異種族
短め
前回のあらすじ
ゴブリン、多い。
「お、戻ってきたか。」
「怪我人は?」
「大丈夫だ。命に関わるような人はいなかったよ。」
「ん。なら帰るぞ。」
「あんたたち。助けてくれてありがとう。お陰で彼女も取り戻せた。」
エルフのリーダーのような人がそう言って、馬車のほうを見る。
中にはさっき攫われたエルフがまだ眠っている。
「まぁ、俺たちも依頼を終えて、王都に戻るところだったからな。気にするな。」
てか、気にされるとまた面倒ごとが増えるので気にするんじゃねえ。
彼らは少し離れたところの村の人で、その村とエルフの里が近くに存在するので、昔から、お互いに助け合っているらしい。今回はその村の作物を王都に出荷するのが目的だったそうで、その護衛にエルフたちが、ついたらしいが、弓矢ばかりで、近接戦闘ができるものが少なかった。もともとエルフは木の上から弓矢や魔法で戦ったりする種族で、地上戦はあまり得意ではなかったらしい。しかも今回はゴブリンたちの作戦にまんまとはまったこともあり、結果、あの状態になってしまったそうだ。
正直俺が単身だったら、無視してたかもしれないが、エヴリーヌがなぁ。こういう時マジでパーティ組んで失敗だったと思う。いや。これが普通なんだけどさ。
そのエヴリーヌはというと、初めて見るエルフに興味深々でエルフの人と楽しそうに話してる。
そんなこんなで、王都まで戻ってきた。
彼らはこれから組合に行くのだが、ギルドへの道の途中にあるので、エヴリーヌがついていきたいと言い出した。チッ、ギルドより遠ければ。
そんなことを考えていると、何やら色々聞こえてくる。具体的にいうと、エルフに対する批判的な声。
どうやらここでは異種族に対する態度があまり良くないらしい。
「どうしてこんなに色々いわれるんだ?」
「私たち人間以外の種族はどちらかというと魔物よりでね。別に魔王に加担してるわけではないのだが、能力的にな。」
人間離れしているから、か。まあこれも人間の性だからな〜。
組合について、物を収める手続きをする。
中身は主に農作物だ。見たことあるものから、知らないものまで多種多彩だ。
彼らはこの後、2、3日滞在して、王都で物を買ってから帰るのだとか。
そこで俺たちは別れて、ギルドへ向かった。
「これでいいか?」
「はい。たしかに。ゴブリンの討伐依頼の完了を確認しました。お疲れ様でした。こちらが報酬になります。」
報酬は100シルバー。ランクもカッパーの1まで飛び級した。まぁこんなもんだろう。
「じゃあ帰るぞ。」
「そうだな。カミラはもう戻ってるかな?」
帰り道、今日の戦闘について軽く話して、子鹿亭に戻ってきた。
ドアはまだだが、テーブルと椅子は元どおりになっていた。
カミラさんも元気そうだし。これでとりあえず、宿は元どおりってとこ。
晩飯はハンバーグだった。
あるんだね、ひき肉。
とか思いながら、さっと食べて、部屋に戻る。シャワーを浴びて着替えて、ベッドに倒れこむ。服は昨日おとといの夜からあらった。この世界にきた時のもの。
明日は日用品の買い出しだな。服もこの2つを着回すのは気が乗らない。下着も変えたいし。
朝こっ早く起こされたのですぐに眠くなる。
出来る限りエヴリーヌとは縁を早く切ったほうがいいとつくづく思う。
悪党を目指すのにあんなに愛国心と慈愛に満ちたやつと一緒じゃ無理だからな。
明日は起こしてくれるなよ
フリじゃないからなおい!




