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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
また離れて、再開を目指す
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アリスター陥落

[刀]に挿絵を追加しました!

イメージ画像ってことでね。

ちなみに描いたのは自分です。

前回のあらすじ

普段優しい人ほど怒ると怖い




伝令の報告を受けてからの空成の行動は早かった。

ルナを呼び、転移魔法の準備をしだした。

しかも特大のやつ。

「こちらも援軍を送ろう。先に向かっていなさい。」

ヴァルトル王は部下に指示して、軍の用意をさせた。

「ありがとうございます。あと、向かわせるなら、現地じゃなくて、アリスターより西にある街に送ってください。」

「わかった。」

「翔!出来たよ!」

空成に呼ばれ、魔法陣に入る。

そして、俺たちはとりあえず、家に戻った。

家の前に転移すると、左の方から煙が上がっている。

アリスターだ。

家に入ると、誰もいなかった。

最悪を考えたが、クミナが出て来てくれた。

「みんなは?」

「神社の方に。街に逃げた人たちを迎えてるみたいです。この家は魔法で見つからないようにしてるので、早く。」

さすが座敷童。

家は任せるとして、地下の転移門で神社に飛んだ。

神社に着くと、織と鉢合わせた。

「お二人とも!ご無事で何よりです。ロボルさん達も。とりあえず、皆さんは無事です。」

「織さん、どうなってるのか、説明してくれ…」

と、途中で言葉が切れ、空成は倒れた。

みんなが無事でホッとしたのだろう。

「転移魔法で無理したからか。」

「まずは中へ。説明はそれから。」

中へ入り、空成を布団に寝かせる。

その横にルナも横たわった。

ロボルの全力疾走でも3日半かかる距離を飛んだのだ。

無理もない。

「それで、どうしてこうなったんだ?」

空成が聞きそびれたことを織さんに聞く。

「ええ、私は家にいたのであまりわからなかったのですが、なんでも、祟り…ヨームの軍勢が攻めて来たとか。」

「一体どこから…わかった。それで、被害は?」

「はい。アリスターは捨てるしかなくなりました。というのも、エヴリーヌさんは助かったのですが、その…家族の方が…」

「おやっさん達が!?下の街に収容されてるとかじゃないのか!?」

「はい…その、はじめに火の手が上がったのが王城でしたので…」

「…そうか…とりあえず、織さんも休め結構無理してるだろ?」

「大丈夫ですよ。私は。」

「嘘はダメだ。毛並みでわかる。空成に叱られるの俺かもしれないんだからさ。」

織さんは毛娼妓けじょうろうという種族で、髪の毛で体調とかがわかる。

「わかりました。少し、休みます。」

居間に戻ると、勇麟とキーラがいた。

「翔!戻ったか!」

と、勇麟が抱きついてくる。

「苦しい苦しい。状況は少しだけ織さんから聞いた。とりあえず、各々報告頼めるか?空成は転移魔法で疲労して寝てる。」

と、キーラが前へ出て来た。

「では、私から。家のメンバーの状況を順を追って説明します。」

座布団に座り、話を聞く。

「まず、エヴリーヌ様ですが、家族が安否不明、現在寝込んでおります。そして、ディアナ様は街でけが人の手当てに。コリンナ様はエヴリーヌさんに付き添い。アンス様、オレール様もディアナ様同様街で手当て。カミラ様も、薬を作りに行ってます。ヘルカ様と、イーネス様も同じく。そして、エヴリーヌ様とカミラ様の友人のカルメン様も看病に。私と勇麟様は省きますね。」

と、勇麟が口を挟む。

「あのヨーム?とやりあったが、話ほど強くなかったぞ?ただ、数が多すぎて手に負えなかった。すまん。」

「いいよ。ありがとう。」

「では、続けます。由美華様は烏天狗達を率いて防衛を固めています。文華様は稲美様とお辰様の看病を。」

「ちょっと待て!2人がどうかしたのか!?」

一番頼りになる2人が看病されてると聞かされて驚く。

「避難のために式神を多用しすぎたのです。稲美様は一時的に尻尾が1本まで減ってしまい、部屋で寝ています。」

「そうか…」

家を建てるときにも見たあの式神、燃費が良くないと聞いていたから、よっぽどなのだろう。

「茶子さんは商人達を集めて物資の補給の手伝いをしています。」

「そうか…他には。」

「はい。アリスター近辺の街や村からも避難民が押し寄せており、その関係で、フェリクス様も下の街で手伝いを。そして、フベルト様が重傷を負い、治療中です。その…フベルト様曰く、エヴリーヌ様の家族は、やはり…しかし、伏せるよう言われておりますので、エヴリーヌ様にはくれぐれも…」

「わかった。」

「そして、コルネリアですが…残念ながら…」

「!…そうか…たしか、王宮に戻ってたんだもんな…」

「はい…リョウタロウ様とのお付き合いの長いポール様ですが、奥様がお亡くなりに…また、今回ので、死傷者が多数出ています。」

「…それで、ヨームの軍勢はどっから湧いたんだ?」

「あぁ、それは私が話そう。キーラも疲れただろう?」

と、勇麟が少し座り直して言う。

「ありがとうございます…」

「あいつらだがな。あの帝国から出て来たらしい。」

「な!?帝国から!?どうやって…」

「というのも、生き残りがいたんだが、そいつの話からすると、なんか、国によく分からん旅団がついて、炊き出しをやったらしい。どうやら、それになんか入ってたらしく、数日後に街の人たちが一斉にヨームになっちまったらしい。」

言葉を失った。

「飯に黒魔石を混ぜたか…少量だからきっと強さも大したことなかった。だが、量がバカげてる。」

「キーフトから援軍がつく。なんとか殲滅出来るといいが…」

沈黙。

だれも予想してない事態だ。

それこそ大型地震並みだ。

いや、それ以上だ。

とにかく、元凶はなんとしても殺す。

俺は強く胸に誓った。


次回、アリスターを取り戻せ!


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@kisame_novelist

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