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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
4人揃って?
155/194

男の決心

前回のあらすじ

歳はとりたくない。




王城に入り、おやっさんの所まで突貫する。

長い付き合いになるからほぼ顔パスだ。

そしておやっさんの部屋の扉を勢いよく開ける。

「おやっさん!街大変なことになってんぞ…どなた?」

そこには見知らぬ人がいた。

しかし、よくみると街の兵士と同じ紋章。

つまりは帝国の回し者だ。

ここで帝国について少し触れておこう。

正式な名前はリクバルド帝国。

アリスターから北西に進んだ所にあるアリスターよりもそこそこ大きい国だ。

この帝国、いわば人類側のトップ。

例えると人類側の政府だ。

軍事力はハンパない。

魔王軍との戦争を正面から請け負う奴らだからな。

人類側の国はほぼこの国と交流している。

また、教会の総本山。

この教会、アリスターにもある。

俺の足を治療してくれたカルメンの所属している所だが、いわば支店なのだ。

しかし、この教会、支店の方がホワイトという変わった状況なのだ。

本店は帝国議会とズブズブ。

むしろ教会の操り人形の説まである。

そして、今回の問題の勇者を召喚したのもこの教会。

神様(マシな方)曰く、神様側では未来のことを何となくぼんやり見れるらしい。

占いみたいなものだ。

と、話がズレたが、極論勇者とその教祖を潰せばいいということだ。

「おや?知り合いですか?」

「まあね、王女の教育係って所かな。」

「リョウタロウくん…」

「っと、それよりおやっさん、街の奴ら何とかならないのか?」

「それですがね、勇者様のご意向なのですよ。」

と、ちょくちょく俺とおやっさんの会話にチャチャを入れるやつが続ける。

「勇者様曰く、魔王を討滅するためにはもっと力を持った仲間が必要なのですが、あいにく良い人がいないため、“作ることにしたのです。”」

「は?」

「ですから、勇者様の子供をたくさん作ることにより魔王を討滅する軍を編成するのですよ。」

「んなもん間に合うわけねぇだろ。」

「間に合わせるのです。そのために各国の若い女性を“お借りしている”のですよ。もちろん、エヴリーヌお嬢様も例外ではありません。」

「女は子を産む機械じゃねぇぞ?」

「人類救済の役に立てるのです。光栄なことでは?」

こいつ…

「おやっさん、あんた黙って見てるつもりかい?あんたの民が泣いてるのを。」

「…」

おやっさんは黙ってる。

ぶん殴りそうになるのを必死に抑える。

「わかった。あんたにも立場があるのは重々承知しているからな。だがな、ひとつだけ頭に入れて欲しい。」

おやっさんが顔を曇らせながら俺を見る。

きっと本人も頭では分かっている筈だ。

「俺はまだ約20年ちょっとしか生きてないが、学んだことがいくつかある。そのうちの一つ、厳密には親父に教えられたことなんだがな?」

「…」

「男には決断しなきゃならない時が何度も訪れる。その時にどんな決断を下すかだ。」

「…!」

「それはな、何かををやらないで後悔するのと、何かをやって後悔するの、どっちが良いかだ。」

「…っ!」

「今のあんたは迷ってる。どっちの道を選んでも後悔が残るからな。ただ、俺はそんな時、自分に出来る何かをやり遂げてから後悔するね。だって、その方が後悔した後の自分に胸張ってられるからな。」

「私は…」

「…少なくとも、あんたの民は、なにかしてくれると信じてるぜ。下でな。」

「…」

俺は退出するため扉に手をかける。

「リョウタロウくん。」

「はい?」

「勝てる…だろうか…」

「ははは、さあね?あいにく俺には未来予知の能力はないからな。」

「…」

「だが、」

「?」

「正念場で手抜くほど性格腐っちゃいないぜ?」

「…わかった。フベルト!」

すると、扉からフベルトが来た。

「ここに。」

「頼む。」

「かしこまりました!」

フベルトは退出していった。

すると、使者であろうやつが驚く。

「アリスター王?あなたなにをしているかお分かりで?」

我慢が出来ず、顔面を正面からぶん殴る。

使者は鼻の骨が折れたのか、鼻が横を向き、血を流している。

「男の一大決心に口出してんじゃねえ!クソ野郎が!」

「ガハッ…」

「リクバルド王にこう伝えてくれ。『遺産の整理をしておけ。』とな。」

使者はそくささと出ていった。

「やってしまったな。民にどう説明しようかな。」

「心配すんな。きっと大丈夫さ。」

「エヴリーヌは君の家だな?」

「あぁ、クウさんに言って外出禁止にしてるから安心しろ。少なくともここよりは安全な筈だ。」

「あとで妻もそっちに向かわせたい。頼めるか?」

「客間には余裕がある。」

「ありがとう。では、一時間後に会議をしたい。」

「了解。それまでは掃除だな。」

と、王城を出てショウたちのところへ向かう。

着くと、屋根の上からショウたちに手で首を切るサインを送る。

3人とも頷き、作業に取り掛かる。


さて、忙しくなりそうだ。

次回、戦争の前準備

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