迷子の迷子のお二人さん
今回から新章(?)突入です!
一応、まとめなどに目を通した後ならこの話からでも楽しめるようにしてあります!
今後ともよろしくおねがいします!
前回までのざっくりしたあらすじ
神さまのコーラのせいで転生してあれこれしてたらそのうち現世の親友3人も集まって勇者と戦ったら盛大な置き土産していきやがって親友の1人とどっかよくわからないところで遭難した。
やあみんな、初めましての人は初めまして。前もあったなら久しぶり。俺だ。
え?だれか分からないって?この話の前の人物辞典とかまとめの話見てくれや。
っと、前置きはこれくらいにして、今は右腕が無くなって右足も怪我してついでに右目も潰れて親友の湊人におんぶされて遭難中。
ここらへんのよく分からないところに来てから3日経った。
そろそろ治療を受けないとヤバイ。
傷口を氷で覆ってこれ以上の出血とかは防いでいるが、治るわけじゃない。
「しかし、これだけ歩いても街道の一つないとはなー」
ミナトが呟く。たしかに3日ほど歩けば川やら街道やらに出ると思ってた。
「むしろ俺たちの今までが上手くいきすぎてたのかもな。」
「強くてニューゲームでハードモードかーそれってどうなんだ?涼太郎。」
「さぁね、てか、後ろ進んだ方が早いとかやめてね。」
「俺に言うなよ。」
そんな会話が朝のこと。
今は昼頃。
時間は太陽の位置でなんとな〜くだ。
ご飯もろくに食べていない。
そこらへんに生えてる草とかたまに見かける果実を食べる。
一応食べれるかは調べてからやってる。
舌に当ててみたりとかね。
「少し休むか。」
「俺はまだいけるぜ?」
「バーカ。朝からおんぶしっぱないだろ?てか、背負われてるのも疲れるし。」
「はいはいっと」
木に寄りかかり、2人で腰を下ろす。
ウベルやカラちゃんはまだ復活してない。
それだけやったことが派手なのだ。
死んだわけではないが心配だ。
「ほんとどこなんだろうなここ。」
「知るか。こちとら腕も無くしちゃったし…あの勇者もう少しやること考えろよなマジで。」
「はは、帰ったらエヴがなんていうか。」
エヴリーヌ
涼太郎の妻1号(仮)
アリスター王国の王女様で、涼太郎の善意が原因で涼太郎に引っ付いている。
わりとトラブルを持ってきたりする。
「いや、ルイシーナの方がうるさいぞ。この場合。」
ルイシーナ
涼太郎の妻5号(仮)
ドラゴン族で、豪快で、涼太郎への執着も強い方。
涼太郎がドラゴンに喰われた時に腹を突き破った話を聞き惚れ込んだ。
「あはは、たしかにうるさそうだな。お前は女が多くて大変だねー。」
「ち、帰ったら茶子に色々話してやる。」
茶子
湊人の妻3号(仮)
狸の獣人で、雑貨屋をやっていて、京都弁。
湊人をおちょくれる数少ない人の1人
湊人は割と苦手意識がある。
「何吹き込むんだか…翔達は大丈夫かなー?あの人ら相手にして。」
「翔の心配より帰った時の自分達の心配した方がいいかもな。」
「うわ、想像したくねー。」
と、休んでいると遠くで叫び声が聞こえた。
それに2人とも気づき、その声の方に行く。
もちろん俺はおんぶされてるが。
現場に着くと少年が野犬?に襲われている。
見たところまだ小学生くらいだ。
「子供がいるってことは?」
「近くに家があるってことだな!いってらっしゃい。」
「チッ、怪我人だからって!」
湊人は俺を下ろし、腰にマウントしていた双剣の柄を合わせ、弓にした後構える。
野犬は3匹。
まず1匹頭に矢が突き刺さる。
すると残りの2匹が湊人に襲いかかる。
1匹は来る途中で仕留めたが、もう1匹がかなり接近する。
湊人は弓を2つに割り、飛びかかってきた野犬の体を双剣で切り裂く。
「双剣で使ったの何回目?」
「まだ両手で足りるくらい。いつもはお前らが前衛だからさ。」
