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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
また離れて、再開を目指す
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男2人の特攻

前回のあらすじ

暴走上等、やってやらぁー。




次の日、俺たちは街で看病の手伝いをした。

かなりの量の怪我人だ。

被害は計り知れない。

烏天狗たちの本部の訓練場もいっぱいだった。

そして、看病やら手伝いで奔走するうちに、すっかり日が暮れ、また夜が来た。

みんなが寝静まったころ。

空成と街を抜け出した。


しばらくして、アリスターが見えてきた。

外見は襲撃前とさほど変わらないように見える。

たが、中からかなりの数の魔力の反応がある。

とりあえず、門の上に登る。

登り方?

土で足場を作るのさ。

登って見て言葉を失った。

街の建物はどこも壊されていて、人々のいるべき道にはヨームが闊歩している。

「…多いな…」

「そうだね。計り知れない数だ。でも、やらなくちゃ。」

そうして、アリスターの王城に目をやる。

あそこから一際大きな反応がある。

「勇麟の話だと、数こそ多いが、中身は大したことないらしい。」

「みたいだね。そこらの山賊よりも弱いのもいる。でも、ほぼ1つの国の全員ほどの数のだ。一体一体相手出来ない。」

「やっぱり、王城にいる頭抑えるのがベストか。」

「ねえ、翔。」

空成を見ると、少し複雑な表情をしていた。

「もし、また僕が…暴走したら…」

「安心しろ。首までと言わず全身埋めてやる。」

「うん。ありがとう。」

そして俺たちは、敵だらけの街に飛び込んだ。


降り立ったそばから襲ってくる。

俺は合体剣でひたすら敵を斬り進む。

空成も、炎で吹き飛ばしながら進む。

「確かに、数こそ多いが、ほぼ一撃だな!」

剣で斬ったそばから溶けて消えていく。

「無双ゲーしてる気分になるね。でも、おちおち楽しんでられないよ!伏せて!」

そう言われて伏せると、頭上を爆炎が走り、道が開けた。

「熱いって!伏せるじゃなくて避けるが正解だろ!」

「文句言う暇あったら走る!もう退路なんてないんだからね!」

後ろに目をやると、すでにヨームで塞がっている。

俺たちは斬り、進み、燃やし、進みを繰り返して、ようやく王城の前までたどり着いた。

正面の門から入り、閉めた後、岩石で塞ぐ。

やっと一息つけるところまで来た。

「ハァ…ハァ…なんとか、ついたな。」

「そうだね…こんなに走ったの…久しぶり…」

それから少し休み、奥へ進む。

謁見の間の扉の前にまたヨームがいた。

しかし、今度のはちゃんとした奴のようだ。

だが、ここまで来たら大した敵ではない。

空成の炎で一瞬動きを止め、俺が剣で叩っ斬る。

そしてついに謁見の間の前まできた。

ここまでで3時間は経っている。

そして俺たちは、1番の魔力反応のする謁見の間に入った。


すると、奥の玉座に1人の男が座っていた。

「おや、中々早かったじゃないか。」

男がそう言うと、空成が火球を飛ばす。

男は手でそれを払った。

「礼儀ってものを知らないのか?お前たちは。」

「知ってるけど、尽くす相手を選ぶだけさ。」

空成が食い気味に言い返す。

男は立ち上がった。

「そうか。なら、選ばせるまでだ。」

「空成!バックアップ頼むぞ!」

「うん!」

俺は剣を構え、突進する。

剣を振り下ろすが、男は軽々と避ける。

テンポを合わせ、空成の妖術とで畳み掛ける。

しかし、一瞬の隙を突かれ、吹っ飛ばされる。

それをカバーするように空成が火柱で男を包む。

立て直したおれはその火柱ごと男を切り裂く。

しかし、男はすでにおらず、空成の元まで殴り飛ばされた。

やはり、只者じゃない。

「中々やるじゃないか。だが、まだ甘いな。」 

空成の魔法で少し回復し、立ち上がる。

「それに、そんな状態で来るとは、愚かだな。」

そう言って男は空成に向かって手をかざした。

すると、空成が苦しみ出した。

「ぐっ…ぐぁぁぁぁ!」。

不味いと判断し、空成を気絶させ、岩石で閉じ込め、中で休ませる。

これで簡単には手出しできないはずだ。

「ほう、いい判断だ。」

「テメェ、何しやがった。」

「なに、少し手伝ってやっただけさ。せっかくの力を受け入れられるようにな。」

なんとなくわかった。

こいつは空成の力を暴走させようとした。

だけど、あいつはそう簡単に折れはしない。

今は信じて待つしかない。

問題は、それまで俺1人でこいつをどうにかしなきゃならないってことだ。

「余計なお世話を!」

剣を分離させ、半獣化して突っ込む。

両方の剣で斬りつけ、合体、分離を繰り返して連撃を叩き込む。

しかし、ことごとく避けられる。

そして、また1発食らってしまった。

鳩尾に的確な正拳突き。

肺の空気が一気に押し出され、膝をついてしまう。

「では、そろそろこちらの番かな。」

すると今度は向こうから来た。

剣で防御するが、かなり押されている。

「どうした?その程度か?」

「こんの!」

カウンターを狙うも、それを返されてしまい、蹴り飛ばされる。

「たった1人で、私に勝てるとでも?ふっ、笑わせる。」

「1人じゃないさ…」

「なに?」

なんとか立ち上がり、剣を合体させる。

「空成だっている。空成の中には玉さんが、なにより、俺の中に、姐さんがいる。それに、この世界のどっかには、親友がまだ2人もいる。十分じゃねえか。」

剣を構え、突進する。

「1人なのは、テメェの方だ!」

剣を振り下ろした瞬間、避けられた。

その後、男は攻撃態勢に入ったのが見え、とっさに剣を盾にする。

次の瞬間、腕にとてつもない衝撃が来て、吹っ飛ばされた。

壁に打ち付けられ、床に倒れてしまった。

手元を見ると、合体剣が砕け散っていた。

「な!?」

「いい剣だが、ここまでだな。」

砕けた剣は、そのまま塵になってしまい、手には柄しかのこっていなかった。









次回、次のステージ


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@kisame_novelist

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