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Track on Nightingale Note  作者: 四神 夏菊
CodeName『For Pinio is Intermission』
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ザグレ教団員との応戦、それは普通の創造主達との戦いに比べたらまだ軽い方とも視て取れるかもしれない。しかし実際には『結託した創造主達と戦う』事に等しく、正直言ってしまえば怒涛を組んでやってこられたら一人では勝率が下がると言って良いだろう。タイマンに持ち込めれば前者に近いが実際には後者寄り、中々面倒な連中をギラムは相手しているんだな。



俺的には中々の興味対象外の行い故に、面白みは一切無い。



そんな俺達が相手をしたザグレ教団員、それは後に『デビル』と『タワー』である事が判明した。一人は林檎を模した杖を手にし魔法で戦闘、そしてもう一人は何処から出したのか大量の『レンガ』を用いて応戦して来る。後者はサントスが一番応戦しやすいと考え、俺は前者のデビルと名乗る男と戦う事を選んだ。


「『水牡丹の契約』!!」


ギラムと共闘した時とは違い、今回は相手を追う事無く対象と戦いに持ち込む事が出来た。魔法を時折使用しながら武器の形態を変えて接近、対象への攻撃をするのが俺の基本スタイルだ。相手も同じく接近戦闘に持ち込んで戦う傾向があったからか、後方へ下がったり前方へ出たりと中々に忙しかったと思う。攻撃に合わせて自動で追撃する水牡丹の煌めきを横目に、俺は別の場で戦うサントスの行いを視るべく視線をそらした。


すると丁度魔法を使用する時だったのだろう、右手の人差し指と中指を合わせ陣を描く様に叫んでいた。


「『アイン・ルークスーペリア』!!」


彼目がけて飛んできたレンガ達に対し魔法を放った直後、跳んで来た飛来物全てが角度を変えて上空へと飛んで行ったのだ。コレには中々驚かされた瞬間ではあったが、確かに彼は事前に魔法はその手の類だと言っていた為、その驚きも相手側に比べたら少なかったのかもしれない。


彼の扱う魔法は『運動エネルギー』の切り替えを行う魔法。飛来物に対して残った威力をそのまま任意の方向へと強制的に飛ばし、自らへの物体接触を退ける。それは手にした武器も同様であり、彼へ迫りくる固体や液体は全て彼の元には届かない。

その為彼に対し直接的な魔法であったり不意打ちで発動しない限り、その攻撃は通る事は無かった。



そう言った意味では、俺の方が苦戦を強いられていたのだろう。後に事態を終息させ被弾した箇所を比べた限りでは、俺の方が掠り傷が多かったと今でも思える。ザグレ教団員をギラムの知らない所で片づけると言うのは、中々大変な事なんだな。


リターブを行い状態を元に戻したとはいえ、やっぱり彼の様に立ち振る舞えない所は口惜しいぜ。まだまだ学び足りないし鍛錬すらも追いついていない、ベネディスにその辺りもしっかり相談しないとな。





「……それにしても、報告以上だな。おれっちが駆り出されたのも頷ける。」

「本当だな。」


そんな戦いが終了したのは、砂漠地帯へ到着した約二時間後の事だ。時折吹き荒れた砂嵐が少しだけ落ち着いたその時に、俺達はザグレ教団員の二人を拘束しクーオリアスを経由してリーヴァリィへと送る手続きを取っていた。簡単に言ってしまえば『輸送隊』の道を用いて運んだ後、捕獲された教団員が留置されている『現代都市治安維持部隊』へと輸送すると言うモノだ。


この事態が終息したのはギラムが富豪子息と異国の美女と接触ししばらくした頃だから、恐らく知る事となるのはもう少し先になるだろう。俺の口からもちゃんと説明しておきたいから、何時か時間を創っておきたいものだ。


サントスの招集でやって来た輸送隊の面々によって二人が運ばれると、俺達も同時にその道を通り一度クーオリアスへと戻った。そして部隊毎の部屋へと向かう道中で俺は別れ、ベネディスの居る医療隊の元へと戻って行った。




「ただいま戻りました。」

「お帰り、ピニオ。」


そんな俺を温かく出迎えてくれるのは、何時だってベネディスだ。俺の事を造ったが故なのか、それともただ単純に親心と言った感覚の元でなのかは解らない。でもただ言える事、それは『嬉しい』と言うモノだ。


挨拶をただされただけなのにその様な感覚を抱けるのは、本当に良い事なんだな。仏頂面の何処ぞの長とはえらい違いだ。


「レーヴェ大司教殿から報告を受けておる、ご苦労じゃったな。」

「ありがとさん。リターブ直後で調子が良いとはいえ、俺もまだまだギラムは愚か獣人達に劣る部分がある事を痛感したぜ。改良と言うか……鍛錬を、もっとしたい。」

「何、そう思うのは当然じゃよ。儂からしてもそれは視野に入れていた事故、何も恥じる事は無い。お主が『ギラムの様に成りたい』と思っているのならば、それを叶えるだけじゃよ。」

「……はい。」

「また少しリターブをするが、後にギラムに声をかけていろいろ得ると良い。儂もそれを見守るのが、部隊員の見守りと並ぶ今の楽しみじゃよ。」

「解ったぜ。」


そんなベネディスの元へと付いた俺は荷物を定位置へと戻し、再び俺の寝床と化した非検用の器の中へと入って行った。何時かギラムと並んで応戦し、そして無双出来る様な相手に成れる事を夢見て。



 -END-


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