談笑
長い。
ただひたすらに長い。
具体的に言うといつもは2000文字を目処にしてるけど3000文字ある。
前回のあらすじ
カフェオレは、ないです。
「さーて、まずどこから聞こうかね。」
コーヒーを飲みながら2人で話し合う。
「逆にどこから話してやろうかね。」
「場所的にメタいのは無理だしな〜(ボソッ」
場所がカフェだ。
下手に神さまだの転生だとかの話をしたら怪しまれる。
「そういや、なんでエヴ達と?」
「あー、歩いてたら楽しそうな音が聞こえたので。」
「成る程、で?殺った?」
「殺った。」
「どうよ、感触的には。」
「HPって概念がないから楽と言えば楽かな。」
手を握ったり開いたりしながら言う。
「ゲームだと明らかな致命傷でもミリ残りとかよくあるからな〜。」
「そうそう、そこの所はスゲー助かる。」
「言っとくが、それはこっちも一緒だからな?」
「思い当たる節でも?」
「それを逆手に取ると、"致命傷じゃなきゃ死ねない"ってこと。」
「いくら痛くても気絶も出来ない場合があるってか。」
「そゆこと。」
「盾貰っといて良かったと思うよ。」
「てか、ゲームでもそうだったが、ショウはバランス型から一向に逸れないな。」
ショウのゲームをするときのキャラクターは決まってバランス型だ。
「逆にお前がズレすぎ。なんだよ速さ極振りって。てか、貰った武器は?家にでも置いてあるのか?」
「あーあれは溶けちゃった。」
「溶けちゃった?」
「後で話すよ。」
「そう言われると早く場所を移したくなる。」
「飲みきってからにしろ。店に失礼だろ?」
「ほう?リョウもそんなこと気にするようになったのか…。」
「ここらの店主は裏で繋がってて客の情報を共有して、客によっては値段が変わったりするんだぜ?(コソコソ」
「よくそんなんで店やれるな。(コソコソ」
「こっちじゃこれが普通。」
「そっか〜。(遠い目)」
それから俺たちは会計を済ませ、場所を移すことにした。こういう時に役立つのが王都を囲む壁の上。
衛兵もいるが、普段は東西南北の屋根付きの箇所に1人ずついるくらいで、警備もガバガバ。
魔王軍とかが攻めてくると本格的に機能する感じ。
「寒くね?」
「そりゃそこそこ高いですし。」
「お前わかってて連れてきたろ。」
「ここ以外は基本壁に耳あり障子に目ありだからな。」
「うそーん。」
「本当。まだ1日も経ってないから日本の感覚が抜けてないんだろう。」
「そっか。異世界なんだもんな。」
「人権管理も酷いもんだぜ?」
「マジ?」
「ちょっと歩けば奴隷の1人や2人平気でいる。表だったところにいないだけ。」
「…」
「ショウは委員長気質だからな〜そこら辺キツイだろうけど、慣れるしかないぜ?」
「委員長気質ってなんだよ。」
「万年学級委員長で、生徒会の常連が何をいう。」
「むう。」
ショウの片眉が上がる。
「ゲーム内でも法外なこと一回もやったことない癖に。」
「逆にお前は躊躇ないからな。聞いたぞ?色々やってるらしいじゃん。」
「大したことしてないよ?せいぜい不法侵入、窃盗、器物破損、暴行、死刑執行とかそのくらいだぜ?」
「十分すぎるわ。なんだよ最後の死刑執行って。」
「犯罪人を殺すこと。」
「立派な殺人じゃねえか。」
「大丈夫大丈夫。ちゃんとここの騎士団の団長に許可とってるから。」
「騎士団?」
「王家直属の特殊部隊的な?」
「あー。って許可とったんかい。」
「…はず。てかね、バレてないし。」
「この世界の警備ってどうなってんの?」
「砂遊びするときの熊手?」
「ザルどころの話じゃないんだ。」
「はぁ、平和ボケにもほどがあるな。いいか?現実突きつけるぞ?覚悟出来てるか?」
「お、おう。」
「この世界はお前の予想よりずば抜けて残酷だ。貧しい奴は物乞いするか盗みをはたらくことでしか稼げないし、服も布一枚みたいなものだ。親に金の為に売られる子供もたくさんいる。奴隷になった奴で、男は働かされ、女は欲の発散対象さ。人権のじの字もない。でもその親や貴族はお咎めなし。虐待?DV?腐る程あるぜ?生憎この世界じゃ弱者はどう足掻いても奇跡が起こらない限り弱者のままなんだよ。」
「…」
