完治
前回のあらすじ
担保、正直出したくねー
依頼を何個かこなし、ギルドへ戻る。
だいたい5時くらいだろうか、日も傾き始めた。
「あー、ベッドで寝たいよー、ご飯食べたいよー」
「そうボヤくな湊人、治療は明日にして、報酬で手頃な宿行くって話になっただろ?」
「涼太郎無理させるわけにもいかないから頑張ったんだよーつーかーれーたー」
「はいはいわかってますよ。」
ギルドの受付に報告を済ませ、刀を受け取り、報酬をもらう。
通貨もレートもアリスターと一緒で助かった。
ギルドで良い宿もリサーチしてある。
ギルドから近いわけでもなく、遠いわけでもない所で、その名も民泊「ライル亭」
食事処としても営業しており、人気も高い。
また、主人が元なかなかの冒険者だったこともあり、情報屋としての一面もあるらしい。
「いらっしゃい!」
ドアを開けると夕飯時ということもあり、混み合っていて、騒がしい。
「宿泊したい、2人だ。」
「あいよ、2人で30シルバーだ。飯はどうする?」
「あー、先に一眠りしたいから、8時に声をかけてください。反応がなければ放置してくれて構わないです。」
「わかった、部屋は二階上がって、突き当たりの6番だ。」
2人で部屋に入り、荷物を投げ、ベッドに倒れこむ。
「おやすみー」
「あぁ、おやすみー」
そのまま死ぬように眠った。
目がさめると、11時だった、朝の。
となりのベッドで寝てる涼太郎を起こす。
「おーい起きろー朝だぞー厳密には昼近いぞー」
「んあ?あぁ。何時?」
「11時、昼前のな。」
「ふぁーあ。あーよく寝た。」
2人で一階へ降りると、昨晩ほどでは無いにしても、多少食事の客がいる。
「お?お2人さんお目覚めかい。よほど疲れてたんだな。まあ、座れ。今なんか作ってやる。」
と、主人のライルさんが、スープを出してくれた。
腹も減っていたのもあってすぐに平らげた。
「なあ、ここら辺で傷の治療できる所を知らないか?」
「修道院なら、近くにあるぞ。」
「そうか、ありがとう。」
「お2人は冒険者かい?」
「いや、旅人の方が正しいかな。」
「そうか、なら大変だったろう、その傷だと。」
「まあ、な。あと、衛兵の少しえらい奴に会いたいんだ。」
と、ライルさんに、来る前の村のことを話す。
「そうか、なら修道院近くの兵舎によるといい。あそこの兵士長は知り合いでな。俺の名前を出せばいいはずだ。」
「わかった。寄ってみるよ。」
と、食事を済ませ、荷物を持ち、宿を出る。
そして、兵舎に寄り、兵士長に話をすませる。
なんでも、つい最近、人類側とそこそこの衝突があったせいで、衛兵が足りていないそうだ。
その村にも配備する予定はあったが、早めてくれるとのこと。
さらに、オークを追い払った報酬として少しお金がもらえた。
これはありがたいおまけだ。
その後、修道院に寄った。
修道院は、礼拝堂の建物のほかに、治療所の建物があり、入ると、怪我人や病人がベッドで寝ている。
冒険者がほとんどだが、衛兵も混ざっている。
と、シスターの1人が話しかけてきた。
「こんにちは。どのようなご用件で?」
「ああ、治療を頼みたい。2人だ。」
湊人は翼がやられたので、背中にキツめの火傷があるくらいだったのもあり、早くに終わった。
しかし、俺は怪我が怪我なだけあって、ベッドでしばらく寝ることになった。
左目は眼球が破裂しており、眼帯をつけることに。
左腕は欠損しているので、治癒魔法をかけたあと、包帯で巻いた。
そもそも、千切れているのだから、傷口が塞がるのはかなり先だ。
医者が切断したのとはわけが違う。
さらに、体は無くなった腕をまだ覚えてるせいか、時々かなり痛む。
左足は完治といっても大丈夫だろう。
とりあえず、夕方までここで安静にしなければならない。
「俺、ちょっくら稼いでくるわ。」
「わかった、気をつけろよ。」
「あいあいさー。」
と、湊人はギルドに行き、稼ぎに行った。
改めて自分の左腕をみる。
左目がないせいで見づらい。
二の腕の中くらいから無くなっている。
普段はローブを横に羽織り、左腕を隠すようにしてはいる。
治癒魔法でだいぶ楽になったが、やはり戦力がガタ落ちだ。
まあ、いざとなればローブを氷で覆い、盾がわりにするのもアリだろう。
とりあえず一眠りしよう。
これからどうやって戻るか、魔王の案件はどうするか、そもそも帰れるのかとか、問題が山積みだ。
とりあえず、一度一週間ほど療養期間とったほうがいいかもしれない。
まあ、帰るのが先になればなるほど帰ってからエヴ達に何されるかわからないが…
ディアナ
涼太郎の妻2号(仮)
エルフの美人さんで、清楚な美少女。
しかし、酒癖が劣悪すぎる。
コリンナ
涼太郎の妻3号(仮)
ドワーフの少女で、背丈は小さいながらもかなりの力持ち。涼太郎、翔の武器の製作者で、涼太郎達の武器のメンテを一手に担っている。
アンス
涼太郎の妻4号(仮)
獣族の女性で、オレールという弟がいる。
家庭的だが、少し抜けているところがある。
カミラ
涼太郎の妻6号(仮)
人間で、エヴリーヌとは学校で知り合った友人。
転生当初、涼太郎の使っていた宿の女将さんだったが、卒業した。
…いま思い返して思ったが、なんでこんなに増えたんだ?
次回、一週間の療養期間と一方その頃
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