先生
やーっと生徒全員の名前決まったー
前回のあらすじ
先生に認められた!
面談から数えて次の休日、メイナードさんから連絡があり、社宅に連れてこられ、制服を替えも込みで、3着もらった。
職員も制服着るなんて変わってるな。まあ、貴族の学校だし、ありえるか。
社宅は、校舎に隣接していて、どこにでもありそうな感じのマンションだ。
湊人と部屋は隣同士だ。
中は居間と、寝室、トイレと風呂が付いている。
食事は学校の食堂と同じ所を使い、職員専用の場所があるからそこで取るらしい。
もっとも、社宅を使っている人間だけだが。
洗濯は、週2回あって、魔法を使ってやるため、1時間で終わる。
といっても、俺たちは私服を持っていないから、基本これを着ることになる。
それから、学校内を案内された。
3階建てで、正門から見て、左右対称な作りだ。
そして、担当のクラスは3階の一番右端。
メイナードさん曰く、カーストで、最下位限定の場所らしい。
しかし、生徒たちが何かしたわけではなく、家に問題があったり、前に何かやらかしたりと様々だ。
教室は机と椅子が奥に行くにつれ段々と高くなる大学とかであるタイプだ。
正直おーってなった。
最後に職員室に来た。
そこで校長に会った。
「はじめまして、校長のフォッケルです。」
「どうも。」
「よろしくお願いします。」
俺たち2人は1発でわかった。
((この人、あとあと面倒になるタイプだな。))
一通りの案内を終え、社宅前来た。
「これで一通りの案内は終わったよ。」
「しかし、本当に俺らで良かったんですか?」
湊人が聞く。
「あぁ、君たちなら、きっと彼らに貴重な体験をさせてくれると思っているよ。生徒たちには先生が変わることは話しているし。あとは困ったことがあったら、ほかの先生に聞いてみるといい。」
「はぁ…」
「では、またね。」
そう言ってメイナードさんは去っていった。
さて、明日から教員生活だ。
とりあえず、部屋に戻って教科書を読もう。
翌日、朝結構早めに起きて、身支度を済ませる。
制服、というかスーツに近いが、それを着る。
左腕はないためぷらぷらしている。
食堂に行き、朝食をまだ誰もいない中さっと済ませる。
その後、職員室に行く。
生徒名簿を見たり、必要書類に目を通す。
すると、続々と他の教員が来る。
そして、教員の朝の会が始まる。
そこで他の教員に挨拶を済ませた。
「なあ、涼太郎」
湊人がハッとしたように聞いてくる。
朝の会も終わり、もう少しで授業開始といったところだ。
「ところでさ、教卓に立つのってどっち?」
「あ、」
そうだ。担任が2人というのはありえない。
「じゃあさ、ジャンケンして、負けた方が教卓に、勝った方は職員室で事務ってのはどうよ。副担みたいに。」
「よーし、涼太郎、グー出せ。」
「いいだろう。行くぞ?」
「「ジャンケンポン!」」
重い足取りで教室で向かう俺と、軽い足取りで向かう湊人。
クッソ、なんでチョキ出した俺。
『スキルなり使ったりすれば勝てたろうに。』
頭の中からウベルが話しかけてくる。
(それはフェアじゃないだろ。)
と、教室の前まで来た。
「緊張するなー(棒)」
「殴るぞ?」
「えへへ。」
と、不安など諸々ありつつも、教室のドアを開けた。
生徒たちはしっかり座って待っていた。
俺たちは教卓の前まで来た。
「あー、話には聞いていたと思うけど、臨時でみんなを教えることになった担任のイバラ リョウタロウと、」
「副担のシラトリ ミナトでーす。じゃ、涼太郎、あとよろしくー。」
そう言って湊人が退室する。
「っと、まあ湊人のことはおいおい話すとして、あーとりあえず、よろしく。」
おー嫌悪の目がすごいなー。よっぽどメイナードさんが信用されてたんだなぁ。
これは中々胃にダメージが来るぞー?
「と、まずは出席だけど、1,2,3…よし、全員いるな。」
面倒なので目視で15人数える。
「じゃあ、とりあえずまだ時間あるし、なんか質問ある?」
「はーい!」
と、やや後ろの方の青年が手をあげる。
この状況であれだけ元気ってことはパリピ位置だな。
「えーっと?ロベルトくん?か?」
「はい!先生は彼女いるんですかー?」
うわーやっぱ来たよこの質問。
すると教室の戸が開き、湊人が顔を出す。
「奥さんが6人いまーす。ドフゥアアアア!」
思わず名簿を投げつけてしまった。
「まだいたのか。てか何カミングアウトしてんだオラァ!」
湊人は名簿を投げ返し、そのままスタコラサッサと帰っていった。
「えっと、先生本当?」
「あー、奥さんというか、なんというか、まあ彼女以上奥さん未満ってところかな。」
おー
っと教室から歓声が上がる。
「はあ、他には?」
「はい。」
「えっと、クーランさん?」
「違います。それはお姉ちゃんで、私はハンナ。」
「あ、すまん、双子で大きいからてっきり姉かと。それで?」
「えっと、その左腕と左目はなんですか?」
ほかの生徒もうんうん、と頷く。
まあ気になるよなー。
「あぁ、これは旅の途中でヤンチャした時にね。」
そう言って腕の通っていない左の袖を触る。
「旅って先生は冒険者なんですか?」
ハンナが続けて聞く
「あぁ、でもちゃんとメイナードさんと面談したりして来てるからな?」
教室が少しざわつく。
「はい。」
と、見るからにヤンキーっぽい感じの生徒が手をあげる
「あー、コンラートくん?」
「あぁ、冒険者ってことはあんた、強いのか?」
あー、オラオラ系ね、でも貴族だからやる時はやるんだと願いたい。
「まあまあかな。怪我するするってことはまだまだってことだけど。」
「ふーん。」
「さ、これくらいにしておくか。」
「すいません、最後にいいでしょうか。」
「ん?えっと?」
と、一番イケメンな男子が手をあげる。
「アウレールです。先生はおいくつですか?」
「ん?19だけど?」
教室がよりざわつく。
そりゃ自分と大した歳が離れてない奴が「はい今日から先生でーす。」とか言ってきたらそりゃそうなるわな。
てかこいつらいくつよ。
えーっと、あ、17?2つ下か。
「あー、まあ、3ヶ月、我慢してや。はは。」
その時、俺からは乾いた笑いしか出なかった。
次回、バイクはないけど学校にカチコミにくるやつは大体ヤバイ
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