表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/106

旭とクスハ

挿絵(By みてみん)

 


 旭は今は『リディアの港』でいつも通り小休止している、

 武器が強化し終わるまではとりあえず

 『アイテール』から近いこの場所を拠点に『灼熱の黒鉄城』と、

 『リディアの港』で狩りをしているしかないからだ。

 龍人は久々に旭とは別行動を取り、防寒具を着こみ

 『アイテール』から行ける吹雪まみれのステージ『忘却の雪原』で狩りをしている。

 ここのステージに入ってすぐの場所に亡者が湧き出るポイントがある。

 そこで龍人は「オラオラ暇してんだろっかかって来いやぁぁぁっ」と吹雪の中、

 雪原の荒野で一人叫んでいた。



「旭さん」



 旭を呼ぶ声がした、旭はその方向に振り返り、その主を視認する、

 銀色の髪のたわわなおっぱい、見紛みまごうことはない、クスハである。



「少し話いいですか?」



「いいよ、なに?」



 旭は突然のクスハの来訪に驚きながらも話を聞く、

 旭の格好はいつもどおり、肌の露出の多い布装備で灼熱限定のポニーテールである。

 肌は汗でつやつやテカテカである。

 胡座あぐらをかく旭に向かって膝を抱えて地面にお尻はつけずにしゃがんだクスハは尋ね始める。



「『儚き竜の化石』、あれはどういった経緯で手に入ったんですか?

  正直行き詰ってまして、その、なにかのヒントになればいいと思って」

 

 

 『新しい武器』、『防具』、生者達が敵を倒すときに自動的に得られるアニマ、

 その時に漏れる残滓ざんし

 生者達が散る際に落とすアニマ、思い、想い、たとえ死ななくとも、

 僅かばかりこぼれ落ち続ける記憶の粒子、そんなものが形を得て、

 『新種』を生むとされている、

 そしてそれが武器ならば、防具ならば、

 その『新種』が今までの物の『規格外』の場合、必ず等しく、『素材』は生まれる。

 そして、それを強化する『術』も、『同じ』ではない、

 熟練の『鍛冶』の『探求者』虎徹でさえ、渡してからもう3日、

 なんの成果も得られていない程なのだ。

 明らかに情報が足らない、そういうことだろう。



「あー…夜中に手に入る限定アイテムだった、そっか、ごめん、

 こっちの配慮ちょっと足らなかったね」



 旭は上に視線をやり思考した後、

 クスハの瞳を見て配慮が足らなかったことを頭を下げて詫びる、



「夜中…でも、それは『儚き竜の化石』の『フレーバーテキスト』、

 説明文にも書いてあったんです、具体的に夜中のどれくらいだったかわかりますか?

 月の位置とかでもいいです」



 『そんなことは詫びなくていい』、

 クスハの普段ならそんな言葉が飛んできそうだが、真剣なのだろう、

 『鍛冶』に関さない事柄に関して聞く耳は持っていないようだ。

 その真剣さが旭は心地よくあった。

 そんなことを思考しながら旭はお腹をさすりながら答える。



「たしか、お腹の減り具合から夜中の2時くらいだったような…」



 お腹は減る、一応減る、時間によって人の所作、性がそうさせるのか、

 旭の腹時計は中々に正確である。



「光ってる時間はどれくらいでした?」



「20分位であつめて、その後寝ちゃったけど

 竜のリオさんが言うには毎日1時間位光ってるって言ってた。」


「2時から光って、一時間、ですね、

 あの化石こっちじゃ全然光らないからこれはヒントになるかも、ありがとう旭さん」


「うん、こっちこそ伝え忘れててごめん、頑張って、」


「はい、旭さんもアニマ集め頑張ってください」



 生き生きとした様子で立ち上がり、

 クスハ・テルウェットは『始まりと終わりの村アイテール』に

 元気にタッタと木板の地面を足で鳴らしながら走っていった。


 旭は、笑顔だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