黒いハンマーを、
「それが人のすることかよッッひでぶッッ」
龍人の脳天に1トンハンマーは直撃する、龍人は転がる、痛さで転がる、
面白いほどに転がる。
「まったく、見境なさすぎっ、せめて見てないところでやりなさいよっ」
「いや無茶言うなよ四六時中一緒なんだからな、
それに武士道に反するというかなんというか」
人の所作が、龍人のイメージが作り出した大きなたんこぶを龍人は擦りながらそう言った。
「ふふふふ、相変わらず仲がいいですね羨ましいです」
「まったく酷いぜクスハ、
クスハがここまでの冗談言ってくるとは予想外だった、
本気にしちまったじゃないかよ。
お陰でちょっと龍人、わけがわからなくなった、だが反省はしているが後悔はしていない」
「はぁぁぁぁぁ、昨日だってあれだけチュッパチュッパしてたじゃない…
何が不満なのよ…いや不満じゃないのよね…そこにおっぱいがあったらってやつよね…」
「わかってきたな、そうだ、クスハのおっぱいとおまえのおっぱいは別」
「お二人はやっぱりその、もうかなり親密なご関係なんですね」
「それがさー? おっぱいちゅっぱちゅっぱするだけで全然なんだよねぇ…
ッて何を言わせるのよクスハッ」
「さっきから他者に聞かせるレベルの話ではないような気もしてますけど」
「あっあっ私っなに言ってるんだろっもうっ龍人が悪いんだからねっ」
「俺かよっいやっ俺はなんも悪く無い、1トンハンマーをしまえよ、
あぶねーだろっっ、俺はおっぱいに紳士なだけっおっぱい探偵紳士なの、」
「要約するとお二人は清いおっぱいの関係、ということですねわかりました」
「ッッッ(かあぁぁぁぁぁぁぁ)もうっまたねっクスハッッ」
クスハの言葉に赤面しまくった旭は、黒い鉄の扉を開け、鍛冶屋虎徹から出ていった。
「あああああああッッッ恥ずかしいよぉぉォォォォ」
そう言い放ちながら旭は逃亡した。
「悪いな騒がしくして、仕事頑張ってな」
「はい、龍人さん、」
龍人も鍛冶屋虎徹を後にする、
一人になったクスハはその龍人の背中を、旭を思い浮かべながら言う、
「(羨ましいな、私も、隣に、入れたらいいのに、入れたらよかったのに、
あのバランスの一つに、)」
龍人さんと旭の隣に
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