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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
ジャパニーズソウルは異世界受けする。
17/194

料理

前回のあらすじ

1ゴールドゲッチュ。




さて買い出しとは言ったものの、どうするかな。

まずは何作るかによるし。てかこの世界米がないからなーその分料理の幅が狭くなるし…うーん。となると和食は断念した方がいいよなぁ。

洋食かー。つっても色々あるしなー。


ちなみに俺は高校進学と同時にアパートで一人暮らししていた。中学の時に親から家事については徹底的に叩き込まれてるので料理にはちょっと自信がある。


肉料理で米が使えないとなると…ビーフシチューとか、スープ系になっちまうし。てか米がないから豆腐もない。中華は作るの苦手だしなー。スープ作るとしてもそれだけってのもなぁ…


そんなことを考えてる俺の目にあるものが飛び込んできた。


あっ、あれは!魚!

ん?店番してるの人間じゃないな。トカゲみたいなのが座ってる。リザードマンってやつかな?別にどうでもいいけど。でもなんか元気ないな。


でも、そうか魚という手段があったか。どれどれ…おっこれはアジか。ということは今は夏って事でいいのかな?こっちはイワシか。うん。夏だね。それなりに暑いなあーとは思ってたけどやっぱり夏だったのね。


「おい、あんちゃん。王都は初めてかい?」

なんだこのおっさんは

「この店は、よくないぜ?」

「なんでなんだ?」

「こいつらはな海に近いところに住んでて漁をして生活してるんだがここからけっこう遠くてなぁ、鮮度がイマイチでまずいんだよ。」

「っそんなことありません!ちゃんと鮮度は保たれるように運んできてます!」

「バカ言え!ここからお前らの村までどれだけあると思ってやがる!丸2日放置の魚なんて鮮度が落ちてるに決まってるだろ!」

周りの人もそうだそうだと加勢し始め、リザードマンの店員はまた暗い顔をして座った。

確かに魚の鮮度は落ちやすい。前の世界でも鮮度を保つようにするのは苦労してた。

俺も魚の鮮度がどれくらいの時間で落ちるのかは知らないが鮮度の見分け方くらいは知ってる。

目だ。魚の鮮度は目を見れば分かる。

見た限り鮮度は大して落ちていない。

「鮮度を保つと言ったが、どんなことをしている?」

「え?ええ、魔法で凍らせてから持ってきてます。」

なるほど完全冷凍で2日か、多分それなら鮮度は問題ない。

「あとは、中の寄生虫も魔法で処理してるので大丈夫です。」

「それは本当か!?」

「は、はい。我々リザードマンは大丈夫ですが、人間には厳しいと思うので、上げてからすぐに寄生虫を魔法で取り出してるんです。具体的に言うと、寄生虫のいる部分をちょっとだけ魔法で分離、手元に転移させるんです。本当に少しの距離しか使えないので実用性はあまりないのですけど。」

「転移魔法…恐るべし…ちなみに寄生虫がいるかどうかはどうやって?」

「生命探知って言う魔法です。魚と寄生虫は別の生き物なので、これらの魔法は子どもの時に徹底的に教えられるので、我々の村のほとんどは使えますね。」

えーなにそれチートやん前の世界でそれができたら漁協から引っ張りだこでお金儲かりまくりじゃん。

「まさかあんた、こいつらの言うこと信じるんじゃないでしょうね?」

「では、あんたはこいつらが言うことが全て嘘と証明できるのか?鮮度は目を見た限り、良い方だ。寄生虫は嘘かもしれないが、買った後に加熱処理するなら関係ない。その様子だと魚の鮮度の見分け方を知らないようだし。本当の嘘つきはあんたの方じゃないのかい?」

「くっ」

「なんなら俺がここで生で食べてやってもいい。寄生虫がいないなら大丈夫だからな。」

「は?正気か?」

「俺の故郷じゃ魚を生で食べるのなんて当たり前だったからな。」

「うっ、嘘をつくな!」

「じゃあいいだろう。すまないがこの魚を1匹くれるか?代金は払う。」

「は、はい。」

俺は貰った魚の身をちょっとナイフで切り出し、皮を取って、口に放り込む。

懐かしいなぁ。実家が北海道だった俺は親からよく魚が届く。1匹まんまで。なんでも魚くらい捌けるようになれとのこと。でも大半が鮭とか秋刀魚だったので、アジを食べるのは寿司屋以来だ。かれこれ五年くらいは食ってなかったな。

「ほら、なんともないだろう。」

周りの人は少し引いてるが、それより俺は部族差別がイライラしてそれどころじゃない。

前の世界で見飽きたものをここでも見ることになるとは思わなかったから、がっかりして、ちょっとおこ。

「相手を否定するときは、しっかり材料と証拠を準備するんだな。」

チッと舌打ちした後、男は去って行った。

俺はちょっとスッキリしてリザードマン達に向き直る。

「すまない。追加で2匹頼む。」

「はっ、はい!」

リザードマンは笑顔で俺にアジを渡した。

今晩はアジフライでも作るか。


ソースあるのか?この世界。


そんな不安を抱えながら、子鹿亭へ向かうのだった。



その日、街の至る所の家庭で魚料理が振舞われたそうだ。







人種差別、ダメ絶対。


リザードマンはリザードマンであってます。


ソースは、ないです。


リョウタロウは高校進学の際、埼玉へ移住してる。

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