初戦闘
長いよ。500文字くらい
前回のあらすじ
あるー日、森の中、ゴブリンに、出会った。
さて、どうする?助けるか否か。俺の中ではどっちかっていうと助けない派。
何故って?だって今の俺盗賊で暗殺者で無頼漢よ?そんな奴が人助けなんてするかっての。
でも今に関しちゃ助けてもいいかも、理由はいくつかある。
一つ目、自分の戦闘力を知りたい。
二つ目、あの人に借りを作って、それを情報で返してもらう。
三つ目、街の門にはこういう場合門番がいる。その検問を通るためにあの人たちを使いたい。
四つ目、街に入った後も融通を利かせてくれると非常に助かる。
うーん。ここは助けておくかあ。
そうと決まれば、敵の情報を収集っと、どれどれ?
「ゴブリン レベル7」x3
「ゴブリン レベル8」x3
「ゴブリンリーダー レベル10」
結構キツくね?レベル結構高めやんあいつだけかと思ったら上がいたわ。それに何?リーダーって。レベル俺の5倍あるやん。勝てなくね?
いや勝てなくもないんだよなぁ〜。実際この世界にはHPというものが存在しない。つまり致命傷を与えれば死ぬ。HPミリ残しで反撃くらうこともない。そう考えると攻略できなくもない。というかやり方次第じゃあ楽勝。
「殺るか」
まずは頭を潰す。集団戦闘において指揮官狙うのは基本中の基本。だが手こずってはいけない。確実に一手、いや、二手で仕留めなきゃならない。そのためにも今あるスキルを最大限に活用する。まず隠密で相手の後ろにつく。幸いにも手下達は物資を漁るので4匹は武装解除状態、2匹は手に棍棒を持っているがリーダーの方は向いていない。ので、俺はまずリーダーから15メートルくらい後方に位置。隠密レベル1じゃ接近できても10メートルが限度と俺の本能が言ってる。じゃああとの5メートルはなんだって?もちろん「助走」のために決まってんじゃん。自分のマックススピードはさっき知った。あの勢いなら10メートルを踏み切り含め、二歩で詰めれる。だが踏み切りからマックススピードが出るわけじゃないそれを考慮しての5メートル。腰の二本のナイフを右は順手で左は逆手で持つ。リーダーの真後ろというより少し左側に飛んでいくように位置どり。クラウチングスタートの体制に入って呼吸を整える。こっから先はかなり早い展開が予想されるので覚悟を決める。
「よし。」
息を吸って、思いっきり地面を蹴る。
まず一歩で約2メートル進む、
次の一歩で速度を上げる、
次の一歩でリーダーまで約5メートル、
そして最後の一歩で一気に飛ぶ。
リーダーは最後の一歩でこちらに感ずいたのか左に振り返り始める。
(ありがとさん。)
リーダーが左に振り返ってくれたのでここまでは順調。
残り3メートル、リーダーの左目が見え始める。
残り2メートル、リーダーの右目が見え始める。
残り1.5メートル、こちらを認識したリーダーが慌てて臨戦体制に入り始める。
残り1メートル、リーダーは振り返りながら棍棒を振りかぶり始める
だが、もう遅い。
残り40センチ、リーダーは棍棒を振りかぶり終わった。が俺は既に右手のナイフを突き出し始めてる。狙うは首元、デカイ血管が通ってるところ。
「ギシャア!?」
残り0センチ、リーダーの首元に俺のナイフが鍔のところまで刺さる、リーダーの身長は約150センチ程度なので首も対して太くない。よって、俺の右のナイフの先端が首の後ろから見えてる筈。だが、それで安心するのはアマチュア。何故ならこいつはまだ死んでない。まだ棍棒を振り下ろそうとしている。
でも遅い。
棍棒が半分ほど振り下ろされた時にはもう俺は次の行動に移ってる。地面についた左足を軸に反時計回りに、右のナイフを抜きながら回る。棍棒がさっき俺のいたところに来たあたりで左のナイフを振り下ろされる前まで見えなかった右の首元めがけ切りつける。
手応えがあったので当たったのだろう。そのまま一回転して向き直ると首から大量の赤い血を流しながら倒れるリーダーがそこにあった。
すぐに振り返ると、警戒状態の2匹が飛び掛かって来ていた。
まだ、遅い。
その下を通るついでに左の奴の首元に左のナイフで一閃。浅いようにも感じたが当たっただけで十分。左のナイフを順手に持ちかえ、すぐさま向き直り、振り返りざまの2匹の顎に下からナイフを叩き込みすぐに抜く。何故ならそろそろ物資を漁ってた4匹が来ると思ったからだ。
しかしそんなことはなく、4匹は棍棒こそ抜いているものの何やら話し合っていた。
大方、作戦会議なんだろうが、その隙に一息つく。すると4匹は前衛2匹、後衛2匹の四角を作って突っ込んで来た。きっとさっきのを見て前の2匹を躱したところを後ろの2匹で仕留める寸法だろう。悪くは無いが、躱すことを前提に作戦を立てたのが間違いだ。
俺は左足でしゃがみながら右足を後ろへ伸ばし、さっきやった1匹に引っ掛けそのまま蹴り抜く。その死体は一直線に前衛2匹に飛んでいき、後衛2匹を巻き込みながら倒れた。
その隙を逃すほど俺も善人じゃない。蹴り抜くと同時に前方へジャンプし、両手のナイフを逆手に持ち替えて前衛2匹の頭めがけて振り下ろす。
最初はナイフが頭蓋骨に負けるかと思ったが、二本のナイフはまるでキャベツか白菜に包丁を突き立てるような感じで刺さった。少し驚いたが、まだ戦闘は終わってないので、ナイフを抜き、バク転を三回ほど繰り返し距離をとる。まだ後衛の2匹は生きているので油断は出来ない。前衛の死体から這い出で来た後衛2匹は意外にも逃走を選んだ。敵前逃亡は兵士としてあるまじき行為だが絶対に敵わない敵と会敵した際はそれもまた一つの戦術であると思う。
追いかければ余裕で追いつき、トドメをさせるが、初戦闘の緊張もあってか、追撃する気にはならなかった。
「ふぅぅぅ…」
長めのため息をついた俺はナイフの血を払い、鞘に収めた。
うん初戦闘にしては百点満点じゃね?あの戦力をわずか1分足らずで仕留めたんだし。今夜は赤飯かな?ハハハハハッ
なんて思っていると会心の一撃を食らったおっさんが起き上がって来ていた。
「あなたは一体…」
…まずい、これからこの人の相手しなきゃならんのか。
面倒クセ〜。
主人公のナイフはゲームでいうところの中盤から終盤手前まで使えるくらいの代物で結構どころかこのレベル帯じゃマジヤベー。
でもステータスはしっかり弱い(俊敏意外
耐久は中学生レベルと思っていただいて構わない。