湊人は再度腰に双剣にした弓をしまい、俺を担いで少年の元に向かう。
「大丈夫かい?」
「は…はい…」
「俺は湊人。こっちは涼太郎。君の名前は?」
「あ…えっと、ユーグです…」
「ユーグ君ね。急ですまないが、俺たち怪我してるんだ。出来れば家まで行って少し休ませてもらえるとありがたいんだけど…」
「え?あ、はい!」
少年も俺の怪我を見て分かったようだ。
その後、少年について行くと、村があった。
住居は10個かそこらの村だ。
少年の家にお邪魔し、母親のドロテに挨拶をする。
その後、最低限の治療をしてもらう。
「すいませんね。急に押しかけて。」
包帯を巻いてもらいながら感謝する。
「いえ、息子を助けて貰ったので当然です。それより、ユーグ!あんまり森に深く入るのはダメと言ったでしょう!」
「まあまあ、助かったんですし、それに、あんまり擁護するわけじゃないですが、彼のお陰で俺たちここに来れたんですから、彼がいなかったら俺ら餓死してたかもしれないので。ね?」
湊人が仲裁に入る。
湊人はこういうのが割と上手い。
「ええ、それはそれとして、旅の人ですよね?何があったんです?」
「えっと、ちょっと事故ってしまって。まあ、色々と。」
すると、父親らしき人物が帰宅してきた。
「客人かと思ったが、そう簡単なものじゃなさそうだな。」
「すいません。お邪魔して。」
「いえ、構いませんよ。そっちのお方はかなりの重傷のようですし。」
父親はセザールと言うらしい。
その日は、その家で厄介になった。
俺は右半身を手当てしてもらい、なんとか歩けるまでにはなった。
しかし、ドロテ曰く、感染症の可能性もあるのでしっかりしたところで見て貰った方がいいという。
もっともな意見だ。
その日、久しぶりに飯を食べた。
野菜のスープとパンだった。味は疲労も相まってとても美味しく感じた。
魔力も回復でき、ウベルもカラちゃんもなんとか復活。
その日は死ぬように眠れた。
翌日
自分でも治癒魔法で治療し、ある程度回復出来た。
これなら多少の戦闘は大丈夫そうだ。
セザールは仕事に出かけ、ユーグも遊びに行った。
俺と湊人は部屋で話した。
「この村、あんまり裕福じゃないだろうに、俺らに結構な食事出してくれたな。」
この家からすれば昨晩の食事は結構なご馳走だっただろう。
「だな。人々の体格といい肉つきといい、大したものじゃないしな。」
窓から見える人々を見て湊人が言う。
「でも畑はしっかりしていたよな。それなりに収穫は出来てるはずだが。」
「村長が牛耳ってるとか?」
「いや、そういうわけでもなさそうなんだよな…」
そう話していると、村の鐘がなる。
時間を知らせるものかと思ったが、そうでもなさそうだ。
窓から見ていると村の入り口から大きな男たち数名がきた。
しかし、人間ではない。
垂れた耳、大きな鼻、脂っこい体。
「オークか?」
「おいおい、デカすぎるだろ。ゴブリンの上位種だろ?あれ。」
何やら村の人と話している。
内容をまとめると、
オーク「食料をよこせ。」
人 「この間やった。こっちもキツイ。」
オーク「なら女を寄越せ。どっちかだ。」
といったもの。
「喋ったぞ?あれ。」
「モンスターとしてではなく、種族としてのオーク…か。」
「進化した奴らってことか?確率低いはずだろ。」
「いや、ずっと思ってたが、ここら辺の大気の魔力量、かなり多い方だ。あり得ない話じゃないな。」
すると、揉めた結果か、村の人が突き飛ばされた。
「涼太郎、どうする?」
「こっちにはそれなりの恩がある。返すなら今だな。でも、あれが100何体いたら相手するのは湊人だからな。」
「うへーそりゃそうだよなあー。オーケー任せろやー(棒)」
「やる気ねえトーンやめい。」
次回、豚狩り
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