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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
また離れて、再開を目指す
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授業

前回のあらすじ

生徒は2歳下




顔合わせの日は初日ということもあり、その日の授業は別の先生がやってくれて、俺と湊人は見学した。

まあ、中身は普通の高校1年レベルくらいの授業だった。

メイナードさんからは言われてなかったが、なんとこの学校基本午前授業なのだ。

貴族は午後はお稽古で忙しいんだと。

まあ、それはそれで楽だけどさ。

食堂で昼ご飯を済ませて、職員室に戻る。

そこから2時間ほど教科書と向き合う。

中身は高校生1年レベルで、中身もそこまで濃くない。

しかし、この国の教育レベルはここまで上がっているんだな。

あとは魔法、体育、国語の4つだけだ。

国語は言葉遣いだとか、そんなので、道徳に近いかも。

夕方になり、部屋に戻ってきたが、やたらと疲れた気がする。

その日はすんなり眠れた。


翌日、朝、教室に向かうと、何やら“匂う”

というのも、ウベルの力がより使えるようになるにつれ、五感が発達し、特に嗅覚と聴覚が発達したらしい。湊人は視力が上がった。

そのせいか、魔法や、血などの匂いが分かるようになった。

教室の戸の前に来ると、何やら教室の中の戸の上に魔力を感じる。

あれか。

よく扉開けたら黒板消し落ちてくるアレか。

まあ、イタズラか、試練か。

とりあえず受けて立ってみよう。

「おはよう。」

戸を開けると上から水の塊が落ちてきた。

それを妖術で受け止める。

「んー、発想は良いけど、教室汚れるから、場所考えような?」

その塊を窓から外へ投げる。

今日も良い天気だ。

生徒たちは結構驚いてるらしい。

「んじゃ、出席とろうか。」

すると、コンラートが立ち上がった。

お、イタズラの犯人も君だな?さては。

「俺は認めねぇ!リョウタロウとか言ったな?放課後体育館で決闘しろ!」

「コンラート!さすがにそれはやり過ぎです!」

委員長のアフレアが止めに入る。

しかし、向こうから来てくれるのであればありがたい。

「いいぜ?形式はどうする?1対1か?それともクラス全員か?剣か?魔法か?それでわだかまりが解けるならこっちも願ったりかなったりだ。」

アフレアも驚き、固まっている。

「俺と剣で1対1だ!負けたら学校から出てってもらうぜ?」

「いいよ。乗った。」

「先生、さすがにそれは良くないと思いますわよ?」

と、クラスで一番お嬢様のシャレットが見下すようにいう。

「まあまあ、生徒の希望を聞くのも先生の仕事の内だから。さて、んじゃ、気を取り直して出席っと、ひーふーみー…よし、全員いるな。んで、1時間目が数学なんだけど…」

教え方だが、昨日考えた。

「これから数学は全部自習にするわ。」

『え!』

「せ、先生…自習って、どういうことですか…」

クラスの中で最も引っ込み思案な彼女はバゼーヌ。

匂いからして魔法が得意らしい。

「教科書の内容を一通り見たが、これくらい自分で出来るだろ?分かんないところあったらこっちに来て聞いてくれたら説明する。わからないものを分かるまでやり続けろってのはさすがに鬼畜だからな。」

「それだと、先生要らないじゃん。」

と、ハンナが言う。勝気というか、男勝りだな。

「世の中なんでも人に教えてもらえると思ったら大間違いだぞ?自分から学ばないことには意味がない。俺が1から10まで教えたらみんなは“受動的”になる。だから、俺は“教えない”。あー、数学だけだから安心してくれ。」