「人の住む国でこれだぜ?国から出りゃもっと酷い。弱肉強食とはまさにこのこと。現世じゃ、地球で最も強いのは人類だったが、ここじゃむしろ人類は底辺に近い。一般の人が外へ出りゃ、ショウのあったゴブリン1匹にも勝てやしねぇ。男は餌に、女は玩具にされた挙句食い殺されるのがオチさ。俺だってゴブリンの巣を潰したことがあるが、そうなったら奴の死体なんて腐る程あったさ。実際に腐ってたものもあったしな。たとえ生き残っても頭がイかれてるか正気を保っていてもこの先の人生楽しく過ごせやしないだろうさ。いいか?この世界はそう言う世界なんだよ。パッと見ゲームに見えるかもしれないが、俺たち日本人の常識から見たら地獄も良い所だろうぜ。」
「…」
「帰りたくなったか?」
「いや、帰れないだろ?」
「そうだな。」
「お前は平気なのか?」
「ショウが来なかったらその内自殺してたかもな。」
「え?」
「突然死んじまってさ、んでこっちに来てさ、最初の頃は毎日がゲームだとか思ってた。せっかくだし、盗賊とかゲームでやったことないからやってみようとか思っても、ゲーム以前に、もっと大切なみんなが居ない。俺たちは幼稚園からずっと一緒で、もはや4人揃って1人が成り立っているみたいなものだった。いくら泣いても、俺の4分の3はないままでさ。それでも出来た仲間で誤魔化そうかと思ったけど、ショウ達と離れ離れになったのがトラウマになっちゃってさ。また失くすんじゃないかって、またあの苦しみを味わうんじゃないかって。そう考えたら仲間なんていない方がいいって思えてきてた。でも、ショウが来てくれた。あと2人居ないけど、1人が来てくれた。それだけで、この世界を生きる意味を見つけることが出来た。この世界を、ちゃんと楽しめるようになれた。この世界を、このゲームを、まだ続けられる。まだ生きていられる。」
「…」
「お前はどうなのさ。俺と一緒でも、このゲームをやる勇気はないかい?」
「いいや。1人なら無理だろうが、2人ならいけるだろ。どんなゲームでも。」
「それでこそ俺らのリーダーだな。」
「ったく、リーダーは御免だって散々言ってるのに。」
「お前以外みんなどこかぶっ飛んでるんだぜ?」
「自分で言うかよ。」
「ドラゴン相手に俺がどうやって致命傷与えたと思う?」
「ミサイルでもぶっ放したか?」
「38度線壊れるー。よく聞け?名付けて、必殺!一寸法師作戦。」
「食われたのか!?」
「後の話だと一回噛まれて右足に風穴空いてたらしい。」
「よく生きてたな。」
「カフェで話たろ?いくら痛くても致命傷じゃなきゃ死ねないって。ちなみにダメ神にもらった武器は奴の胃液で溶けちゃったってこと。あと、他言無用な?そんなの知られたら色んな意味で目立つ。」
「よくお前は溶かされなかったな。」
「ドラゴン族の王に聞いたけど、長い歴史で、人を飲み込んでも、その武器とかを先に溶かさないと胃が傷つくから金属製のものを優先的に溶かすように進化したんだと。」
「えぇ…消化とは。」
「なんならこの際に俺のパーティについて色々教えておくか。」
「え?」
「エヴはこの王都の王女さま、フェリクスはリザードマンで冬眠する、ディアナはエルフだけど肉も食べる、ロボルは化け物狼の子供、コリンナはドワーフであの家の中で一番力持ち、アンスとオレールは姉弟で獣族で燃費のクソ悪い氷魔法が使える、カミラは錬金術が得意でうちのポーション担当、キーラとコルネリアはメイドで、キーラは人間だけど能力は人間じゃないと思う、コルネリアは獣族とは違う獣人族、ルイシーナはドラゴン族で、ドラゴンの王様の娘、クミナはハウスキーパーっていう種族で今はメイド見習い。」
「…」
「どうよ。」
「ちょくちょく王族が入ってるのはなんで?」
「エヴは婿探し、ルイシーナは…えっと…俺に惚れたらしいけどフったらついてきた。」
「もうお腹いっぱい頭いっぱい。」
「大丈夫、これからそいつらのいる家がお前の家になるから。」
「セーブしてログアウトして寝たい。」
「寝れるけどセーブは無理、ログアウトしたいなら飛び降りれば?」
「紐なしはやだなぁ。」
次回、ステータスとはなんぞや。
風邪もだいぶ治ってきた。




