アリスターリターンズ
第100話に翔の剣のイメージ画像を載せました!
次は翔の第二の剣を載せる予定です。
前回のあらすじ
特攻の成功例
夜が明けて、僕らはアリスターを出た。
そこから和の街までとぼとぼ歩いていた。
しばらく歩くと、向こうからアンス、勇麟、由美華、織さん、が来た。
ちょうど抜け出したのがバレたらしい。
「2人とも…何を…」
「掃除はすんだ。もう大丈夫だろう。」
正直ふらふらだ。
僕が精神干渉を乗り切ってる間、翔は1人で耐えていたから、余計に疲れている。
「とりあえず帰って、街の人たちに伝えないと。それと、僕ら、少し休ませて貰えるかな。ハハ。」
倒れそうになったところを織さんに支えられる。
「ええ、ゆっくりお休みになって下さい。」
翔もついに倒れたところを勇麟におんぶされる。
「かっこ悪い。とは言えねぇな。これは。」
「ちと、無理しすぎたかもな…」
それからなんとかして神社まで戻った。
みんなにアリスターを取り戻したことを伝えた。
エヴリーヌは感謝していたけど、彼女にはまだ時間がいる。
「コリンナ、悪いな。剣壊しちゃって。」
「いえ。むしろ、翔さんをしっかり守ることが出来て、嬉しいです。それに、私もまだまだ鍛錬が足りないので!新しい方の手入れも、しっかり努めさせていただきます!」
そう言って、コリンナは翔から新しくなった剣を受け取る。
前回の剣は直線的だったが、今度のは流線的で、少し細い。
僕と翔は、布団に横になるとすぐに眠ってしまった。
次に目が覚めたのは夕方だった。
というのも、お腹が空いたからだ。
起きて、ご飯を食べる。
稲美さんもお辰さんも回復したようで何よりだ。
だからといって、もう一度眠ろうとしたときに布団に一緒に入るのはどうかと思うけど。
とにかく、アリスターが取り戻せたことで、人々も元気になり始めたらしい。
明後日にはアリスターを見に行くらしい。
そして、伝書鳩からの報告で、明後日には援軍がつくらしい。
その日にアリスターの偵察部隊を出すらしい。
一応念のためとのことだ。
そして、アリスターに戻ったら、亡くなった人たちの葬式だ。
国全体で行う。
しかし、問題がある。
国王が亡くなったため、必然的にエヴが次期国王になる。
生き残った大臣たちや、フベルトもエヴと色々話をするようだ。
ただ、まだエヴは心の傷が癒えていない。
そこが1番心配だ。
とにかく、僕は早く回復して、けが人の治療を手伝わないと。
夢の中で、翔と姐さん、玉さんとまた会議が開かれた。
「まず、お疲れ様ってことでいいのか?」
「そうなるね。しかし、根性だけであそこまでやるとは思わなかったよ。」
そう言って姐さんが翔の頭をわしわし撫でる。
「やめろ!子供じゃないんだから。それより、あの時はなんとなくでやっちまったけど、剣を造っちまったわけだけど、アレなんなんだ?」
「アレは、錬成だな。特定の素材から何かを魔術を使って作るやつで、錬金術とかの系統にはいる。まあ、魔法版の料理ってところかな。色々な素材を魔力という火で調理する感じ?」
「は、はあ。でも、もともとの素材の爪は跡形も無かったのに、大丈夫だったな。」
「まあ、もともとはあたしの爪だからね。涼太郎や湊人、空成も似たようなことは出来るはずだよ。もっとも、空成のその素材の石は、そのままの方が良いだろうけどね。」
そう言って姐さんは僕の胸のあたりに首から下げている玉さんの魔石を指差す。
「そういえば、空成は大丈夫だったのか?精神干渉のとき。」
「うん。大丈夫。それに、それを乗り越えたからか、前より力が苦しくないんだ。」
玉さんの方を見る。
すると、ため息と共に話し始めた。
「ほんとに心配したんですからね!一時はどうなるかと。とにかく、これで暴走の心配は無くなりました。しかし、使い過ぎは毒ですからね!」
「つまりは前みたいに巨大化できるわけだ。」
「あー、あれな、お前も出来るぞ?」
姐さんが片手で湯呑みに入ったお茶をクビっと飲んでから言った。
「え?俺も?」
「そうさ。お前もその気になれば全盛期のあたりの姿を借りれる。あたしの全盛期といえば、空成のあのときに匹敵するくらいのサイズでな?あ、でもまだ使ったらダメだぞ?空成より相性が良くないんだから。」
「もっと訓練を重ねろってことか。しかし、あの状態になると、どうなるんだ?」
「そうだね、知っておきたいことではあるよね。」
玉さんがお茶を一口飲んでから答える。
「あれは、いわば制限の解除、空成様たちの言葉をかりるなら、おーばーふろー?というやつでしょうかね。その分反動はとてつもないですが、少なくとも、アリスターくらいの規模なら3時間かからずに潰せますかね。単純な耐久力の上昇、術の広範囲化、強化など、様々です。」
アリスターを3時間以内に滅ぼせる形態…できれば使いたくは無いな…
「ま、お前ら2人にはまだまだ早い。今は傷を癒し、鍛錬に集中出来る環境を作ることが先だな。」
そんなところで夢が覚めた。
次回、新しい女王
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