クラスが静まる。

納得は出来ていないが、理解は出来ているってことか。

「んじゃ、始めー。俺は本読む。」

そう言って図書室から持ってきた本を読み始める。

みんなも諦めたのか、自分で勉強し始めた。


そんなこんなで4時間目。

国語なのだが、これまた難しい。

礼儀とかこの世界来てからあんまり意識してないからな。

これはかなり苦戦した。

しかし、途中で問題が起きた。

外から何か聞こえてきた。

「ーーーー」

「なんだ?」

「はぁ、またあの人…」

ため息混じりに呟いたのはクラスのマドンナらしいイェレナ。

窓を開けて外を見ると、何やらひとりの青年が叫んでいる。

「イェレナ!迎えにきたぞ!さあ、僕と一緒に行こう!」

クラスのみんなも続々と窓際に集まる。

「イェレナ、あれ知り合い?」

「答えはノーよ。先生。向こうが勝手に求婚してるだけ。」

あー、よくあるヤンキーがバイクで乗り込んでくる感じのアレか。

青年はまだ色々叫んでいる。

「おーい!授業の邪魔だ!せめて放課後にしろ!」

窓から思いっきり叫ぶ。

「ふん!たかが先生ごときが僕とイェレナの邪魔するな!」

あー今結構イラっと来たかも。

「ならどうする?力づくでも連れてくか?」

「イェレナが来ないなら、やぶさかでもないな!」

窓から顔を引っ込め、イェレナに聞く。

「どうするの?」

「行くわけないです!」

向こうは部下引き連れてるからな。

武力行使もしかねないってことか。

よし。

俺は窓から飛び降り、玄関の方へ行き、職員室の方を向く。

職員室は一階なので、すぐそこだ。

「校長、追っ払えば良いんですよね?」

「あ、あぁ、そうだが…」

向こうが力づくならこっちもそれなりの対応をする。

「涼太郎、刀いる?」

湊人が窓から顔を出していう。

「いや、要らないかな。うん。」

「はいよー。」

少し前へ出て青年に向き合う。

「ふん、たかが教師が、生意気だぞ!」

「こっちは生徒を悪ーい人から守るっていう仕事があるんでね。」

「邪魔だな。おい!」

そう言うと、部下の1人が向かってきた。

俺は俺の教室に向かって叫ぶ。

「男子諸君!特別授業だ!人間を効率的に無力化するにはまず頭を狙う。これが鉄則だ!そして…」

「先生!後ろ!」

クラスの中で一番のスポーツマンで、剣術が一番上手いと言われているジェイが叫ぶ。

後ろから来てるのは知ってる。

剣を持った男が俺に向かって剣を振る。

それをしゃがんで避ける。

「攻撃をしっかり避けること!防ぐのもアリだが、避ける方が良い。理由は…」

と、ここでまた身を翻して躱す

「押し通られると無防備になるからだ。そして…」

と、説明を続けつつ、攻撃を避け続ける。

「さて、ここからは倒し方だが…」

男は剣を横に振って来ている。

低めにしゃがみ、足を払う。

男の体が一瞬宙に浮く。

体勢を起こし、右手で男の頭を掴み、そのまま地面に叩きつける。

男は気絶して動かなくなる。

「武器を持っていないなら、地面に頭を叩きつけるのが一番良い。まあ状況によりけりだが。」

生徒たちも唖然としている。

「く、教師ごときがぁ!お前達!」

と、残りの4人が向かってくる。

「さあ、よく見ておけよ!1対多数の時はどうするのか!」

まず前3人の攻撃を躱し、最後の1人に掴みかかり、もう1人にぶつける。

ぶつけられた方の鳩尾に蹴りを1発。

2メートル程吹っ飛んだところで、ぶつけた方にアッパーカット。

このとき、バレないように、拳に氷を纏う。

振り抜いたすぐ後に氷を解く。

残りの2人だが、片方は吹っ飛んだやつを見て固まっており、かかって来たのは1人だったので、そいつの背丈くらい跳躍し、顔を蹴り抜く。

そのまま後ろに倒れたそいつの顔の上に着地。

ラストの1人はワンテンポ遅れて襲って来た。

それをカウンターでサマーソルト。

こうしてさっくり4人とも沈んだわけだ。

足で剣を蹴り上げ、持ってみる。

「んー、まあまあの剣だな。」

「くぅ〜こうなったら俺が直々に!」

青年は剣を抜き、突進してくる。

その剣の攻撃を弾き、青年の剣を飛ばす。

無防備な青年の頭に振り上げた足でかかと落としを食らわせ、地面とキスさせる。

「まだ懲りないか?それならもう少しやらなきゃいけないんだけど。」

青年は徐々に起き上がる。

ガッツはあるようだ。

その起き上がって来た頭を掴む。

「電気って知ってるか?ビリビリするよな。」

あんまり使わない雷魔法で青年の体に電気を流す。

青年の体が痙攣する。

そして軽く立ち上がった状態かつ、フラついている青年に向かって回し蹴り。

青年の体は空中で綺麗にトリプルアクセルを決め、地面に倒れた。

「着地失敗で、減点だな。これは。あ、用務員さん?正門の外まで連れてってくれます?」


なんとか生徒は守れたぜ。


次回、剣術だってお手の物!


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@kisame_novelist

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