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ゲー4(元)  作者: 鬼雨
4人揃って?
152/194

コンビ

前回のあらすじ

アルコール消毒は大事




翔と別れて走る。

既に倒れてる人も数人見える。

「玉さん、湊人達のやってた超獣化、僕も出来るの?」

『出来ますが、オススメはしません。』

「具体的には何が出来るようになるの?」

『単純に半獣化の強化版ですね。わかりやすく言えば、術の効果の向上、一部コストの減少と増加。しかし、かの虫は炎に耐性を持っているのでは?』

「そこは大丈夫。元から生きてる天然の生物なら生まれた環境的に熱耐性を持っているのは考えられるけど、“作られた”ってことはいわば後付け。魔法で防御しているってことだから、おそらく効果が薄いのは表面だけ。内側まではないはず。」

『しかし、あった場合は?』

「死ぬ気で妖術で雑巾みたいにねじ切る。かな?」

と、現場に着いた。

半獣化し、跳躍、右足を強化し、蹴飛ばして注意を引く。

攻撃を避けながら火球を当てる。

今度の火球は球というよりは針だ。

継ぎ目に刺さることを願いつつ数を撃つ。

しかし、先ほどの個体より強いのか、継ぎ目にあたってもあまり効果がない。

「やっぱり、火力が足りない…」

数がダメなら質だ。

一個の火針を集中して作り、攻撃を躱した隙に体に針を突き刺す。

継ぎ目に入ったことを確認し、針の先端から爆破。

ワームはややよろけるが、まだ健在だ。

「だったら…!」

先ほどの針をさらに数本作り、全てを近くに配置して、爆破。

流石に効果があった。

だが、あとどれくらい繰り返せばいいかは分からない。

「玉さん。やっぱりお願いできる?」

『大丈夫です?』

「さっきの戦いであんまり消耗してないからね。一人だけ楽する訳には行かないから。」

『畏まりました!』

すると、体にスイッチが入ったように、内側から熱くなる。

狐耳が伸び、爪が伸びる。

そして尻尾が一本から三本へ。

さらに、今までよりよりはっきりと魔力の流れが見える。ワームの継ぎ目も少し分かるくらいだ。

「これが…超獣化か…キツイね。」

『ある程度は私の方で押さえますし、いざとなれば私が切りますのでご安心を。いわば安全装置みたいなものですし、私。』

「お願いね。」

力は確かなものだ。

先程の針を一気に作れる。

それを次々に突き刺しては爆破を繰り返す。

しかし、思いのほか早くに限界が近づいて来た。

『そろそろ時間切れが近いかと。』

「もう少し引き伸ばして!」

こうなれば速攻で終わらせるしかない。

針をワームの口の周りに四つ、向き合うように深く突き刺す。

そしてそれぞれを炎の線でつなぐ。

ワームの口の中に炎の十字が出来た。

それをマーカーごと押し込む。

無論ワームは襲ってくるが、妖術で抑え込む。

重い。

右で抑え、左で押し込む。

あの巨体を抑えるのでも一苦労だが、やるしかない。

鼻から、目から血が垂れる。

目の前が見えなくなってくる。

『これ以上は!』

「まだ!まだダメ!」

押し込んだせいか、ワームの力も弱くなって来た。

ここまできたら一か八か、右を離し、両方で押し込む。

僕が潰れるのが先か、絶命するのが先か…

「こんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


吹っ飛ばされた。

しかし、なんとか生き残った。

ワームは体の半分くらいまで四つに裂けていた。

「はぁ…なんとかなった…」

「おーい!大丈夫かい!?」

振り向くと勇麟さんだった。

「お疲れ様。あんたもやるじゃないか。」

そう言いながら背中を叩かれる。

結構痛い。

「それより、急がないと。翔の方が心配です。」

「おう。私も行くぜ。」



翔の来た方へくると、翔がぼろぼろで倒れてた。

近くにはイーネスさんとヘルカさんがいた。

「空成さん!翔さんが…」

「分かってる。イーネスさん回復魔法使える?」

