“どこか”はどこなのか
「主人公近辺の獣たち」に半獣化、超獣化、完全獣化形態について追記しました。
逆になんで忘れてたし。
ツイッターの方で、主人公達の武器やアリスター近辺地図を投稿しています!
前回のあらすじ
もうロ◯ク◯ンでいいよね?
村に戻り、大人数人を連れ、先ほどの巣に戻り、まだ食べられる食料などを持ち帰る。
村長からお礼を言われ、その晩は宴会になった。
あいつらは割と最近現れ、支配される途中だったらしい。
抵抗はしたらしい。
近辺の魔物くらいは追い払えるくらいの武力は持っていたが、あいつらがその上だったというわけだ。
「しかし、リョウタロウさん達が居なかったらと思うとゾッとします。それにしても、お二人とも強いんですね。」
と、宴会を終え、家に戻り、ひと休憩入れているセザールが言う。
「まあ、ほどほどにねー。まあこんだけの怪我してるんだから、まだまだってことさ。」
と、りんごを齧りながら湊人が言う。
「それに、強いにも色々あるからな。力だけでは、本当に強いとは言えないさ。」
コップの水を飲み干し、ふーっと息をはく。
「湊人、明日には出るか。」
「え?もうお発ちになるんですか?」
「あぁ、もうすこし休息するか悩みましたが、迷惑になるし、その近場の国から、ここに衛兵の数人も送れたらと思いましてね。」
「そうですか…分かりました。二、三日かかるでしょうし、果物をいくつか包みますね。」
そう言ってセザールは行ってしまった。
「そして、あわよくば“家”に帰れたらいいな。なんてな。」
「流石に都合良すぎるでしょー、それは。てか、涼太郎の治療が先な。」
「へいへい。空成腕生やせるかなー。」
「流石に無理あるんじゃない?」
「いや、やってくれると信じる。てか、信じたい。」
「希望的観測ってやつか。」
そんな話を少し続け、その日は眠った。
体に少し無茶させたせいか結構疲れている。
と、ぐっすり寝るわけでもなく、夢の中でウベルと談話する。
ここは夢の世界だ。なんでもあるし、空間は元の世界の俺の部屋。
幻想の飲み物も食べ物もある。
「で?どうだい。片腕ない感じは。」
と、ウベルが麦茶片手に聞いてくる。
「痛いさ。体はまだ無くした腕を覚えてる。幻肢痛ってやつだ。」
夢の中でも体の状態は反映される。
「リョウタロウ、これからは戦闘スタイルを変えないとな。」
「そうだな。案はいくつかある。マントかローブが要るがな。」
「目の方は?」
「見えるかよ。てか、瞼の筋肉がやられてるんだ。開きもしねえ。」
「あの時に欲張るからだ。」
あの時、もちろん、勇者の置き土産の処理の時だ。
あいつは死んだ後、儀式魔法で、兵器級の爆発を起こしやがった。
その規模を抑えるため、爆心地をアリスター近辺に転移させないために俺と湊人は魔法に干渉した。
そして、一瞬の爆破のあと、俺たちは飛ばされた。
転移からの爆発ではなく、爆発からの転移にさせたのだ。
しかし、転移するまでの一瞬、俺たちは爆発を食らった。
ギリギリまで干渉を続けた俺は、障壁を貼り損ない、今のザマだ。
足は大きなところで治療すれば治りそうだが、腕と目はどうにもならないだろう。
単純なミスだ。
欲を出しすぎた。
どうも命が軽く感じてしまう。
ゲームのし過ぎか、あるいは、命の“取り”過ぎか。
この世界に来て、仲間が出来て(嫁ではない。)、親友が来て、俺の命は俺1人の物ではとっくになくなっている。
なのに軽く見てる自分がいる。
負けないと慢心しているからか、次があるかもと甘えているのか。
とにかく、これからは注意しよう。
勇敢と無謀は違うのだ。
翌朝、身支度を済ませ、村の出口に立つ。
すると、村の人たちが見送りに来た。
セザールが前へ出て、弁当を渡してくれる。
「さっきも言ったとおり、この道をまっすぐ行けば、そのうち“ザカライア”に着きますからね。」
ザカライア、つぎに向かう国の名前だ。
先ほど聞いた名前だが、なんだか豪華そうな名前だ。
「しかし、かなり大きな国なんだろ?王様は一体誰なんだろうな?」
と、湊人が言う。
「あれ?お二人とも知らないんですか?ザカライアを。」
「え?あぁ、結構遠くから来てるからな。」
「ザカライアと言えば、『あの有名な魔王様が直に治める』巨大な魔族のための平和国家ですよ?この村も領地に入ってます。まあ、小さい村なので、認知されてるかは分かりませんけどね。」
ん?
「「いま、なんと?」」
「小さい村なので認知されてるか分からない?」
「「いえいえ、その少し前」」
「巨大な魔族の平和国家?」
「「その前」」
「魔王様が直に治めるですか?それを知らないとは、それは気が遠くなるほど遠くから旅をしてるんですね。」
「あ、あー、はい。そっかー魔王様の国かー楽しみだなーなあ?湊人(棒)」
「うぇ?あ、あーそうだなー楽しみだなー(棒)」
「「あははははははは。では、また何処かでお会いしましょうねー(棒)」」
「え、ええ、お気をつけて!ありがとうございました!」
それからしばらく歩いた
「涼太郎?」
「ん?何?」
「あのー、次行く国さ」
「ん?ごめん耳遠くなったかも。なんだって?」
「だから、次行く国さ、」
「もっと大きな声で喋ってくれよ。」
「現実から目を背けるんじゃあない!(バシッ」
「ゴフッ!おま!怪我人に腹パンはヤベエって!わかった!わかったから!現実みるから!次の国に魔王いるから!」
帰るのはかなり先になりそうだ。
次回、魔王の国、ザカライア!
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フォロワーがちらほら増えてきて嬉しいっす。
あとブクマ100件行きました!
皆さんありがとうございます!
これからも頑張って書きます!