表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲー4(元)  作者: 鬼雨
また離れて、再開を目指す
170/194

その名はザカライア

前回のあらすじ

やーまを越ーえー谷を越えー魔王のとこまでやってきたー。




みんなは、「農家の距離感」というものをご存知だろうか。

北海道などの農家の家は自分の敷地が農地が含められているのでかなり広い(例外あり)。

つまり、“お隣さん”の感覚がズレることがある。

村の単位でいえば、となりの村もそこそこの距離があることもしばしばだ。

つまりどういうことか。

ザカライア、めちゃくちゃ遠い。

あの村を経って一週間、別の村を1つ経由してもまだつかない。

たしかに「そのうち」とはいっていたが、ここまでとは…

「長えーよー」

「お前が飛んで俺を運んでくれれば良いだろー?」

「翼まだ回復しきってないんだよー。」

と、何回も繰り返したやり取りをしながら道を歩く。

景色は大差ないものが続く。

たまにモンスターの襲撃があるくらいだ。

どこまでいっても森森森森だ。

太陽が真上に来た頃、やっとひらけた場所に出た。

すると、目の前に巨大な農地と、その奥にさらに巨大な城壁が見えた。

「「やっとゴール見えたー」」

思わず座り込んだ。

「いくかー?湊人ー。」

「もうすこし休みたくない?」

「ここで休んだら今日動けなくなる自信あるわ俺。」

「あーそれなー。」

重い腰を上げ、ザカライアに向かう。

見えてもなお遠い。

それだけ広大な農地が広がっている。

しかし、その農地にもちょくちょく衛兵が立っており、農家の人と仲よさそうに話している。

すると、そのうちの1人が話しかけてきた。

「君たち、どうしたんだ?その怪我といい…」

「あぁ、実はな…」

と、旅をしていて怪我をして、2つ先の村から歩いてきたなど、事の顛末を話した。

「それは大変だったな。干し肉だが、持っていくと良い。」

「すまないな。だが、いいのか?」

「何、気にするな。農家の人からもたまに差し入れがあるからな。」

「そうか、ありがとう。」

衛兵から干し肉をいくつかもらい、ザカライアに向かう。

ザカライアはアリスターとは比べものにならないくらいにデカい。

まず、門の形状が違う。

城壁の周りが深い堀になっており、上がるタイプの橋が架かっている。

「デカイな、アリスターの何倍だ?」

「数えるのがバカらしくなるくらいだな。しかし涼太郎、とくに検閲とか無いんだな。」

「必要ないの間違いかもな。」

さっきから衛兵の数がかなり多い。

何かしでかして、あの量全てが敵になると考えると流石に怖い。

街は活気に溢れており、人の数も多い。

単純にアリスターのバカデカイバージョンだ。

「本当に魔王の国か?ここ。」

「イメージと違うな。」

「湊人どんなイメージだった?」

「国というか、城だけかと。」

「それ自体がダンジョン的なアレな?」

「本当に戦時中か?この国。」

しかし、ここで重要な事に気付いた。

「湊人、金持ってる?」

「…あ、」

そういえば一文無しだ。

宿も取れなきゃ飯も食えない。

「そもそも通貨が違うかも知れないしな。適当に稼げるところ探さなきゃな。治療はお預けみたいだな。」

と、近くの衛兵に湊人が聞いてみることにした。

衛兵とすこし喋った湊人が帰ってきた。

「どうだった?」

「ハ◯ーワ◯クあるってよ。」

「は?」

湊人にしばらくついていくと、そこには思いっきり職業案内所と看板のついた大きな建物があった。

「あー、イメージがー。」

「涼太郎、ここまできたらなんでもありだろ。」

その建物に入り順番を待つ。

幸いそこまで人がおらず、すぐに窓口につけた。

「こんにちは。どのようなご用件でしょうか。」

「旅をしていたんだが、路銀が尽きてしまったんだ。どこか、軽く稼げるところとか、こう、冒険者ギルドみたいなところはあるか?」

「はい、ギルドは、ここを出てですね…」


と、ギルドについた。

「こっちにもギルドってあるんだな。」

「ていうか、もう人類側と大差ないぜ?なんで争ってるんだろうな。」

ギルドに入り、受付に行く。

「登録を頼めるか。」

「はい。と、こちらの紙に記入をお願いします。」

登録用紙に記入し、手続きを済ませると、案外簡単に冒険者になれた。

「湊人、制度も殆ど同じだったな。」

「本当に魔王の国なんだろうな?ここ。」

と、掲示板に来て、簡単な依頼を選ぶ。

それを受領しに、受付に行くと、受領するのに、お金がいるらしい。これは予想外だった。

たしかに、よく考えてみればそうでもしないとどうやってギルド儲かるのって話だ。

「もし、お金がなければ、あなた方の持ち物を担保にするということも出来ますが。」

話では持ち物を担保にし、報酬金から受領金を差し引くというもの。

「わかった。これを担保にしてくれ。そのかわり、扱いに注意してほしい。結構危ないものだからな。」

と、長い方の刀を出す。

「いいのか?」

「仕方ない。弓渡すわけにもいかないだろ。」

依頼もちょっとした害獣駆除程度のものだ。

無くてもいけるはずだ。

「なあ、あの刀のエンチャントスキルって『魂喰い』だろ?涼太郎以外が使うとどうなるんだ?」

「あー、普通の人なら狂人化するかな。麻薬と似たようなものだし。翔も一回俺がハイになったとこ見たってよ。」

「ほーん、加減が大事なのねー」

「まあ、そのかわり、相手の生命力やら精神力削って回復出来るからなー。」

と、そんな会話をしながら野犬を捌く。


今は大体3時くらいか。

ギルドに戻るのはまだ先だ。

依頼をまだいくつかこなさなきゃならないからな。

依頼1つにつき担保1つじゃなくて良かった。



次回、やっと治療出来るー


ツイッター

@kisame_novelist


現在、ツイッターの方で新作の案のアンケートを取っています。

よければ投票よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