復興
ちょっと長いです。
前回のあらすじ
ドラゴンの腹のなかは臭い
あ〜だるい
現在、療養中につきベッドに文字どうり釘付け中
カルメン曰く、
「右足はくっついてるけど、無理したら取れるから絶対に起きちゃダメ。あとほぼ全身酸性の液体あびたんだから包帯も取っちゃダメね。」
だそうで、運び込まれた時はかなりやばかったらしい。
この歳になって一寸法師に敬意を表することになるとは。きっと彼は見かけによらず、強靭な肉体を持っていたに違いない。
右足が繋がっていたのも幸運だった。
しかしずっっっっっとベッドで寝たきりというのもつまらないものだ。
目覚めて一週間が経つが、四日目あたりで上半身を起こせるようになったのはいいんだが、やることがない。
目覚めた時にみんなが見舞いに来たのだが、酷かった。
特にディアナ。
俺を見るなり謝罪しながら泣くわ泣くわで大騒ぎ。
なだめるのに苦労した。
ロボルから聞いたが、みんなかなりびっくりしたらしい。実際あいつの首があそこまで伸びるとは俺自身思ってなかったしね。
それ以降はみんなが交代でお見舞いに来るようになった。
体が動かせないので飯を来たやつに食わせてもらうのだが、あれすっごい恥ずかしいね。
前世では女子にこういうことされることに無縁だったから余計に。
今じゃ上体を起こせるから自分で食えるが、食えない時の恥ずかしさったらありゃしない。
と、そんなことを考えてる間にカルメンが来た。
おそらくそろそろ出ていっていい時期のはずだしね。
「んじゃ、体見るわよ。」
「はいはい」
「ふーん、だいぶ回復したみたいね。一回起き上がってみましょうか。」
「ああ」
長らく立っていなかったせいもあって少しいずいが、なんとか立てた。
「どう?」
「まだ右足が少し痛むが、歩けなくもないな。」
「そう、それくらいなら問題ないわ。帰っていいわよ。」
「世話になったな。」
「こっちこそ、お陰でこの国も救われたし。もっとも、あなたのことはあんまり周知されてないみたいだけど。」
「その方がいい。目立たない方が好きだしな。」
「一人で大丈夫?」
「なんとかな」
「はあ、待ってなさい。エヴリーヌお嬢様達呼んでくる。その間に準備しておきなさい。」
「ああ、すままい。」
これでこの教会ともおさらばだ。
周りにはまだ寝込んでる人が数人いる。
実際、俺よりも酷い人も結構いた。
それだけ被害が大きかったのだろう。
しかし、今、国中はお祭り騒ぎだ。なんたって存亡の危機を脱したのだからな。なんでも祝日もできたらしい。
ま、俺がしたことを知る人は少ないし、祭り上げられなくて本当に良かった。
壊れた建造物は随時建て直されていて、すぐに復興できるとのこと。
実際日本より立ち直るのが早い。
まあ、魔法の存在も大きいのだろう。
俺の装備だが、あの刀以外、全てダメになった。
ナイフ、短剣、アンカー、防具。
それだけ奴の胃酸が強かったのだろう。
じゃあなんで俺は解けなかったのかというと、正直わからない。
とりあえず、あの声の主のおかげということにしている。
しかし、全て新調するとなると結構な出費だな。コリンナに作ってもらえるとはいえ、全部任せるのは流石にキツイだろうし。
とりあえずの課題だな。
そんなこんなで一時間ほど経ってカルメンとみんなが来た。
「あれ?エヴは?」
「それが、用事で王城に、リョウタロウも来いってさ。」
「この状態でか?」
「ああ、なんでもかなり重要なことらしい。」
あいつの重要はあてにならないからな。きっと厄介ごとに違いない。
「サボっちゃダメか?」
「引きずってでも連れて来いだそうだ。」
「チッ。」
「つべこべ言わずに行きなさい。王女の命令よ?」
「俺の本能が行くなっていってるんだけどな〜」
結局、来てしまった。
現在、王城の正門前の広場。
というか、この体じゃ抵抗できないし。
そして正装のエヴが来た。
「一体なんの用だ?」
「ドラゴン族の王族が来るんだ。」
「なんで俺が出なきゃならない。」
「あのドラゴンを倒したのは実質リョウタロウじゃないか。」
「それとこれとは関係ねえ。」
「来たぞ」
「おい人の話を聞け。」
エヴの言ったとうり、遠くの方からドラゴンが1匹やってきた。その背には明らかに偉そうな人?が乗っている。
どうやら国民には事前に通告していたらしく、街の方からは騒ぎの音は聞こえない。
って、知らんかったの俺だけかい。
そのドラゴンは着陸すると、たちまち小さくなり、人の形になった。
人といっても、ツノとシッポが見えているので一目瞭然だが、どうやらお付きの人だったらしい。
「ようこそ、竜王陛下。」
王様の一言で、人とドラゴンの会合が始まった。
「この度は、誠に申し訳ない。」
「会議室的なところでまず、竜王が頭を下げる。」
「一体なぜ、彼が我が国へきたのでしょうか。」
見たところ竜王の方がえらいっぽいな。
「奴は、北の山脈の中に封じていたのですが、何者かが、封印を解いたらしく。」
「何者かとは。」
「私たちの見解では、黒魔石を配っている者たちの仕業ではないかと睨んでいる。」
「たしかに、このようなことをして、得があるのは彼らくらいしかいません。父上。」
「うむ。そうじゃな。しかし、ドラゴン族の封印を破るとは、それほどまでの力を持っているということか。」
「我々も調査を続けてはいるのだが、一向に有力な情報が得られずに、手をこまねいているところです。」
「むう…しかし今回の件は予想よりもかなり被害を抑えられたので、良かったということにしましょう。黒魔石については、またの機会に。」
「そう言っていただけるとこちらも助かる。して、エヴリーヌお嬢、そこの彼が、手紙にあった?」
「はい、私の仲間のリョウタロウという者です。」
「この度は君にも多くの苦労をかけた。すまなかった。」
「い、いえ。あれは偶然というか、奇跡にも近いことでしたし。」
「おい、エヴ、俺のこと教えたのか?腹のなかで暴れたって。(ヒソヒソ)」
「仕方なかったのだ。こういう物には功績者の名前もあげるのがしきたりという物なんだ。(ヒソヒソ)」
「そこでだ、リョウタロウくん。」
「はい。」
「娘が君に興味を持ってね。先の戦いでの謝礼も含めて、我々の街にきてはくれないだろうか。」
「はい?」
「なに、送迎は安心したまえ。ドラゴンの背中に乗ればひとっ飛びだからな。せっかくだし、仲間も一緒にどうだろうか。」
その場の全員がこっちを向く。
うそーん
次回、ドラゴン娘にご用心!




