体育祭?
前回のあらすじ
仕事が山積みー!
俺たちが学校の先生になって少し経った。
お陰で割と打ち解けた。と、思うけど、正直分からない。
湊人は基本職員室で書類仕事やってるからみんなの前にはあまり出ない。
そして、朝の会議で話題が出たが、体育祭的なものがあるらしい。
といっても、体育祭なんて生優しい物ではない。
まず、競技科目は3つ。
1つが、学校対抗の剣術の大会。
2つ目は、学校対抗の魔術の大会。
この2つは校内でのチーム戦だ。
最後が、学校対抗の先生による武闘会だ。
てかここらへんの貴族の学校全部でって結構大規模だな。
まあ学年別に分かれてるけども。
つまりは普通の現世の学校の体育祭を4日ほどやると言うことだ。
しかし、まず普通の生徒は勝てない
理由は簡単。
その道を極めた奴が大会に出てくるからだ。
優勝すれば家としても名前が上がる。
しかし、上位層は大体決まっている。
簡単な話、その道に如何に課金するかしないかの違いだ。
ただ学校で剣術や魔術を習った程度じゃ太刀打ちできない。
そして、最後の先生の武闘会。
学校から1人先生を選んで出す大会だ。
割となんでもありの武闘会だ。
まあ、これはおそらく俺か湊人が出ることになるだろう。
理由?ほかの先生の実力がねー。
そして、なぜかその選手をうちのクラスから出すことになった。
これが洗礼ってやつなのかねー。
「つーわけで、うちのクラスも頑張ろーってことなんだけど、やる気なさそうだねー。」
みんな暗い顔をしている。
「だって、出たところで勝つ見込みないですもん。」
ちょっと天然枠の男子のロベルトが言った。
みんなもそれに同意している。
だが、でるからには勝ってほしいし…
「じゃあ全員一回戦突破を目指そうや。」
「無理です。他のクラスの奴らに勝てるのは剣術ではジェイかマレクあたりだけです。魔術はバゼーヌが行けるかいけないか…」
メガネクール君のヒューが言う。
これは勝たせるのは難しそうだな。
とりあえずその日はそのまま流した。
その日の放課後、他のクラスの偵察に行くと、すでに放課後に練習しているところがチラホラとある。
やはり家で習っている奴は動きが違う。
俺が稽古つけて、どこまで行けるか…
うし!やってみるか!
翌日
「お前らー校外授業やるぞー!」
『え?』
「内容は外の農家の田んぼの田植えの手伝いだー!行くぞー!」
『えー!?』
そう言って全員田植えに駆り出した。
みんなの剣術の腕は知っている。
魔術組は別の手伝いをさせるとして、とりあえず足腰が弱い。
剣を腕で振っているのが殆どだ。
そこで校外授業ということで田植えだ。
これを少しの期間やる。
これだけで結構変わるだろう。
さらに、体育の授業を使って剣の振り方を教え、魔術の方は実用的な魔法をいくつか覚えさせ、さらに魔力量の底上げをする。
しかし、二週間でみんなが折れ始めた。
そもそも体育祭に興味がないのだろう。
「先生、いつまでこんなことを?」
委員長のアフレアが言う。
「そんなに嫌か?大会。」
みんな頷く。
仕方ない奥の手だ。
「わかった。優勝した奴にはなんでも1つ先生の秘密を教えてやる。なんでもだ。ここに来る前のことでもいい。どうだ?やる気出たか?」
一部がやる気を取り戻す中、それ以外はまだ出ていないようだ。
「先生だって出るんだ。みんなも頑張ってもらわないと不公平だろ。」
「でも、勝てっこ無いですって。」
「んなもん俺が勝たせてやる。心配すんなって。」
みんなの目は疑いに満ちているが、なんとかするしかない。
まず、ちょいと調べた情報だが、大会に出る大半の奴は大したことない。
1、2、3回戦あたりは遊びのいいところだ。
だからこいつらがその気になれば1回戦突破は難しくない。
よほどのやつと当たらない限りね。
さらに、体育の時間に階段を走らせたりもした。
そうこうしてる間にあっという間に体育祭の日が来た。
ここまで色々やった。
特定の奴には特別授業だってやった。
時間外手当てでないのに。
体育祭は計4日半。
1日目は一年、2日目は2年、3日目が3年の大会で、4日目が先生方による代表戦、最終日に表彰式。
うちのクラスは2年なので、初日と3日目は休みだ。
剣術の方の監督は俺、魔術は湊人がする。
トレーニング開始から約5週間。
あいつらはかなり成長しているはずだ。
さらに、ちょっとした小技も教えておいた。
あとはみんな次第かなー。
そういえば、魔王側に来てから結構経った。
みんなは元気にしてるだろうか。
なかなか帰れないのが申し訳ないが、いつかは帰ってみせる。
案外翔とかおやっさんと飲み仲間になってたりしてな。
魔王軍の大規模侵攻もあるし、できればそれまでに帰りたいな。
次回、2年の部!
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@kisame_novelist
最近日中の疲れか、起きていられない…
なんとかペースを戻さねば…