療養&その頃
前回のあらすじ
とりあえず生活を安定させるんだよー!
修道院の治療代はそこまで多くは無かった。
完全なる慈善事業ではないにしても有り難い。
というか、魔王いるのに神さま信仰してもいいのな。
初めて修道院で治療を受けてから3日経ち、その間毎日通ったところ、左腕の傷口が塞がった。
氷で覆う必要も無くなったのはいいが、修道院の治癒魔法の水準の高さに驚きだ。
まだ時々痛みは走るが、どうということはない。
その3日の間もライルさんのところで泊まった。
路銀もそこそこ溜まってきた。
その路銀でライルさんから情報を買うことにした。
主にここら辺が初めてな人に向けた情報全般だ。
まず、ライルさんだが、ライルは苗字で、本名はヴィクター ライル。
つまりヴィクターさんなわけだ。
そして、ここからが本題で、ここは魔王が統べる土地で、ザカライアは大きく分けて3つの区分があり、簡潔にまとめると、洋風なところと和風なところと中華なところがあるということだ。
そして、城に近いところは貴族など、金持ちの家や施設が多い。
かなりの数の多種族が住んでおり、平和な統治国家だ。
ギルドの本部なども城下にある。
正直話を聞けば聞くほどなんで人類側、いや、ここまできたらこっちもほぼ人類側といっても差し支えないくらいなのだが、なぜ俺たち側と争っているのかわからない。
しかし、話には続きがあり、争っていたのは前々からだが、先代の魔王が俺たち側のスパイに殺されたらしく、その先代の後継も失踪し、今の魔王は魔王の家系からは外れてしまったが、当時、もっとも有力だった大臣が新しい魔王についたらしい。
それがきっかけで俺たち側との関係が激化。
少なくとも3年以内に全力で侵攻するらしい。
つまり、ここからは帰れないということだ。
と、他にもいくつか情報をもらった。
ヴィクターさんには奥さんがいるらしいが、今は帰省中だそうだ。
とりあえず、しばらくは稼いで、帰る方法を模索することにしよう。
一方その頃、アリスターでは。
「はぁ、やっと帝国の後片付けがひと段落ついた。」
「お疲れ。翔。今日は帰ろうか。」
「そうしよう、クタクタだ。」
帝国だが、思った以上に腐ってた。
何がといったらあらゆるところだ。
貧富の差から治安の悪さから汚職から叩けば叩くだけ出てくる。
街はまともなのは一部だけで、ほかはスラム化、貴族と教会の周辺は豪華絢爛と、クーデターが起こらないのが不思議でならない。
しかし、軍力は流石のもので、再利用が効きそうだ。
改革というか、ゼロから作り直したほうが早いくらいだ。
仕方なく、ここは傀儡国家とする事で安定させることにした。
国のトップ層をこちら側の人間に総入れ替えし、内政やらを全部こっちのものにした。
そして財政、国政などなど俺や空成の現代社会の知識をフル活用してなんとか持ち直し始めた。
あとはアリスターのおやっさんがなんとかしてくれるはずだ。
だが、まだ不安なところは多くある。
最近はずっとアリスターと帝国を行ったり来たりだ。
空成の転移魔法が使えてもかなりハードな日程だった。
「「ただいまー」」
帰るとみんなが出迎えてくれる。
「おかえりなさいませ。お食事はご用意出来ています。」
「ありがとうキーラ、風呂も用意しといて。」
キーラ
翔の妻第1号(仮)
家のメイドとして働いており、大人な感じのお姉さん。少々Sっ気がある。
「お!帰って来たな?空成、ささ、こっちへ来い!」
「お辰さん!ちょ!引っ張らないで!」
お辰さん
空成の妻第2号(仮)
龍の獣人で、角と長い尻尾が特徴。
一度絡まれると厄介
食事の席に着くと、勇麟が寄って来た。
「忙しかったみたいだなぁ?」
「酒臭っ!また昼から飲んでただろ!」
勇麟
翔の妻第2号(仮)
おでこから一本の角の生えた鬼の女性。
男勝りな性格で、かなりの酒豪。
夕飯を済ませ、風呂に入る。
やはり家の風呂は落ち着く。
しかし、扉をしっかりロックしておかないと誰かしら入ってこようとする。
もっとも、稲美さんともなると、それも開けてくるんだが。
稲美
空成の妻第1号(仮)
9本の尻尾を持つ稲荷。
優しい性格で、割烹着が似合う。
風呂から上がると、エヴ達がチェスで一興していた。
今のところ、織さんに敵う人がいない。
和の街出身なのにめちゃくちゃ強い
織
空成の妻第3号(仮)
髪の毛が異様に長い毛娼妓という種族。
和の街で呉服店を営んでいて、涼太郎達の服も彼女が作った。
涼太郎と湊人が今どこにいてどうしてるのかはわからないが、鈴はなる。
つまり生きている。
早く帰ることを祈るばかりだ。
次回、就職?資格ないのにいけるんですか!?
ツイッター
@kisame_novelist
一週間程使って、第1話から第10、20話あたりまで手直ししようと思っています。
その間、投稿をお休みさせていただきます。
新作も少しずつですが、形になりつつあるので、そちらも楽しみにしていただけると幸いです!