隣町
前回のあらすじ
平和な休日なんてなかった
隣町と言っても、町に名前はない
というのも、王都であるのは変わりないからだ。
ただ、直接接していないだけで、王都なのだ。
わかりやすくいうと分身みたいなものだ。
中は基本的に貴族の実家とかの密集地でエヴの実家もここにある。
そして俺たちはその実家の前にいるのだが…
「デ、デケェ…」
「王城よりは小さいだろう?」
「エヴリーヌさんって本当に王族なんですね…」
「疑ってたのか!?」
「王族にしては少し無鉄砲というか、なんというか。」
「そ、そうなのか…」
「バレなくていいんじゃないの?」
「それもそうなのだが…ってこの話題はやめだ!中に案内しよう。」
見た目はまさしく宮殿そのもの。歴史の教科書に出てきそう。
中に入ると執事と思われる爺さんが待っていた。
「おかえりなさいませ、お嬢様。」
「うむ、ただいまだ爺や。早速みんなを母上に紹介したいのは山々なのだが、とりあえずはみんなを部屋に案内してくれ。私は先に母上に挨拶してくる。」
「承知いたしました」
「ではみんな、また後でな。」
そう言ってエヴは奥へ行ってしまった。
「皆さまお初にお目にかかります。この屋敷の執事を勤めております、アルカジー イーゴリと申します。以後お見知り置きを。これから皆さまを部屋へご案内しますので、ついてきてください。」
これがリアル爺やか…貫禄がすごいな。
きっと只者じゃあるまい。
部屋は一人1つずつでめちゃ豪華。
むしろ使いずらいわ。心が休まらないわ。
あのロボルでさえ座る場所を気にしている。
数分後、爺やが皆を呼び、夕食会場へ通されるとすでに王族モードのエヴが待っていた。
ちなみに、家を出発したのが午前中なのだが、ここまで結構な距離があるので、移動で1日使ってしまった。
「みんな来たか。」
「エヴお姉ちゃん綺麗!」
「ふふん。いいぞオレール、もっと褒めてくれ。」
「人の弟に何させてんだか。」
「リョウタロウの反応が薄いからな。」
「俺はあまり派手派手しいのは苦手でね。」
「むう…そうなのか…」
そんな話をしていると奥から一人の女性が入ってきた。
「あらあら、何やら楽しそうね。」
その女性がおそらくエヴの母親、つまりこの国の女王なのだろう。一際美人でエヴよりも装飾の多い服に身を包んでいる。印象としては仏って感じ。何しても許してくれそう的な。あと母性がすごい。これぞ母親って感じ。
「母上、前々から話していたみんなだ。」
「はじめまして、エヴリーヌの母のルイーズ アリスター マリルーです。」
エヴの美人はここからだな。
その場の全員が思っただろう。
性格は違うけどね。
その後はエヴとルイーズさんの会話がほとんどで、他は喋るに喋れなかった。夕食を終え、部屋へ戻ると、エヴが訪ねてきた。
「時間、あるか?」
「あるけど何?」
「母上が個人的に会いたいそうだ。」
やめてくれ〜精神がもたない。
そうしてエヴに連れられてルイーズさんの部屋の前についた。
…長かった。
「私はここで待ってるからな。」
「はいよ」
てか一体何を話したいのさ。
あー胃が痛い。
「し、失礼します。」
「そこにおかけになって。」
「は、はい。それで何用でしょうか。」
「あなたにお礼を言いたくてね」
「はい?」
「あの子の面倒を見てくれてるのでしょう?」
「ま、まあ。(正確には見させられてるが正解だけどね)」
「あの子、夫に似てやんちゃだから、大変でしょう?」
「似て。というよりは超えてますけどね。」
「ふふふ。そうね。だからこれからも迷惑かけると思うけど、よろしくね。」
「いやって言ったら?」
「あの子に通じると思って?」
「いえ、残念ながら。」
「でしょ?だから。よろしくね。」
「はいはい。で、それだけですか?」
「あら、美人と個室で二人きりなのに、そっけないわね。」
「人妻に手を出す趣味はないので。」
「あらあら。将来浮気はしなさそうね。」
「からかってるんですか?」
「どうかしら。ふふふ。」
あーこの人キーラさんと同じタイプの人間だ。
「失礼しました」
「で?どんな話をしたんだ?」
「お前がめんどくせえって話」
「本当か?」
「七割な。」
「むう…」
その夜
「はあ…ベッドの格が違いすぎて眠れねー」