「はい。心得くらいは…」

「手伝って。今までで一番ひどい。勇麟さん。あの鬼喰らいが出てきたところへ行って涼太郎達がまだ戦ってる。」

「分かった。そいつをよろしくな。まだ飲み足りないんでね。」




「クッソ…ちょこまかと鬱陶しいな!」

今俺たちは飼い主の魔術師と交戦しているが、飛ぶわ遠距離からしか撃ってこないわでイライラしてる。

俺も跳んで食らいつくが届かない。

「おい!ずっと飛んでるなんて卑怯だぞ!ちゃんと地に足つけて戦え!」

「普段の俺への当てつけか!?」

と下で弓を射るミナト。

「降りろと言われて降りる人はいないでしょう?」

一際大きく跳び、射程距離に入り、刀を振る。

しかし、障壁に阻まれてしまった。

降りる途中を狙われるが、空中に氷を作り、それを踏み台にして回避する。

「チッ、あのワームとおんなじ壁か。」

「あれよりもサイズは大きいですけどね。」

弓も弾かれるし、なかなか近づけないしでイライラが募る。

「向こうも心配だしな…」

もう少し長引きそうだ。




少しして、翔が目を覚ました。

「んあ…あ?クウ?」

「よかった。ずいぶん無理したみたいだね。」

「あぁ、ちょっとな…そっちは?」

「終わった。あとは涼太郎たちだけ。勇麟さんに向かってもらった。」

「てことは俺だけか。大怪我したの。」

「そうでもないよ? 僕も鼻と目から血が出たし。」

「そうかい。まあ、一度勝った相手に負けたらカッコ悪いからな。」

「ふふ、リーダーだとしても、決まりに厳しすぎない?」

「そうか?ゲホッゲホッ…まだ緩い方だろ。」

「ん?本当かな?」

「「あははは。」」

「そういえばリョウ達は?」

「まだやってるはず。勇麟さんに向かってもらったけど、大丈夫かな。」

「大丈夫だろ。だってリョウとシラトだぜ?俺たちの中で最強のコンビだろ。」

「たしかに、あの二人は特に仲良いもんね。」




「ミナト!弾幕薄いよ何やってんの!」

「結構頑張ってるんですけどね!」

攻めあぐねていると穴から勇麟さんがきた。

「どうしたんですか?街は?」

「そっちは二人が片付けた。私は手伝いさ!」

「だってよ!涼ちゃん!加減要らないんじゃない?」

確かに、後が支えてないなら、その心配がいらなくなる。

「んじゃいっちょやりますか。ミナト!1発ちゃんとしたの頼むよ?」

「はいよ!」

「さて悪い飼い主はお仕置きだな!」

「できますか?あなた如きに。」

「窮鼠猫を噛むってね!」

「リョウちゃんワンコだろ。」

「ウベル。もう一回だ。」

『マジで!?体持つの?』

「何、1分ありゃ足りるっての。」

『はいはい。分かりましたよ!』

二度目の超獣化。

「撃ち落とせるもんなら落としてみな!」

真っ正面から跳ぶ。

もちろん魔力攻撃が飛んでくるが、足の裏に氷をはり、その攻撃を足場に距離を詰める。

「な!?」

斬ると見せかけて障壁を貼ったところにさらに跳び上から地面に蹴落とす。

さらにそれを追い、氷の円で飼い主を囲う。

攻撃しては下がり、氷の円を蹴って再度別の角度から斬りかかる。

それを何回も繰り返し、ラストの一撃で刀で突く。

しかし、その突きは障壁に防がれた。

「やはり、無理でしたね。」

そう言われてもう一度跳んで下がる。

その時に顔を左に傾ける。

するとそこを一本の矢が通って行き、消えかかった障壁をすり抜け飼い主の眉間に突きささる。

飼い主の男はそのまま地面に倒れた。

「ナイスショット。」

「あたぼうよ。」

「よくできるねそんな芸当。」

と勇麟さんに言われる。

「「だって、ねえ?」」



「「こいつは外さない(当たらない)から。」」


次回、さよなら地獄。久しぶり太陽。


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@kisame_novelist

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