妻?
前回のあらすじ
竜王は緩い。
やあみんな。現在ドラゴン村に来ている元ゲーマー現冒険者の俺だ。
唐突だが、みんなにお願いがある。
初対面の相手にプロポーズされたらどうしたらいいですか?
「待て待て待て待て!初対面の相手に何を言っている!?」
「初対面ではないだろう?」
「リョ、リョウタロウさん!しょ、初対面ではないのですか!?」
「そうだぞ?ドワーフの娘よ。昨日の夜に部屋、正確にはベッドでな。」
「ど、どどどどどういうことですか!?リョウタロウさん!夜にべ、べ、べ、ベッドでなんて!!」
「バカ!それだと語弊があるだろう!違うぞ!断じてな!正しく言い直すとこいつが夜に部屋に無断で入って来てだな!」
「妻をこいつ呼ばわりとは、冷たいやつだな。」
「俺はまだ認めてねぇ!」
「くっ、とうとううちの娘にも婚約者ができるなんて…皆のもの!今日は宴会だ!」
「テメェはテメェで親バカかましながら先走ってんじゃねえ!」
「え?」
「え?じゃねえええええええ!」
「全員落ち着いたな?」
ようやく一息つけた。
ここまで10分ほどかかった。
「まず、お前はなぜ俺と…その…夫婦になろうと?」
「私の夫に足ると判断したからだ。」
相変わらず自信満々な態度は変わらない。
「なぜそう判断した?まだ会って1日も経ってないのに。」
「長さは関係ない。単純に惚れただけだ。言わせるな。恥ずかしい///」
「おい、竜王。」
「なんだ?」
「一体どう育てたらこうなる?」
「そうだな〜、今まであんまり他の男と触れ合わせなかったからな。」
「だからって、限度があるだろう?」
「わしにもわからん。」
「おいコラ逃げんな。」
「でも、どうするんだ?放置ってわけにもいかないだろう?」
「とりあえず保留だ。今晩にも話をつけよう。」
「なんだ?挙式の話か?」
「お前は夕方まで黙ってろ…。」
ルイシーナと別れたあと、竜王と街に出た。
初期の目的のお礼の品をもらいに行くためだ。元々そのために来たんだ。
金ではないらしいが、なんだろうか。
ほかのみんなは街で観光中。
ただ、ディアナはついてきている。
理由を聞いてみたが、なんとなくだそうだ。
十中八九、サヴズのことを気にしてるんだろう。あんなことの後で1人楽しく観光なんてできないだろうし。
ついたのは年季の入った鍛冶屋。
「みたところ奴との戦闘で武具が駄目になったのだろう?ここは我々王家御用達のお店でな。」
中は質素なものだったが、並んでいるものはどれもかなり品質の良いものばかりだ。
そして何より…
「なあ、これらの素材って…」
「ああ、ドラゴンの鱗だ。我々は定期的に鱗が生え変わるのでな。」
「ほとんど人形なのに?」
「週一ペースで変身しないと感覚が鈍るし、いざって時に鱗がボロボロでは意味がないからな。」
「あれ?リョウタロウさんたち、ここにいたんですね。」
と、コリンナが来た。
「そっちこそ、なんでここに?」
「鍛冶屋の血がここはすごいって言ってきたので。」
「さすがドワーフだな。たしかにここはすごいぞ?おーい居るかー?」
すると奥から1人の男が出てきてお辞儀した。
「彼がここの店主だ。昔の事故で声が出せないが、腕はたしかだ。」
「たしかに、品物がどれも素晴らしいですね。」
コリンナの目が輝いている。
まだまだ子供なのかもしれないな。
「それでだ。リョウタロウ君には小手を作ってもらったんだ。」
「サイズもわからないのに?」
「今から合わせるんだ。彼に手を見せてやってくれ。」
「あ、はい。お願いします。」
彼は俺の手を少し触り、みて、確認が済むと、お辞儀をして奥に戻っていった。
「今のだけで?」
「まあな。それだけ腕がいいてことだよ。あと、彼の名前だが、恥ずかしがりでな。出さないでくれと頼まれてるんだ。」
「それは構わないですけど。」
少し後、店主が小手を持ってきた。
それは拳から腕の方までそれ一つで包めるものだった。
今までは拳のためのグローブと腕当てを別々につけていたがこれならその必要はない。
デザインは派手過ぎず、少し鱗の部分が刺々しい程度で簡素な感じだが、はめてみると、王都で売ってるものと明らかに違うのがわかった。
「軽いな。鱗の割に。」
「だが硬さはかなりのものだぞ?そんじょそこらのモンスターが噛めばたちまちそいつの牙が砕けるほどにな。」
「だが、サヴズのものはもっと硬かった気がするが。」
「我々の鱗は魔力を流して硬化するんだ。君のその剣もそうだろう?」
試しにやってみるとたしかに硬くなった気がする。
「コリンナ、お前の目から見て、どうだ?」
「こんなもの見たことないですし、私が竜の鱗をもらってもここまでのものはできないです。」
相変わらず目が輝いていて、圧がすごい。
「そ、そうか。ありがとうな。こんないいもの。」
「いいさ。鱗ならまだまだたらふくあるからな。」
そんなわけで俺は新しい小手を手に入れた。
見た目以上に軽く、硬い素晴らしいものを。
これで素手での戦闘でも十分に相手にマウントを取れる。
早く使ってみたいな〜
そんなこんなでみんなと合流し、城に戻った。すると
「よく帰ったな、待っていたぞ。あ・な・た?」
クッソ。こいつのことすっかり忘れてたぜ。
次回、危険!ドラゴン娘の進撃!




