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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
4人揃って?
157/194

戦争

前回のあらすじ

力で勝てない頭で勝つ。




一度家に帰るとエヴ達が出迎える。

といってもいつもみたいに笑っちゃいない。

「とりあえず、お前らは外出禁止だ。この家なら稲美さんとクウさんの結界マシマシだから余程のことが無ければ大丈夫だからな。」

「しかし、私はドラゴンだ。みんなだって戦える。」

「あのなぁ、今回喧嘩売った理由分かってんのか?お前ら向こうに渡さないためだぞ?いわば防衛目標だ。どこに目標を敵陣の真っ只中に放り込む奴がいる。」

みんな黙ったが、おそらく心配なのだろう。

と、ミナトが口を開いた。

「開戦まではまだ時間かかるし、ちょっとやそっとじゃ死なないの分かってるでしょ?一応交代で帰ってくるからさ。ね?」

どうにも納得がいかない様子だ。

あー、こいつら変なところで素直なんだよなー。

とりあえず、この場はそれで終わりにし、ロボル達を呼び出し、もしかすると戦力になってもらうことを伝え、また王城に戻ることにした。

これから長い戦いの始まりだ。






僕らは戦争の始まる瞬間を知らない。

実際には布告をしているのですでに戦争状態なのかもしれない。

しかし、まだ戦ってはいない。

現在は敵の前線基地と距離を取ったところにこちらも基地を設営したところだ。

今回はただ防衛し、消耗戦に持ち込むのが目的だ。

なので、こちらから仕掛けることはない。

今は両陣営基地の設置をすませ、睨み合っている状態だ。

こちらの作戦を始動させるのはあくまで相手が動いてからだ。

しかし、後手に回りすぎると負けかねない。

相変わらず稲美さんたちは家にいる。

番人としてべアードに全員監視させてる。

べアードは戦力として投入出来そうにないのでそういう役にした。

残りは前線基地にいる。

国とはそんなに離れてはいない。

国は冒険者とフェリクスさん達と烏天狗に任せてる。

目の前には戦場になるであろう平原が広がっている。

湊人の目なら向こうがギリギリ見えるくらいだ。

毎晩涼太郎が斥候に行ってるが、大きな動きは見られない。

食料庫を凍らせるタイミングは平原で戦闘が始まったらだ。

初回は相手の士気もあるのでロボル達にも出てもらうことになってる。

と、その知らせは急に来た。

昼過ぎごろ、見張りが鐘を鳴らす。

相手が来たということだ。

部屋で作戦を練っていた僕らも外へ出る。

すぐにルナを呼び出す。

「良いかい、まず死なないこと。引き際を心得て。そして、躊躇したらダメだよ。いいね。」

「コン!(はい。ルナ、行って参ります!)」

と、涼太郎と湊人もロボル達と会話している。

「いいか、慈悲なんて捨ててけ。敵は敵だ。ま、いつも通り、頼むぜ。」

「ワン!(ええ!最近あまり大暴れしてないので、存分にやってきます!)」

「相手はそんなに強くないはずだから、肩の力…いや、羽か?の力を抜いていけ。」

「カー!(はい!吹き飛ばしてやります!)」

「あ、あと味方巻き込むなよ!フリじゃないぞ!」

「なんかお前ら部活の顧問みたいだな。」

と、見ていた翔がつぶやく。

「「「実際似たようなものでしょ。」」」

「んじゃ、俺行ってくるわ。」

「涼太郎、これね。」

と、涼太郎にお札をいくつか渡す。

これは僕と涼太郎が共同で作ったもので、お札に涼太郎の氷魔法の術式と、魔力が込められている。

いわば、魔法のスクロールだ。

これにより、遠距離からでも魔法の起動が可能なのだ。

これを倉庫に仕掛け、離れたところで起爆するのが今日の涼太郎の仕事だ。

「じゃ、行ってきます。」

「いいか?帰ってくるまでが遠足だぞ?」

「バナナ1つ持ってない上命の危険あるけどな…」

涼太郎を見送り、僕は兵士に強化魔法をかける準備をする。

タイミングを見計らって発動するつもりだ。

と、早速遠くで爆発音がした。

見張り台に登り見てみると、ロボル達が暴れまわってる。

遠目でも見える竜巻と氷と炎。

敵だけでなく味方も圧倒している。

「バフ、要らなそうだな。」

「涼太郎、終わるまでに仕掛け終わるかな…」


戦場の脇を走りぬける。

すぐそこでロボル達がやりあっている。

敵からは阿鼻叫喚の声。

(慈悲はいらないって言ったけどやりすぎだろ!敵軍が早期撤退したらどうするんだよ!)

走るスピードを上げた俺だった。


その晩、基地は少し盛り上がっていた。

帝国相手に圧勝したからだ。

もっとも、ロボル達のおかげだが、ロボル達を見て勇気付けられた兵士が多く、戦果は期待以上のものとなった。

ちなみに涼太郎は間に合ったらしい。

曰く、

「いや余裕持って走るつもりが割とマジで焦ったわ。」

と、汗を流しながら帰ってきた。

ロボル達は体にちょくちょく返り血をつけながらも満足そうな顔で戻ってきた。

その後、涼太郎と一緒に家に戻り風呂に入り、ご馳走を食べさせた。

僕らは念のため残ったが、涼太郎が作り置いておいたカレーは美味しかった。

兵士たちにももちろん好評だった。

敵軍は今頃食料が無く困っているだろう。

厳密には無い訳ではなく、目の前にあるが、ただ、“カチコチに氷漬け”になっていて手が出せないのだが。

しかし、今日はまだまだ序の口。

これからが本番だ。

次回、戦争は続く。一方的に、


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@kisame_novelist

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