いつもの場所で
薄暗く静かな閑散としたステージ、
『リディアの港』。
『永久のロウソク』が各所に電灯のように配置され、
木で作られた家と、木で作られた海の上の道、
『始まりと終わりの村アイテール』から行ける4つのうちの1つ、
稼ぎ場でもあり、
もう一つの稼ぎ場『灼熱の黒鉄城』への唯一のルート、
吾妻龍人と朝凪 旭のいつもどおりの休憩所場所もある。
今日も今日とて龍人と旭はその場所で
木で作られた海の上の通路で胡座をかいて休憩している。
もちろん片手には生者の水筒、旭の会得した氷魔法、
『すべての罪に突き刺さる氷の雨』の氷によって
キンキンに冷やされた水をがぶ飲みしている最中である。
「ぷはぁっっ、ほんっっとぉぉぉッッ流石に緊張感全くなくなってきたなぁ~~~」
旭は豪快に水筒の水を飲んだ直後に不満をぶちまける、
その叫びとも取れる声は『リディアの港』に響き渡る、
「またかぁ? …まぁ無理も無いか、
お前が『サイトウ』相手にパリー挑戦しまくったって話が本当なら、
さぞや午前の『灼熱の黒鉄城』、
昼過ぎからちょこっと『リディアの港』夜『灼熱の黒鉄城』ループは退屈だろうなぁ」
龍人も水筒片手に入れたばかりの氷を適当にシェイクしながらそう言った。
あれから3週間ほど、
初めてのカオスアニマを賭けて戦ったヴァルディリス討伐戦の斎藤 一との戦いから一転、もはや友人のような関係を遥かに超えた無限灼熱ループに旭は不満たらたらである。
「いや『サイトウ』じゃなくて『斎藤 一』さんね? 失礼でしょっ」
旭は顔を膨らまさせて龍人に間違いを指摘する。
「そうだったな、でも怒んなよ、悪気はないんだ、俺もその戦い見たかったなぁ…。
かつての自分を思い出し、戦う新選組3番隊組長、
かっこいいじゃねぇか…現世に戻ったら参考にして作品に活かしたいくらい」
「あんたまた現世でラノベ作家にでもなるつもりなの? 復讐はどうした復讐は、」
「ああ? 復讐? そりゃいまだに俺の優先順位第一位だが、
元はラノベ作家なんだぜ?
現世に戻ったら何らかの作家になることを想定して
引き出しにいいものは入れとかねぇとなぁ。
つまりそれはそれ、これはこれだ。
仮に第一位だとしても、第二位があるわけだ、
そして第三位もある、第四位もある。
そしてそれは長期的、中期的、短期的、
ランキングに分かれてあるんだよ。
ちなみに短期的ランキング第一位は喜べ旭、
お前の生おっぱいを揉み、尚且つ自由気ままにむしゃぶることだ、
イーグル1、可及的速やかに了承を求む、」
「絶っ対っイヤっ、両思いでもないのになんで生乳揉ませた挙句
ちゅぱちゅぱすることまで了承しなきゃいけないの、
私、都合がいい女じゃないんだけど、な~にがイーグル1だ」
「まぁ冗談はさておき、確かにそろそろお前のレベルアップもひとまずいいだろう、
俺なんか特にな。(もうレベル上がるの何年んかかるかわからんからな)
雪原ルート行ってみるか、
まぁ、『斎藤 一』と比べたら道中は雑魚でしか無いが、
それでも敵もパターンも変わる、攻撃力もな、環境も厳しい、
複数相手にする場所も多い、
雪原の先は俺もここ千年以上行ってないから知らんことも多い、
BOSSもかなり強いし、
ここは日々進化する地獄、テラ・グラウンドだ、
お互い刺激を求めるなら丁度いいだろう」
「お、やった いこっ早速、」
パァァァァと花が咲いたように旭の顔が、言葉が、声音が語りかけてくる。
「ああ、行くか」
龍人はその全てを正しく心地よく感じ微笑みながら立ち上がる、
龍人と旭は装備を整えリディアの港を後にした。
またぼちぼち更新していきます。
3巻は9月25日発売予定。




