7-S
俺がこの行動を取ってから、どれくらいの時間が流れたんだろう。俺の探すべき存在の姿を見失ってからと言うモノ、俺は相手が引き込まれたポイントを基軸に『回廊』を展開し、その中に幾多と同じ文書と仕掛けを施した手紙を何百、何千通と送り出していた。
それからどれくらいの時が経っただろう、それだけの数を出しておきながら俺の元に返って来たのは。たったの『一通』だけであったけれど、俺はその手紙を送り返してくれた者達の好意を感じながら、俺自身で回廊の中へと足を踏み入れていた。
「……結構遠くまで流れたっぽいな。無事だと良いけど。」
幾多と流した内の返事が来た手紙を使って、俺は世界を繋ぐ『回廊』を移動している。不安定な道路と思わしき道は揺れて立っている事すらままならない為、基本的にこの場所では『飛ぶ』のが基本とされている。しかし誰これ構わず入り込める領域では無い為、普段であったら俺もこんな手段を用いて足を延ばす事は無かったはずだ。
でも今は…… 今だけは、その手段を用いて行動を取らざる得ない。
俺の為にと手を差し出し、殺めてくれる事を約束してくれた相手の事を探さなければならない。探し人の痕跡と思われる『鮮血の痕跡』と手紙の軌跡をたどって、不安定な道を飛んでいた。
正確に言うと『流されていた』の方が正しいな、俺には翼は無い。
「……ま、心配するだけ野暮か。身体が頑丈なのは知ってるし、考え方は柔軟だからサバイバルくらいは朝飯前だろ。俺がこの先に行けば、何の心配は」
ブチッ
「ね……!! えぇーーーー…!! ウッソだろぉおおーーーー……!!!」
だがそんな不安定な場所では、何が起こっても不思議じゃない。回廊内に一瞬聞こえた音と手元の軌跡が亡くなった瞬間、響き渡る俺の声と共に余所へと飛ばされた。




