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一方その頃、ボク達と別れた『リミダムさん』はと言うと。
普段から利用している「ある道」を使って、本来の住処である『クーオリアス』へと戻り、自らに課せられた目的を果たそうとしていました。
ガチャッ
「にゅっにゅー ただ今戻りましたぁ~」
「「お帰りー」」
彼等の管轄内である施設の一室に戻ると、彼は幾多の同士達からの出迎えを受けました。手元で作業しつつの反応ですが、とても良い関係なのが伺えますね。
そんな皆さんの様子を視つつ、彼は長である『サントスさん』の元へと向かいました。
「レーヴェ大司教、戻りましたぁ~」
「お帰りリミダム、今日は早かったな。」
「ちょっと案件を貰って来たので、レーヴェ大司教に許可を貰いに来ました。コレの送信元に、コレを送り返したいんです。」
そう言ってリミダムさんはサントスさんに手紙を渡すと、彼はしばし封筒を見て、変わったトリックを用いててやってきた事を理解しました。よく見ると手紙には一本の『紅い糸』が付いていたのです。
何処で付いたのかな?
「ちなみにだが、何故コレをディルは送り返したいんだ?」
「送って来た人が、大事なヒトを探してるんです。オイラ達はその手助けをするって、決めたんです。」
「解った、許可しよう。」
「ありがとうございまぁーす!」
そう言って彼はお礼を言うと、持場に戻る様に奥の部屋へと向かって行きました。残されたサントスさんは口元に笑みを浮かべつつ、その日の担当者に手紙を託し、逆探知をしてもらうのでした。